陽光の糖度が上がり口のなかさらに甘くなれさらに甘くなれ
つぼみには蝶の群れただ渦の群れ細い林のざわめきの群れ
一本の指に龍の火かがやいて通路も爪もはばた ....
自らの終わり知らぬほど咆哮し余りし皮を刻み喰み吐く
引き摺るを引き摺りてなお引き摺りて男の無能ほとばしりゆく
洗濯機街の道は皆洗濯機洗うふりして光を奪う
....
嫌なこと月に翳して浄化する眠れない夜に行う作業
連なった雲を眺めて君想う愛の行方を知りたくなった
モザイクではっきりしない関係を演じ続けた疲れた二人
暗くなり屋根裏部屋で運動会赤組白 ....
無限の世界が流れていくのを知る。無限の何でもない世界がただ淡々と流れていく。日本の宇宙開発は成功だったのだろうかと思わされる。金星の軌道に乗せられなかった探査機に関しての失敗談が説き伏せられている ....
やせることにしました
夜も昼も
私の体は、重たい気がします
持っているものも これから
持とうとするものも 少しばかり多すぎるから
知らぬ間に
体にたまった/たまる澱は、いつまでも ....
風はとても強すぎるよう。ローラースケートやスケートボードを押して坂を下っていた頃は、とても元気なものだったと思う。今でもそんなことをすることは可能だけれど、そんなことをしたとしても、恋愛のように夢中に ....
雪に沈んだ境界を越え
ひとつの足跡が響いている
野と原を野と原へつなぎながら
冬のむらさきは照らされてゆく
ひもとかれ
ただそのままの土が冷え
空へ 息を吹きかける ....
寅から兎へ
ひきつぎはぎ
はずれはぐれさき
けなげでありたく
ゆがみのたえられないおもさを捨て
あけまして
おめでたく候
2011
(2011・1・1mixi)
友達とビールを飲む
突然そこにいるのがいやになる
話していて楽しかったけれど
話題がぼくからそれると
組になって話す人達のなかで
ぼくだけ話し相手がなくなり
夜空に
七分咲きの花の群の
....
即興演奏の融合した空がこのからだで倍音を
発する。満月の銀の弦が冷たく光る。
目を瞑った先に見える映日果が上映される
夕べに伝言する蝙蝠の光子は
舞台裏で旋回し観客には映らない。いつも
....
ここには誰もいなかった
道を 歩いて 通り過ぎていく
誰が 自分であることなど 自分に 思うだろうか
木の葉である 自分自身を そこで 思うのだろう
そうして 杖をつき 次の場所に 向かっ ....
大きな森の
地面に降りた
耳をすますと
聴こえるのは新しい年の風
さて、街の写真館では
カメラが売られていた
フィルムもそのまま
何が写っているのかは
謎のまま
さて、飛行機 ....
雪うさぎ空の城壁うち砕く
目から目へ熱の{ルビ帷子=かたびら}奮えたつ
風の層やわらかな{ルビ襞=ひだ}たなびかす
濡れ雪の縦すじ仄か残り ....
赤いもの何も見えずに赤いもの
削るたびやわらかなもの焦がしゆく
保つ人五七五さえ保てぬか
はからずも何も無いこと晒したり
死 ....
ぼくが生まれた日
今年のように
雪が物憂く降っていた
崩れかけた柱の根
巻き上げる夢の枝先
曇った窓に頬杖つくと
埋もれる氷の柱が
幾本も並んでいた
ぼくは泣かなかったけれど
指 ....
なぜこんなにんげんなんだろう
ソファに寝転んであくびをしている
涙がとまらなくなった
あっ、悲しいんだ俺、そう思った
こころあたりはある
あるのだろうか
それじたいも犯人ではないようだった ....
あしもと
ひきつづき
にごりつづけ
だくてん
゛゛゛゛゛ゆく
(2010・12・31mixi大みそか)
凍てつく空に願いを返そう
祈るばかりの人は無力で
時に木枯らしに踊らされる
木の葉より軽い
その存在の軽さは
ただ空しい
悲しい歌ばかり歌っていたら
楽しい気持ちを忘れたよ
最 ....
へなちょこ人のへらへら絵がかかれた薄っぺらなかみがくねくねしながら、
「ちょいと、そこのあんた、あたしと遊ばない?」と、指を誘う。
蓮っ葉かみは、指に抵抗ざらざら。
さらさらときれいに流れない ....
私の思いは何もない
そこで自分であることすらなくした
私は一体誰なのだろうかと立っている
言葉をなくたままの 私がいた
人であることのない
街の中に立ちつくした 思いが
目の片隅で ....
すべての<色>に撃たれていよう
業火に灼かれ白い灰となるまで
サービスエリアで雨に撃たれた
車のなかから外を見るようなふりをした
ひとは明日を信じていた
ひとは不安を信じていた
俺はだか ....
伊弉諾(イザナギ)の鼻から生まれた素戔嗚尊(スサノオ)は
母と逢ったことも無く
それでも母恋しさに泣きわめく
八拳須心前
(やつかひげむなさき)にいたるまでなき
いさちき青山は枯山なす。 ....
そんなに長く無いよなきっと
なんて笑いながら
まだまだ続くであろう長く横たわる俺のこの先の人生みたいなのについて考える
結婚とか老後とか何だかそんな事を言いながら貯金をする同級生を横目に
素敵 ....
よるおそく
きたくしたときに
たべようとおもっていた
カップラーメンが
ないのだ
これはふしぎなことだ
わたしいがいに
このいえで
だれかがくらしているのだ
おな ....
いかないで
寅年のおひと
Wonderful萌えっち犬より
(2010・12・29mixi)
暗がりが暗がりのなかを
剥がれながら落ちてゆく
滴が滴でなくなるまで
見つめ見つめ 見つめられてゆく
見えるものは そこにないもの
赤を隠した 白の毛糸玉
腕に咲く ....
私は死んだ
生きている だけど屍ではない
日記に存在した今日の世界を
私はいないから もう 眠ろう
草村に寝ころんだ
姿形ではない 人間の形をしている
水蒸気のような ....
わたしのなかの楽譜
(2010・12・28mixi)
煙突の突き出た丸太で作られた小屋
男は荒砥、中砥、仕上げ砥をそれぞれ一枚抜きの板におき
刃物を研ぎ始めた
小屋の中には丸いストーブがごうごうと燃えている
小屋の一角には一昨日捕らえた鹿が横たわ ....
灯火のような色を夕暮れのオレンジ色の無人の通りに見た
橋でもない影は 流れていく 時間なのだ
人と自分を比較しながらなんとなく思っていた どこかで
なびいていたのは黄色い 旗たちだった
....
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