片方の手のひとさし指に
目に見えない傷がついて
治っても治っても治らない日々にも
わたしは言葉を書きつづけている



くりかえす傷と傷のなかで
わたしは傷つけ傷ついてゆく
 ....
あの人は悲しい人だった

公園のベンチで

名も無い詩人の詩集を読んでいた

落葉を栞代わりに挟んでいた


あの人は悲しい人だった

誤字脱字だらけの

名も無い詩人の詩集 ....
君の使っていた香水を買ってみた

香りは忘れてしまったけど

名前は覚えていたよ

リメンバー・ミー

Remember Me


手首に少し付けてみると

君の香りが甦る
 ....
夕暮れの後の雨はどこも優しい
平静な音が響いて
空間が深まっていく、窓の外
思い返すほどに
心落ち着いていく


世界は円になっている
そんな
額面通りにはいかないらしい
言葉が繰 ....
透明な、瓶の底で
大人しく待っていよう
次の月曜日はきっと
明るく晴れるから

さみしい時、だれかに
傍にいてもらえるだけの
ちからを、
此処に注いで

夜は静かに止む
夜は静か ....
駅までの道を歩く
歩く
足の裏
からだを動かすと汗ばむくらいの陽気になるでしょうそのなかで
あたたかな陽射しをいっぱいに浴びて
まぶたが少し、ひらひら
眠っているような感覚が続いている
 ....
両手でそっと包んだ鳩が冷たく固くなっていくということ
小さな部屋でひとり眠る夢のこと
最後の言葉を告げるためにやってくる
自転車のこと
同じくらい愛し合っていると思える人と出会い
二人でしっ ....
歩むもののまわりを
木がまわり
林がまわり
色になり
光になり
やがて塔になったとき
音ははじめて姿をひらき
共に歩むものとなる



抱かれたままでいる
何かに ず ....
傷つけてきたものは何だった
知るのが怖くて触れもせず
通り過ぎた
傷つける気はなかったから
何も言わずに
風になろうとした

汚名はいつまでも
挽回されることはなく
夕日は紅く紅く沈 ....
 悪い事をしてはいけません 悪い事をしてはいけませんよ

       と 風が運ぶ 風が運ぶ


あなたは 朝8時に 長い坂道を転がって行ってしまう   
隣の人も その隣の人も 意を決 ....
子猫の小ささが懐かしかった

この小さなものの愛が懐かしくて
言葉のない温もりが欲しくて
お金を出してでも手に入れたい

人間の愛なんて

なんだか疲れる


他人が密かに語る
 ....
だきしめて だきしめかえして
こだまのように くりかえし

はらはら ゆらゆら
ほろほろ くるくる
おどる おどる

あなたのゆるんだ ほほ
あったかい すきが
わたしを みたして
 ....
背中に入り込んだ紐が
誰かに引かれて灯る羽
骨のあたりでちらちらとする



虫のあつまり
綿のあつまりのような光が
鉄の柱とともにつづいてゆく
追う音の少なく
見 ....
睫を
無理やり引っ張って持ち上げて
マスカラをつけて
失敗して
直して乾かして

私の目じゃない

睫は

もう持ち上げないと誓った日


私の顔貸します

職業人
プ ....
行方知れずの貴方は
死んでしまったのかしら

私は爪を染めることも忘れて
焦茶色の瞳だけ奇麗です

恨み言の渦に攫われては
振り切って

汚れた肌を晒したくないから
髪も身体も洗い ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている

霧に浮かんでいる街で
探し ....
空にきらきらと輝く秘密
カランカランとかき集めて
まるい地球に閉じ込めた
そっと闇に隠れては覗き込む
太陽には言えない秘密
自分の詩作について、思うことです。

○伝えること、表現すること

「いかに多くの人に、うまく伝えるか」と「いかに自分が満足できるように、うまく表現するか」は対極にあると思うのです。
伝える ....
夕暮れ部屋の中で
君はキットカットと
出掛ける支度に夢中
俺は鱈のムニエル作りに夢中

いつものまな板の周りに
時々の鱈が甘塩で二切れ
その親愛なる白身を
俺から奪わんとするエノキとシ ....
ああ・・無常と無上

それは笑顔の

前にみた微笑です

ああ・・無常と無情

それはあなたの涙を

ぬぐったあとの

乾かぬ頬と

みてしまう俺の気持ちです

ああ・ ....
カット!

違うんだな そのコーヒーカップに入ったスプーン
もっとクルクル回して
ユダヤ人ならもっとクルクル回すんだよ
そう 頭の中で目の前の恋人のことも考えるし
干してきた白いシャツが乾 ....
夏が過ぎて秋が来て

君はすこし変わったね


突然のスコールみたいな

涙を流さなくなった


突然熱くなって

我侭も言わなくなった


そういう君も好きだったけど
 ....
秋の風が冷たいね

こんな時は

君にそばにいて欲しい


僕の心の空洞を

どうか

埋めて欲しい


僕の命なんか

秋の枯葉より軽くて

たとえ消えても誰もわ ....
空はふたつ
互いを追いかけ
雲はひとつ
高みへのぼる
たからもの
たからもの ふりくる



誰のなかにも
物のなかにもあるものが
聞こえくる
聞こえくる ....
高速道路の外の景色に包まれる

愛しいさよならの君は助手席で


きっと二人の意思で車は走ってる

緑色の看板が迫って

あと何キロ走ればというよりも

君が降りる土地の名前を確 ....
冷たい水で顔を洗うの
指先に赤く血の色滲んで

朝に凍り付く体
包んでも 包んでも
冷たく表層になるばかり

誰か 誰か
隣で眠ってはくれませんか
心安らかな人よ



無音 ....
森の中で月を見て
青さ静かに、目に染みていく
あるかないかのカーブを
そろり、ふわり、降りていく
静かに、選ぶ言葉に僕の
音はどこかで回り続けているか


泳いでいるのは、あなた
そ ....
せっかく育った野菜たちが
不機嫌な嵐に踏みつけられた
土砂にまみれたレタスたち
店先まで行けるかしら

町のスーパーで
どうにか並んだレタスたち
一個400円は高すぎるの
それでも
 ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと


血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
1998年5月8日午前3時29分45秒に到る少し前、
S・・・は、冷蔵庫から卵を取り出して、それを持って走った。
S・・・の部屋の電話が鳴る。
Q・・・は空を見上げて、上空の風が強いことを確認し ....
砂木さんのおすすめリスト(5632)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(傷粉)- 木立 悟未詩・独白304-11-10
★113_ボクノ、シシュウ- 貴水 水 ...自由詩9*04-11-10
★112_Remenber_Me- 貴水 水 ...自由詩504-11-10
スロウダウン- 霜天自由詩1204-11-9
夜明け- かのこ自由詩2*04-11-9
四駅を越えての内部崩壊。- かのこ未詩・独白2*04-11-9
なにもない- チアーヌ自由詩1204-11-8
残像- 木立 悟自由詩304-11-8
誤想- 蒼木りん未詩・独白1*04-11-5
「戻ってくれて_ありがと。」ね- 千月 話 ...自由詩9*04-11-5
猛禽- 蒼木りん未詩・独白1*04-11-5
よあけ- 玉兎自由詩504-11-5
夜言花- 木立 悟自由詩504-11-4
愛して- 蒼木りん未詩・独白1*04-11-4
熟す- 蒼木りん未詩・独白2*04-11-4
氷面- 霜天自由詩904-11-3
秘密- 半分自由詩2*04-11-3
「伝えること、表現すること」- ふるる散文(批評 ...10*04-11-3
ムニエル- 純太自由詩9*04-11-2
- 純太自由詩5*04-11-2
カット!- 純太自由詩13*04-11-2
★111_アキノ、ウタ_Ⅱ- 貴水 水 ...自由詩5*04-11-2
★110_アキノ、ウタ- 貴水 水 ...自由詩5*04-11-2
たからもの- 木立 悟自由詩404-11-1
あとどれくらい- 純太自由詩604-10-31
雪女になる- 千月 話 ...自由詩5*04-10-30
ID- 霜天自由詩704-10-30
悲しいレタス- さち未詩・独白7*04-10-29
血_(2004.10.29)- 和泉 輪自由詩1904-10-29
世界- ふるる散文(批評 ...5*04-10-29

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