ずっとずっと まわりで
小さな音が鳴り止まない
バスから降りて バスに乗る
またバスから降りて またバスに乗る
いつのまにか隣に
歌がふたつ 座っている



小さな支えを失っ ....
先が見えない曲がり角の向こうから
雨が来るのか
雪が来るのか
鳥たちが恐れ 飛び去る音
叫びひらくけだものの口に咲く灰花



曲がり角に立つ家が
空を大きく切り裂 ....
夜が

よるが

よ る が

唇に夜

指でなぞって



来ている



+



夜は沈殿する夜
夜を沈殿する夜
夜に沈殿する夜

なん ....
建物の谷間の空き地から
町を分ける河が見える
もう作られることのない鉄橋の
橋脚ばかりが並んでいる
雲の居ない水面と
船の窓に映る汽車
そこにしか棲めない生き物のように
 ....
無数の雪の投身
その微かな高音
その消失跡には
無数の無音です


外套の毛羽に沿い 覆い
潅木の微妙に沿い 覆い
歩道の段差の詳細を隠しながら
歩道の段差の ....
消えかけるほど明るい朝に
冷たくもあたたかくもない雪の上を
裸足でふわふわ駆けていると
雪に埋もれたひろい庭が見えてきて
そこには椅子がひとつ置かれていた



あたりに ....
こおろぎが歌っていた
草むらに伏した子の
目の前で


太陽のない午後の理科室
もうすぐ終わる授業中に
床と天井の間に浮かぶ
水銀色の粒の柱


青空と灰空と
白 ....
私の前に渇いた冬が横たわり
私は枯れた花に叱られていた
道には鳥が落とした羽根があり
私はそれを拾って空へ投げる


冬空は何か物悲しいと言い
私は何が物悲しいかと訊く
ただ確信をもっ ....
はがれおちて

きのうのうちに
甘美な成長に去った
いのちよ

ひとくちの ミルク
しみこんでいく ひきかえに
ひとすじの いのち
をたくされます

いのちよ
なみだがへん ....
もしもあなたが 落ち込んでいるなら
そばにいて なぐさめてあげたい
もしもあなたが 喜んでいるなら
私も心から 喜んであげたい
もしもあなたの心が 真っ暗になったのなら
{ルビ灯=ともしび} ....
手のひらを ながめる
ながめたく なった
この指は


何のために ついて いるのだろうか
というより
どうして 裂けて しまったのだろうか


何かを生み出す ためにじゃ なくて ....
走る光 歩む光
過ぎ去る光の姿に照らされ
棘を持つ動かぬかたちの影が
夜を動かす歯車のように廻る



道を削ぐ車輪の音があり
夜の真上を曇らせてゆく
らせんの山 ....
朝の影がのびてゆく
誰かが手放した
結晶のかたちをした風船が
小さな鳥たちに囲まれ
森のほうへと流れてゆく



町をかがやかせる
なめらかな人工
昼から夜へと動 ....
分離、分離、分離、そして、分離


静かなる透析の果てに
冬が、あり


眼球を、振り切る
圧倒的に、眼球を、振り切る
赤のみ知っていれば許される踏切のサイレンの赤の ....
    木々の間にかがやく青が
    海だと気付くまで五年が過ぎた

    
    ひとつの美しさに気付いたとき
    ひとつの美しさを失った

    
    太陽 ....
青空にゆるりと重なりひらく
細く淡い爪がある
遠く静かに狭まる道が
枯木に白く持ち去られてゆく
雲の速さに持ち去られてゆく



朝に散る虹
ふちどる碧
瀬に映る音
鐘 ....
    言葉の木を枯らしたのは私です
    寄生木を植えたのは私です
    萎れてゆく花に拍手したのも
    枝を鳥の死骸で飾りたてたのも私です
    言葉の木は何も言いま ....
 
道端で
ガードレールを呑み込んで
冬の蛇が死んでいた
白く 汚く
冷たく 硬く
すべてに背中を向けていた


ひとりの少女が泣きながら
蛇の頭を撫でていた
私は言っ ....
荒地に倒れた鉄塔に
花と葉と鱗に覆われた子が棲んでいた
やまない雨のなか
たったひとりで
ひとりの赤子を生んだあと
風の向こうへと去っていった


雨が近い午後の下
 ....
暗がりのなか
細い光に照らされて
一匹の蛇が泣いていた
目を閉じたまま
わずかに汚れた白色に
かがやきながら泣いていた


蛇から少し離れた場所に
ひとりの少女 ....
ワイパーを身体につけたんだよ
ネジでさ、おへその穴に固定してね
勤続十五周年だもの
いろいろな人が去っていったもの
自分へのせめてものご褒美だもの

憧れていたんだ、ワイパーのある ....
  影だけが落ちていて  拾い
  においだけが落ちていて  拾い
  ねむりだけが落ちていて  拾い
  線路の上をゆく雲と月に
  拾いものでいっぱいの両腕を照らされ
  歩 ....
狼なのか羊なのかわからない
未分化のけだものの死体から
焦げた巨大な羽が伸び
夜の風にたなびいている
夜より暗くたなびいている


道端で死んでいた男の手から
俺は世界を得 ....
血のつながった人ではないか


花火大会の帰り
歩道を歩いていて

私は服を脱いでいなかったし
一番近い肌は あなたの頬でしたが
私は医者ではないので 血管のことはよくわかりません。
 ....
    私が「知っている」と言うとき
    知らない何かがひとつ生まれる
    その終わり無き巡りのひとつひとつを
    深く 浅く 
    許してやりたい
思いがけず、出逢った頃

わたしたちはいっぱいしゃべったね

お互いの知りたい部分を埋めたね

時間が足りないと思ったの


自分が何故生まれてきたか分かったから

これからもよ ....
雲の日
風が強い日
ひろく浅い水たまりに
壊れた傘が幾つも沈み
鳥の化石のようにはばたく



こころもち静かに
午後をあおいで
ざわめく胸をひらく
遠い雲の ....
海へつづく水と葉の道
混じりものの多い風が吹いている
同じ速さで歩む人々
木々に隠れては現れる


曇と海の間に震える
雨の光が作る階段
朽ちた窓から見える原
住 ....
いくつもの傷
いくつもの雲
風をのぼり
空の終わりで出会い
いくつもの海を越えてゆく


光は雨に溶けてゆく
過ぎた日の光も
明くる日の光も
溶けあいながら分かれはば ....
小石の影が長くのびて
夕陽の家系図を道に描いた
たくさんの冷たい子供のなかに
ただひとり暖かい曾孫がいて
近づく夜にまたたいていた
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(まぶしい日)- 木立 悟自由詩504-1-24
ノート(40Y.1・22)- 木立 悟自由詩104-1-23
夜への- たもつ自由詩1104-1-22
ノート(40Y.1・13)- 木立 悟未詩・独白204-1-22
無音域- A道化自由詩404-1-22
ノート(40Y.1・19)- 木立 悟自由詩304-1-22
ノート(誰も信じてくれないもの)- 木立 悟自由詩404-1-21
冬空と羽根- 和泉 輪自由詩804-1-20
いのち- 唯川自由詩204-1-20
灯になりたい- 春日野佐 ...自由詩204-1-20
このひとは_知っている- バンブー ...自由詩304-1-20
ノート(40Y.1・15)- 木立 悟自由詩204-1-20
ノート(町)- 木立 悟自由詩404-1-19
駄々、瓦解- A道化自由詩504-1-19
ノート(39Y.6.28)- 木立 悟未詩・独白1*04-1-18
冬の飛礫- 木立 悟自由詩304-1-18
ノート(39Y・4.7)- 木立 悟未詩・独白204-1-17
ノート(冬の蛇)- 木立 悟自由詩704-1-17
ノート(春の蛇)- 木立 悟自由詩304-1-16
ノート(夏の蛇)- 木立 悟自由詩804-1-15
ワイパーのある生活- たもつ自由詩2204-1-15
ノート(39Y・6.5)- 木立 悟未詩・独白3*04-1-15
天地獣響- 木立 悟自由詩104-1-14
- 山内緋呂 ...未詩・独白7*04-1-14
ノート(39Y・12.24)- 木立 悟未詩・独白3*04-1-13
1のお話。- 千翔自由詩2*04-1-13
雨の子_Ⅲ- 木立 悟自由詩204-1-12
雨の子_Ⅱ- 木立 悟自由詩304-1-11
雨の子- 木立 悟自由詩304-1-10
ノート(40Y.3・22)- 木立 悟未詩・独白204-1-10

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