海岸道路わきに車を停め
赤い傘を立て
女の肩を抱き
突堤を海へと向かって歩く

鉛色の空が
どこまでも低く垂れこめる

雨があがった一瞬
俺たちはそこできつく抱き合って
キ ....
声をあげるべきだろうと思った

今朝はまるで空襲の後の
焼け跡の空に似ている

明るみに出ている
ニンゲンの論理
プラットホームに発着する
列車と時刻表と
疲れきった満員電車の
 ....
誰もいない夜
クレジットカードの請求額を確認していると
代々木駅の 駅前に
並んだ食堂が 頭を掠める
どこに行くというわけでもないけれど
ゲームセンターではない
そんな気がする 記憶が ....
蝶を追った
鳥を追った
羽のかけら
羽のにおい


入口の奥に入口があり
その奥にさらに入口があり
近づくものを見つめている
泣き腫らした目を 見つめている
 ....
弁当を作りながら
異能する君は謎の生命体
昨日までの怒りと不満が
女のカタチに脱皮して行く
鉤爪は残したままで

朝は不躾に明るい破魔矢
夜明けの夢を葬り去って
吉凶を告げるかのように ....
動物園へ行くというので、
振り落とされないように掴まる。

檻の中にいるあのクマのさ。
憎しみに満ちた目を見たかい?
アレルギーが原因で両目が塞がっちまってるって言うじゃないか。
足の ....
仲間を欲しがる人間の
不安と恐怖を責めてはいけないと
愚かな武装をした大人たちから
うっかりと聴いてしまったものだから

ぼくらはまた抜け目のない罠を
今日もまた一つ
職場の ....
疲れ果てて
ひとりでボーッと昼飯を食べていたら
タカエちゃんから
ちっちゃな人形をもらった

富士子ちゃん?

えー知らないんですか〜
コップのフチ子ちゃんですよ〜

コップのフチ ....
目を瞑って鍵盤にそっと乗せるだけで
軽やかに舞い始める私の十本の指
やがて目の前にお洒落なショパンが現れて
揺れる私の肩をそっと抱いてくれる





「お母さん、私ピアノを習ってみ ....
沢山の人に読んでもらおう 色んな人に批評してもらおう そんなの傲慢じゃないですかね 特定の人にだけ読まれ ただ情報だけを提示し すぐさま廃棄されていくけれど 物事が機能するためには不可欠の言葉が世の中 .... 誕生日
私の多面体の面が
またひとつ増えた

生まれた瞬間は
まんまるだったはずなのに
歳を重ねるごとに
ひとつずつ面が増えて

今では寄せ木細工にも似た
得体の知れない多面体 ....
水のなかの空
浪はひとつ吼え
蒼に倒れる柱
遠い遠い土けむり


鉄路の終着
痛い緑
池を割る花
色にそよいで


井戸が連なり 蛇になり
午後の陰をすぎてゆ ....
雪の降る場所に
ぼくの人生はあった
雷鳴の鳴るその下で
ぼくはその人に出会った
野っぱらに立つ
樫の木ように
悔いることなく
根を張った

恋しいと感じたのは
何時から ....
 
与太話もひとくぎり

タバコくわえりゃ、そっと広告入りの百円ライター

泣いちゃうよ、マスター


 
都会のビルの中で
ポケットに手を突っ込み
吹き飛ばされぬように
掴んだ夢を
決して手放すな

悲しみや
喜びで
埋め尽くされた街角に
尖った言葉は
もう要らない
もれ出した嘘も
 ....
分からない仕事を先輩に教えてもらう
先輩が笑顔で丁寧に教えてくれる
その優しい笑顔にときおりのぞかせる厳しさが
先輩と僕との間の優しさを成り立たせている

担当の係員へと書類を提出す ....
地平の果てに辿りついたぼくは
打ちのめされていた

25歳の夏に
時間の終わりがやってきた
空間もそこではぴったりと
閉ざされていたのだ
東京の新宿
早稲田通りを路地へ入った住 ....
破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと

夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない

僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
食べ物買うのに言葉はいらない
ましてや売る人の心など

風邪薬は効き目を買う
心配そうな言葉など鬱陶しい

陳列棚から取り出した飲み物
黙って値段を示せばいい
すぐに飲もうと だれと飲 ....
今年もつばめがやってきた

帰ってきた
と言う

うちで生まれたつばめや
と言う

小さいな
よく動くな
と話す
話し合う

家族
という言葉を
改めて感じる
春の我が ....
{引用=  /とけた猫
 
  コバルト色の階段をとけた猫がつたっていく、春、うつむくこと
  は似合わない、踊る石と、まだ眠りから覚めない風を抱いている、
  きみには。

   ※
 ....
指先でぬぐえない
苦しみの跡が
陸にあり

次の世代に期待、と今の老人がいうとき
それは諦めでもある
問題を解決しても次の問題が持ち上がる
償いをしても次の償いを要求される
支配者を排 ....
コロコロココロコロガッテ

何処かへ行きたくて

誰かと出会いたくて

コロコロココロコロガッテ

新しい匂いを吸い込んでみたり

柔らかな生まれたての感触を

頬にあててみた ....
それぞれに運命を入れた容器たちの
つかの間に折々
わずかな光を胎動し
森のかたちにふくまれていく

欲しいからだを差し伸べる
天使たち
祈りをおびて瑠璃色の
小箱にひそめ ....
朝なのか夕方なのか
それさえも知らせてくれない
空と時計の冷たさ

むっと感じる春の熱気
散らないでおくれ
願う間もなく

風の力で1枚2枚と
枝から引き剥がされ
花びらは宙を舞う ....
                140402

+0パーセントの悲鳴が
2パーセントに達するほど
奥が深くない湾岸の住民たちは
3パーセントアップでも耐えられるはずだ
5パーセントアップだ ....
昔大きな戦争があったことを
食卓のバナナは太陽に教えてもらった
黄色い時代だったという
バナナは自分が青かった頃に住んでいた国について
通りかかった風に話し始めた
小さな島がたくさんあっ ....
山手線から埼京線に乗り換えようとしたけれど
でも すでに行ってしまっていたようだった 
風が吹いていた そこで ひとりだった
ひとりだったから不愉快なことは何もない

線路というのは
 ....
あの大きな地震から三年たって
家を建て直した人の窓ガラスが悪意で割られるという現実
廃炉問題や生活再建や瓦礫処理はまだまだ続きその一方で
こちらの生活は元通り
スーパーで売っていないものはない ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無謀- オダ カ ...自由詩3*14-4-12
焼きたてのパンに降りかかる悲劇- オダ カ ...自由詩5*14-4-12
アパートから窓を開いて- 番田 自由詩414-4-12
夜森- 木立 悟自由詩314-4-12
ハッピーマニュアル- ただのみ ...自由詩17*14-4-11
動物園へ行く- オダ カ ...自由詩4*14-4-11
ブリキの感情- オダ カ ...自由詩3*14-4-10
コップのフチ子をもらった- ichirou自由詩18*14-4-9
頼りないショパン_不器用なベートーベン- 夏美かを ...自由詩31*14-4-9
twitter- 葉leaf自由詩514-4-8
多面体- nonya自由詩27*14-4-7
冬と離音- 木立 悟自由詩514-4-7
年輪- オダ カ ...自由詩2*14-4-6
泣いちゃうよ- 殿上 童自由詩13*14-4-6
街はたゆけし春は鍬の柄の熟まん- オダ カ ...自由詩4*14-4-6
ふたつ- 葉leaf自由詩414-4-6
25歳の夏〜39歳の春- オダ カ ...自由詩4*14-4-6
地球詩人- ただのみ ...自由詩25*14-4-4
夕暮れ- 梅昆布茶自由詩2514-4-4
余計なお世話だけれど- イナエ自由詩18+*14-4-4
春の家- 朧月自由詩1014-4-4
春へのコラージュ- 草野春心自由詩914-4-3
僕たちは生きているだけで人生については十分論じ合っている- ふるる自由詩12*14-4-3
コロコロココロ- 灰泥軽茶自由詩814-4-3
瑠璃唐草に- 橘あまね自由詩1314-4-2
春の熱気- 小川麻由 ...自由詩4*14-4-2
狐石- あおば自由詩13*14-4-2
落花生- 乱太郎自由詩25*14-4-2
蘇我からの風- 番田 自由詩314-4-2
後ろからくる崖- ふるる自由詩10*14-4-1

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