夜の手のひらに
背中を押されて
チラチラと散らばる
港の明かりを見下ろしに
いつもここへ来る


デパートの裏の階段にすわり
わたしたちは
寄り添ったり
ときどき 無口になったりし ....
軒下で猫が鳴いた日
街は雨だった
雑音が混じる電話の
聞き取れない君の声
こんな日が原因かもしれない

街に
傘を持って
ついでに長靴も用意した
ばらばらに音が降ってくるので
軒下 ....
親友ってなんだとおもう?
あたしが思うには

なんでも、相談できて
いつでも喧嘩して仲直りして
いたって普通の友達と変わりないと思う
でも 本当に苦しい時あなたのそばでずっと支えてくれたの ....
----今日はどうされましたか。
  ええっと、こころにぽっかり穴があいてしまったんですか。

----で、いつごろからそうなりましたか。
  覚えていない、物心つくころから何となくずっと、で ....
夜の街を越えてゆく蝶
飛ぶものたちの音は聞こえず
ただ光の散った跡だけが
道の上をつづいてゆく



雨は低い空にはじかれ
羽のように銀を流れる
光の殻の外側に
飛 ....
 
 黒い喪服を身にまとい、
 満員列車が{ルビ都会=マチ}を出る。
 
 {ルビ都会=マチ}の駅では群集が、
 ただうつむいて、過ぎてゆく。

 毎日、毎日、
 誰かが、溺れて、死ん ....
冷たさが遠くで
小さく音をたてている
防風林に少しずつ
柵がまわされてゆく
巣離れの近づいた
鳥たちの声が聞こえる



曇の表情の少ない日
声はどこか散りぎみに届く
 ....
声帯で
黙殺された孤独は
肺に
積もったようでした


声帯で黙殺された孤独は肺に積もったようでした
そして、やがては
床板に屈した体を
どうしても規則的に置いてゆく呼気に乗 ....
僕がバイクで事故を起こした時

真っ先に駆けつけれくれたのは

君だった


いざとなると皆冷たいな

そんな僕の愚痴を笑って聞いてくれたのは

君だった


そんな君が今 ....
僕は1人で飲んでた

酔ったのか

風に当たりたくて

塀にもたれてた

僕の髪が中途半端に

自分に絡みつく


風に聞いても

夜の空に聞いても

答えなんて無い ....
見え隠れする明るい夜が
一羽一羽に分かれ飛び去る
壊れた家から波を見ていた
傾いだ家から曇を見ていた



鏡の道に葉は落ちて
緑の上に銀はひろがる
小さくざわめく音 ....
窓枠から漏れている気持ちを
ガムテープで目張りする
それで安心かというと
そうでもないらしい

困ったな
僕はそれ以上のすべを知らない


進みようのないことを
あれこれと堂堂巡り ....
窓枠から遠く、鴉の発音から
鴉の翼が発生して
西の方角、地平線に降ってゆく
黒い花火があったとしたら
こんな風に
ゆっくり悲しいのだろう


この手の中の窓枠を忘れず
この手 ....
何かを残して
鎮まる波たち
無より冷たいうつろたち



灯りのない窓に映る灯りは
尽きることなく底なしに深く
目をそらすことができないでいる



黄色い紙に黒い線
 ....
アメンボが連れて来た
空の暑さ 夏の魔法
白い翼で 飛び立て!
憧れの空 目指して

今 私はこわいもの知らず
若い雲に勝負をいどもう!
ありふれた光景も
言葉にすると
ムズカシイ
大好きな気持ちも
言葉にすると
ハズカシイ

上手になんて
言えないけれど
心はいつでも
ここにある
どろりとした血のカタマリが
ゆっくりゆっくり股間から滲むので
早く全部出ちゃえばいいのにと思う

そうしたら生理なんて一日で終っちゃうのに

トイレでじーっと次のカタマリが出るのを
待っ ....
あうぅぅ...ぅ

最近 ついてないなぁ..

あーぁ..

なんで 

みんなに いやな顔されちゃうんだろう..


こんな詰まんないこと 書くのいやだなぁ..


だか ....
身体を懸け
窓硝子が投じくる色彩鈍角と
眼球につきものの悲痛鋭角との
区別が付かず
ずきん、瞑りました
それでなおさら
難解な幾何学を閉じ込めてしまった眼を
白く、拭き取 ....
肩は既にはばたいていた
鎖骨から胸へと流れる羽を
抱き寄せようとする腕もまた羽だった
耳も髪も眉も目じりも
風にそよぎはじめていた
咲きつづけるからだをひらき
子はひとり川辺に立 ....
見上げると
空は昼寝をしていて
そのすきに
雲は氷になっていた

このごろは
どうにも喉がかわくんだよ、
と手を伸ばしても


涼しいかたまりが
つるんと通りすぎて
ぼくはま ....
声と匂いに光を知る
曇は震えに飾られる
遠い遠い緑の音
髪に隠れた迷い子の背



水に映る木々の声
乱す足で雨を歩む
左目の下
気泡の翼



水の重みに
 ....
壁、壁、壁、の、コンクリート、の
暗澹へ、暗澹へ、暗澹へ
投身する風の、その跡形を独占する為
すぐさま雨が投身する
同時に見えるも僅差のあるそれらの自決を
私は、右目と左目で悼む ....
君はただひたすらに自動券売機をつくっている
外、春はとっくに酸化してしまった
困るね、こんな雨の日は
花壇に水をあげることもできない
僕の手の中で冷たくなっている冷蔵庫
その扉を開け ....
あおいそらは
うかぶ
くもに
ひつじのように
つつんでください、と
おねがいすると

そのすきに
ゆうぐれと
ほそく
しろい
つきに
おねだりして
もらった
あまい ....
眺めている人を
僕を
その眺めている人を
さらに眺めている人を
どこか遠くで見つけることが出来たなら

僕を眺める人が僕を
眺めているその姿が
どんなふうに見えるかを
聞いてみたいな ....
僕は君となら

地の果てまで行ってもいいよ

海の彼方まで行ってもいいよ

だけど

君と僕だけでは生きてはいけない

砂漠で骨になるか

海に浮かぶかもしれない



 ....
僕の部屋の窓ガラスが

強い風で音を立てる

今にも割れそうだよ

嗚咽か慟哭のようだ

僕の心の傷跡にしみる

僕も君も

そんなふうに泣いたね

君が僕を好きだと言って ....
心の中の本棚に
私小説が増えてゆく
主人公は
いつも不器用で
哀しいほど
いつもみっともない

誰が読んでくれるでもなく
ただ 
収められてゆく
落胆のため息とともに

それは ....
どうしようもなく空に向かい
わたしは
影を失くす



足の下を踏みしめ
家々をすぎ
すべてに接する崖へと至る



見えない花のわたしは
ひとつの大陸でできた楽器 ....
砂木さんのおすすめリスト(5644)
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