カシャっ
tonpekep

空が微かに剥離する
空の剥離する音をきいている

微かに青い香りがしている

カシャっ

生活はいつまでたっても生活で
ぼくは毎日お腹が空いて
そしてぼくは
sexがしたくなってしょうがない

カシャっ

ときどきキーをたたき
たまに本を読むけど
読んだとたんに眠くなる

カシャっ

僕はエアコンの清掃をしている
夏の仕度はそんなところからはじまる

カシャっ

椅子を引っ張ってきて
その上に立ち
僕は夏を迎え入れる準備をする

カシャっ

こんなにも夏を弔い続けてきたけれど
今年も夏が来る

カシャっ

空の下敷きになって
随分とぼくは生き続けているなぁ
猫背だねって言われ続けて

カシャっ

空が死んでる
花の下に死んでる
蝶々かと思った

カシャっ


自由詩 カシャっ Copyright tonpekep 2005-06-17 23:26:37
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