カタクリ カンタービレ
るるりら

ともだちのメールの カナリクタビレタが
カタクリ カンタービレに 読み間違えてしまうのは 三月のせい

この胸に 湖水が萌える
サーモンピンクと コーラルピンクのあいだに ひそむ
銀糸の きらめき
繊維を纏うことと 
春に混じる花の香を嗅ぎ取ることが おなじ意味なのは三月のせい

失うことが 怖いのは 三月のせい
女であることが いたいのは 三月のせい

指先をすりぬけてく
最期のうすらい
うつむいて

足元に探す
カタクリの花


自由詩 カタクリ カンタービレ Copyright るるりら 2012-03-01 10:12:49
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