『知るということ』
あおい満月

したい何かを数えていくほど
したい何かが見えなくなる

まるで
皮を剥ぐように
剥いで剥いで、
剥ぎきってなにも見えなくなるように

出来ることよりも
出来ないことを知ることと誰かがいう

出来ることと
出来ないこととは
ひとつのひかりと影で
どちらとも
失なってはならないもの

けれど、
わたしは怖れてしまう

出来ないことを
まるで死のように
出来ることを知っているのは
わたしはわたし一人でいい
それなのに
他の誰かにもとめることは
ひとつの世界から
存在を断たれることの
まぎれもない畏怖

死にたくない、
ただそれだけ





自由詩 『知るということ』 Copyright あおい満月 2012-02-29 21:04:46
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