桜台カリフォルニア団子ブギヴギ
大村 浩一


梅雨明けの午後3時、
高架化成った西武池袋線桜台駅。
昼飯食いそびれた背広姿のサラリーマン(俺)が
ベンチにて団子3串にかぶりつく。


頭ン中にはお気楽な音楽。
「カリフォルニア、ブギウギウギウギ」
「カリフォルニア、ブギウギウギウギ」


3本はそれぞれ、
みたらし団子、焼き団子、ごまあん団子。
3本あるからには、
それぞれの順番は決まっている。


前菜は蜜たっぷりのみたらし団子。
亡父の実家、静岡の和菓子・小松屋では
団子といったらまずこれだった。
もちはラムネ菓子みたいな円筒形で、
球体ではなかった。

メインディッシュは焼き団子。
しょうゆ味で表面はこんがりドライ。
海苔を巻いたらまるで磯辺焼き。
海苔ならやはり主食でしょ、
デンプン質。(<いしいひさいち)

デザート甘味はごまあん団子。
ごまだれごま煎餅ごまドレッシング、
ごまには最近こだわっている。
アンコ混じりの独特の風味とクリスピー感がたまらない。
植木等もご推奨。(摺るのを)

お飲み物はカルピスオレンジ。
ホームの無人販売機で購入。
ペットボトルから甘く甘くだくだくと
流し込め。
団子3串で150円、
ドリンクも同じ150円、
締めて遅れて午後3時のお中食300円。

薬を一錠、
傷の化膿止めに抗生物質。
痛みは昨日ほどじゃない。
誰のために、だ。
いや、むしろ
誰のせいだ。


(俺が望んだ事だろ)


頭ン中にはお気楽な音楽。
「カリフォルニア、ブギウギウギウギ」
「カリフォルニア、ブギウギウギウギ」

急行池袋行き素通りして、
ヘンな視線素通りして、
いい風も素通りして、
手ふり、
足ふり、
ノリノリ、


悪いが
当分死にそうにないな。


       BGM:"Karifornia" Fatboy Slim

初稿 2004/06/03(初出 Poetic Free)
初演 2004/06/12 白山『コトバコ』 改稿 2004/07/26


自由詩 桜台カリフォルニア団子ブギヴギ Copyright 大村 浩一 2004-07-26 21:09:03
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