すべてのおすすめ
フリーダイヤルじゃない早口で喋る
クレームの電話代でもう一つ買えた
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
....
怖い話だが滑舌が悪い
君の住む街の地図を買って会いに行かない
もうすでに決断したことを
髪をすいては決断するように
女はその長い髪をなんどもなんどもすいていた
宇宙の青白い光を見つめながら
宇宙の青白い光に見つめられながら
長まわし ....
縦横無尽の蜘蛛の巣に
きらり、とひかる
ひと粒の
朝
水に囲われ
ささやかに揺れている
ひとしずくの
時刻
断片的な
その美しさのかたわらに
白く包まれた命がある
....
賞味期限が切れたからくれたのか
大きなお尻が部屋を狭くした
コーヒーの香りとあなた
コーヒーの香りとあなた
コーヒーの香りとあなた
画家がキャンバスに向かい、あらゆる影を創り出す時、
私は白昼の都会で私の影を創造した。
人並みを避けながら、あらゆる方角へ歩みを進め、
変幻自在に形を変える自分の影を創造した。
発見と ....
芝刈りの最中、可憐に咲いている名も知らぬ花を私は見た。
同僚に聞いても知らぬと言う。
私はその花がどうしようもなく気になったので、
皆の見ていぬうちにこっそりと花を抜き、作業着のポケットに詰 ....
振り返れば後ろに誰もいない森の小径を私は往く。
森の中はあらゆるところから何かの声がする。
私を狙う声、無関心な声、官能的な声、はては幻聴。
道案内人はとうに消えてしまった。
自らの思 ....
春になったら
冬は死んじゃうのって
おまえがあんまり悲しそうだから
ひとつ、翼をあげよう
冬とおんなじに
翼をあげよう
どこへでも渡っておいで
時が満ちるまで
空がめぐるま ....
二枚舌はタンの量が2倍
美しく作ってもらえなかったアンドロイドの気持ち
裏声のまま面接を終えた
そっと今も
地球に隠されている
新しい一日には
夜明けの太陽から
陽射しが煌めいて
鳥たちが
鳴き始める約束の朝
窓を開ける
君の微笑みに
旧来の知人から
感謝の手紙が届い ....
見えないものを見 聞いたことのない歌をうたう
聞いたことのない声を出し 人と関わりたがる
私の目は 饒舌に喋り続け
下半身の纏った嘘を 脱がせようとする
私に口はないが 手はい ....
ほどよく素っ気ない風が
袖をめくり上げたシャツを
透過していく
さらさらと粉っぽい光が
釣鐘堂の屋根を滑り
落下していく
手桶と柄杓と
線香と花と
いくばくかの懐かしさをぶ ....
指きりげんまん人間未満
眠りを妨げた選挙カーに投票しない
あたたかいところ
つちのなかで ねむってる
どんなに 外がつめたくても
くらいひとところにまるまっていると
自然と あったかくなってしまう
....
公園で子供たちが遊んでいる。
今日はシャボン玉だ。
微笑ましく見ていると、私は自分が老いたのを感じる。
シャボン玉が魂に見えたのだ。
子供の咥えるストローからシャボン玉が生まれる。
....
不幸だからと詩を語るのは正しくはないだろう
幸せに足らないからと詩を描くのはもっと正しくはない
いまあなたが誰かを思うように
言葉はぶつかり合う陽子と中性子の悔塊
ひ ....
わかっているのだ
燃えるゴミは火・木曜日
かんとビンは水曜日
古布と資源ゴミは土曜日
でも、間違えたのだ
自治会の方がやってきた
ゴミを突き返し、怒るのだ
間違えた、やってしまった
そ ....
正論を吐く人のカツラずれている
ミドレンジャーとしか答えられない立場
たこ焼きは
少し冷めてから食べる
帰る途中に温もりを
暗闇の中
川沿いの公園
ベンチでつまんでいると
カップルが街灯近くの木の下で抱き合っている
ゆっくりとゆ ....
わだかマリは美辞麗句に対する発酵した恋情を
月明りに晒された真っ赤な隠語に注射しながら
言葉が死滅した宇宙を金縛りのまま浮遊する
陽気な殺意のクラリネットが舌先を蛇のように操ると
殻も割ら ....
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