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瓦礫の花

生まれる場所は選べない 崩れた街の瓦礫の隙間
ようやく頭を出した花は はじめて空を見上げる
生まれる場所は選べない 檻の中で生まれたライオンは
草原の夢を見ても 自分に牙がある理 ....
よぎっていく

いくつかの名前に戸惑いながら


アンドロメダ星雲はどこかな、と指先でさがす



大丈夫だよと言ってもらいたくて
わざと鍵を失くしたこともあったと思う

そう ....
予定通りに終わった記憶がない夏休み
小学三年の夏休みの
スケジュール表が物語っている

「キタナイ字!」と
左隣からすっと覗き込んだつぶらな姪っ子 
「わたしはもう宿題おわったよ」と
誇 ....
私とリリーは旧知の仲で しょっちゅう双子に間違えられた
リリーの周波数は私と同じで
二人でいれば何でも乗り越えられたんだ
だけど 私は知っているんだ
リリーの方が賢くて
リリーの方が絵が上手 ....
曇りの日が
続く時は
曇りの日を
愛したい

じめじめした
陰鬱な空

じゃなくて
しっとりとした
目に優しい空

とか
とにかく
物は考えよう

一度君も
離れてみ ....
      
俺達の空虚が体現された
芸能人やアイドルといった存在
俺達は常に干からびて、喉が渇いているが
それを満たしてくれるものが何かは知らない
人々は幻影を見るために努力し続けてきたが ....
   
過去も未来も
幻想に過ぎぬ
人々の一瞬明滅する脳内に浮かんだ
空の空に過ぎぬ
過去を捨て、未来を捨て
そして「今」が自分だと気付いた時
全ては作られたものだと悟った時
お前は一 ....
優しさが欲しかったが愛が欲しかったわけじゃない




笑顔が見たかったが微笑んでほしいとは思わない




なにもいらないなにもいらないなにもいらない



 ....
  透明な
  大きい壷の中を
  一匹の蟹が歩いてゆく
  のすり、
  のすりと
  青空の注ぐ光に
  気難しげに傾きながら
  そして
  太陽が地を耕し
  若葉色 ....
夢のような
青に
灰色を
ほんの少しずつ
混ぜていく
そして出来上がった
今日の夕暮れと
わたしのこころ
天気は人間のよう

雨は悲しみ

曇りは不安

晴れた青空は喜び

僕は晴れた
青空が好き

あなたは空を見て

何を描きますか
木である私は風を感じている
昨日の曇天は特に蒸したが
今はどうだ
沢筋からの一縷の風が
梢をこすり私の腋の下を涼やかに通り抜けていく

かつて私にも過去があった
たとえば私の前で作業をし ....
幸福だ

カーテンを開けさせる

お天気を確かめさせる

朝を食べさせる

歯を磨かせて出掛けさせる

朝の空にきみは

いくつの星を見つける

才能を預かったことが

 ....
身ひとつで悩んでいる

可憐な花が逡巡している

体の調子を整えようか

発信音、着信音

花を喜ぶ顔を見ようか

可憐な花が逡巡している

身ひとつで悩んでいる


疲 ....
いばらの影に
脈打つカルマ
音色を聴いて
たたずむ青さの
うつくしい夜明け

明日も深呼吸して
そのときを待ってる
だから、行くね

押さえ付けて
轢き潰して
そんなもの
そ ....
生きることはまるで 夢を見ているみたいだと
君がつぶやいた
確かにこれが夢ならば すべては悪夢だった…

君を知り 愛し合ったまま失った
幻覚とは呼べない
現世の外へと溢れ出たかなしみ ....
言葉が出なかった
僕は そして
見えない
絵を見ていた
 
俺なんてこんなもんだって思えたら、おめでとう

所詮、俺なんてこんなもんだ

そう、俺だけなら



 
眠れない夜に
涙が出た
幾粒も、幾粒も…



私の「好き」と
あなたの「好き」は

燃え盛る炎と
凍てつく氷くらい
温度差があって
決して
歩み寄ることはない



 ....
救いようがない場所に
気づいたらこんな場所に
バカにしていた当人が
バカにしていた対象そのものに

掬いようがない距離に
気づいたらこんな距離に
蔑んでいた当人が
蔑んでいた対象そのも ....
誰にも触れられない場所に
花が咲いていた

切り立った崖の中腹
そこには
誰も登って来れない
誰も降りて行けない

そんな場所に独りぼっちで
花は気高く咲いていた

小鳥の囀りに ....
何もない日に
何故だろう 僕は 見ている風景に寂しさを感じた
辞めた会社の空気が頭をかすめる
僕は ずっとひとりだった
僕は 生きるべき場所を 間違えたのだ
君と二人で抱きあっていただけ ....
光の夢と引き換えに
二人は大きなものを失った

なすすべのない夕暮れ
ひと足早くここに来て
懺悔のように君を抱きしめる

光の体は思ったより身軽だけど
互いを目と目で
確かめ合うこと ....
人の顔はトーチのよう
みなの顔に心がよく表れている
魂は青い炎
冬も去り暑い季節がやってくる
僕の心の中には固い氷がある
絶望の暗い気持ち、混乱の頭を運んでくるわだかまり
優しいもの温かい ....
山よ星よ海よ
さようなら
4畳半の部屋に
閉じこもり
することもない

時の流れに身を任せ
うたた寝をする
蒸し暑い部屋
コーヒーを流し込む

老人の尻を拭き
五穀米を食べ
 ....
本当に大切なことだけ
教えて欲しい

大切なことは
ほんの少しのことだけ
人を愛し
それを喜べるということ
ただそれだけ

それだけのことが
この世の中で
どれだけ希少か

 ....
生を強制され
死を禁じられ
予め決まったコースを
粛々と進む
それが正しい事なのだと教わって
僕らはここまで来た
なら、今、僕の目に映る
あの流星の光は何なのだろうか?
人間の意想の圏 ....
{引用=


陰りある微笑みの調べに
すべてをさらってゆく
引き潮

別れの日を思わずには
愛せなかった人の
去りゆく音階


 背後から近づく
 やさしい足音も

 広 ....
地面に
言い聞かせるように
雨が降り続く

無色の
絶え間ない呪文が
街を塗り潰す

紫陽花は
すべてを受け止めようとして
雨雲を黙読し

雨傘は
すべてを受け流そうとし ....
ある日、名指揮者は倒れ 
コンサートは(指揮者無し)で行われた 

ヴァイオリンもフルートもホルンも 
それぞれの奏者は皆 
無人の台の上にいる 
まぼろしの指揮者のうごきを見て 
それ ....
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