すべてのおすすめ
曖昧な態度のままで察し合うのが自然
と言葉で明示することもなく
顔や声音
目線や肢体の所作で流動的に日常をやり過ごすこと
に疲れもせずあなた烏賊のよう
嫌い
大嫌い
烏賊は好きだけどあな ....
ナニカガ ウマレ ソウダ
言葉
宇を身籠もり
身籠もる言葉は
響く声また声の渦
何かが何かが ウマレテイル
夏の炎天下の縁側で
西瓜を食べている
兄と弟
汗流し
その頃 ....
色づいた風が
ひゅるり ひゅるり
わたしのまわりを遊んで去った
淋しさだけを残して……
描きかけの抽象画
食べかけの卵サンド
磨きかけの靴
作業机
ゼンマイ
リュウズ
短針
無造作に転がっている
オーバーホール途中
やがて完成する品々
また一つ
缶詰を開きかけにしよ ....
もちいくつ?
{ルビ価値可知=カッチカチ}の表面が割れて
どろり中身があふれ盛り上がり膨らんで――
あといくつ餅を食べるのか
あといくつ正月を迎えるのか
一生分の餅をざっと数えて
....
忘れ去られた思い出を戸棚の中から取り出してじっと見つめる。
淡い色に変色したノートや書籍。
どこの国の物か分からない人形。
出し忘れた葉書。時を刻まなくなった時計。
遠い記憶 ....
今ならわかる
君が何について悩み
何について語ったかー
それはー
幸福について
自由について
病気について
人生のあらゆる困難について
それがどんなに
僕の人生において
希 ....
引き寄せて歌の精よ耳元に
オンとイのほつれ目
楼蘭の砂から掘り起こされた女の髪のよう
忘れられたイトが絡まった
黴臭い沈黙から ふと
夜は陽炎のようにゆらめき立って
歪み捻じれたこの道を筆 ....
わたしの愛しいお月さま
借り物の光で身を装いながら
あなたは女王のように天を渡って往く
わたしの愛しいお月さま
ちょっと見わからないが肌は荒れ
あっちもこっちも傷だらけ
わ ....
3・14から始まる円周率は
無限に続く
わたしが生まれた瞬間から
円周率を言い始めたとして
数十年を経た今も
それは言い終えられないことになる
そして、わたしがこの一生を閉じる ....
月の調べにうっとりとする今日の夜だ。
幾千幾万もの光の帯が私の窓辺にやってくる。
天上の彼女は奏でる。
今日も一日幸せな日だったと。
深紅に染まったローズヒップティーを飲みな ....
死は全てを呑み込んでいく、
奈落の底の虚無だ
魂は耐えなければならない
その恐怖を 独り乗り越え
名という名を剥奪された物質という物質が
肉という肉が己の魂を埋め尽くすだろう
正真正銘 ....
{引用=ゆれる、ゆれ、たちあがる、あわい、影に、
くるまれた、ままの、「わたし」の、身体は
ゆびさき、から受粉して 髪は緑にながれる
血が赤いという現実を、見捨てて、
血が赤かった ....
月を観なくなってどれくらいになるだろう
その光に照らされた満開の桜
あれからとうに十年は過ぎた
慈愛と悲哀を噛みしめて
水面を昇華させた日々
もうあの日は還らない
永遠の絆 ....
もみの木のてっぺんで何してやがる
季節外れの煤けたお星様って訳じゃあるまいし
カラスのくせに風見の真似か なに
風は見るものじゃない 乗るものだって?
違いない 世のなか乗ったもん勝ちよ
だ ....
夜、おしっこに起きたときの
ベランダの外に広がるたぷたぷと波打つ闇や
満員電車でとなりあう
湿った背広のすえた臭いなど
そういうものを
とん、とん、とん、と踏んで
住宅街を俯瞰し
....
視覚を失った思考、
わたしのなかで解放される
盲目となったわたしに、
新たな光景、生き生きと立ち上がり
凍結した大雪原
輝く満天の星達の
巨大な光の眼また眼が
明滅し爆発し流れ渦巻き ....
淡い太陽とそよ風が流れる五月。
森を抜けた小高い丘から見渡せる大海原。
キラキラ光る波間に浮かぶカモメ達。
沖合には大きな帆船が漂う。
新しい季節の到来に胸が高鳴る。
自 ....
今日という日に新たな風が、吹き荒れている。
それは喜びであったり悲しみであったりする。
一つの言動や行動が新たな何かを生んでいる。
希望や絶望が不可思議に織り込まれている。
....
呑み込まれていく織り込まれていく
巨大な力と熱のうねりに
圧倒的で繊細な愛の織物に
わたしの中で蠢き思考し活動する力の流動体が
人生の不条理こそ条理と響く木霊の透明未知が
受肉の快と苦に ....
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ....
ランプスポットに明かりが灯る頃、
私は常連客に珈琲を淹れていた。
柔らかな音楽が流れ、
店内は優しい暖色に包まれていた。
お客の一人は英字新聞を何かに切り張りしていた。
他の ....
さて、私の航海はこれで何度目だろう。
未だ明けきらない朝に、港の喧騒は透明だ。
果物かごを抱えた婦人が通り過ぎ、
口髭をたくわえた紳士に足音はない。
静寂なのだ。
この神 ....
土手の手つかずの雪が老いて
カラスがなにやら啄んでいる
穏やかな冷気に衣服の戸惑い
惜しめば儚く望めば遠く声は
なにも残さないただ揺らした
言葉が追う死者を追うように
セー ....
直ドラで右股関節を捻挫した
ダフった衝撃がそこに集中してしまったのだ
向きをかえただけで襲ってくる激痛で
寝ることと座っていることが辛くて仕方なかった
立っているときがいちばん ....
どろうみから
タって
ミせて
あなたはあなたを
ミて
イたり
ニたり
《シ》ナいから
《シ》して《シ》舞う
カのふ ....
母になれないこのままで
あなたに名前を名付けたい
あなたは黒い目玉を輝かせ
きょとんと笑ってくれるでしょうか
母のになれないこのままで
あなたを産んだといってみたい
海のな ....
たぶん人生って
悲しくて
情けなくて
つらくて
しんどいものかも知れないよな
だけど俺はつながりを求めていく
大空と
太陽と
大地と
大海原と
草と
虫と
樹と
花と
....
生命の種を蒔いた
水を与え光を与えなにが咲くかな
咲いた咲いた命が咲いた
咲いた咲いた人が咲いた
咲いた咲いた争いが全て裂いた
人も心も命さえも
種はなくなり
生命もなくした
光が誰も ....
貴方という被写体は
なにをもって 貴方だという
内在しない対象の美しさ
それは観者の心に秘めたもの
五感レベルの知覚など
貴方を語れないでしょう
だから今 わたし ....
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