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女を 追い掛けた
夢見ているのだろう
忘れかけた日、
そこで 自分自身を
過去を省みることは、
僕には できる
人には できない
努力を重ねてきた
だって、
自 ....
江戸の町を外れた木々の緑の林道を
刀一本脇に差し
首輪を繋いだ愛犬つれて
{ルビ悠々=ゆうゆう}と風を切り
西郷どんは、ずんずん歩み往く
勝海舟の願いを聞いて
江戸の戦火を ....
虫食い算のように所々破けた穴に
正解を埋めていく作業は
途方もなくわたしを混乱させるのです
何を埋めても
どこを埋めても
間違いのような気がするのです
....
つぶされたくて蚊飛んでくる
土下座する機会与えてもらえず冬の日本海
赤いウミウシの模様であった
デパートの包装紙
それで母はちゃっちゃかと洋服の型紙を作る
かつて何かを包んだものの匂いがしていた
ヒトガタに切った人形が
夢のなかでトモダチになるように
....
ふと雑誌の広告を見て
コーセーという化粧品会社の存在を忘れていた自分に
ちょっと驚く
長らくpdc(ポーラデイリーコスメ)を使って来たからか
いずれ価格帯のせいだろう
ドラッグストアやスーパ ....
寒さは形なく人に触れ、
冷気を感じ身体は縮こまる。
木々は緑を取り外している。
唇から漏れるふんわりとした白は吐息。
生きにくい季節なのに、
たくさんの命が眠る季節だというのに。
....
いい格好しなくていい
むしろ
ちゃんとしているとつまらない
ちゃんとしない人生を生きる勇気はないけれど
せめて
目も口も鼻も
とんでもなく
へんてこにしたれ
おかしくしたれ
ぶっちぎ ....
製造コストを抑えるためには部材や製造方法が標準化されていることが大切だ
そのときその製品が類似品と比べて群を抜くにはいかに市場に適合しているかが重要だ
そう言っていたのは大会社の社長だがこ ....
笑顔でありがとうと
言ってくれたあなたを
冷たいと思ってしまった 私はうたぐり深く心の狭い人
世渡り上手に憧れて
今日もとんびは大空飛ぶもタカにはなれず
ただくるくると旋回してる ....
雪が朝から降っている
景色の輪郭を消しながら
道路の染みを消しながら
隣の境を消しながら
雪が一日降っている
人の予定を消しながら
人の日常を消しながら
人の時間を消しながら
....
ピカソみたいなメイクだと思われていた
世界中の男女とセックスフレンドになりたい
だけど今すぐひとりぼっちになりたい
たぶんどこかがぶっ壊れているのでしょう
たくさんのひとに迷惑かけてきました
たくさんのひとをこれからも裏切るで ....
黄唯色まであと少しの
三月の入り口で
ため息まじりに
切符ください
と言っている老婆がいる
本当にゆきたいのか
わからない
切符ください
まだ、佇んでいる駅舎の ....
掌の葉脈を、陽に{ルビ翳=かざ}す。
樹液は枝葉に沁み渡り
樹液はからだに沁み渡り
木の人となり、陽を浴びる――
夜の部屋で
ぎたあの絃を爪弾けば
音のふるえは{ルビ静寂=しじま}に消えて
再び秒針の音は響く
繰り返される毎日に
どうすれば僕は
音のふるえとなるだろう?
単調なる ....
僕は東京にいて、それから
ドラッグストアで
風邪薬を万引きした
一度に二錠しか飲めないのに
間違えて三錠飲んだ
健康に何かあってはいけないと思い
布団に入り
ハーモ ....
たとえば
悪意であったなら
オブラートに包んで飲み込む
たとえば
優しさであったなら
丁寧に蒸留したあと
春色のカプセルにして
冬に打ちひしがれた小鳥のために
蒔いておく
た ....
明るまない窓の外をみながら
早すぎた目覚めに舌打ちをする
一月の午前四時
常識を忘れた空腹が訪れるが
理性はそれを満たさないことを選ぶ
代わりに水を一杯手許に置いて
グラス ....
水面だけを見たい
空が映る角度から
輝きの奥で
深い水脈に続く
泉のことを思いたい
底の浅さを見たくない
掻き混ぜられても
踏みつけられても
濁らない水が
湧き出ていると
大きくなったら
自分以外の自分になれるとおもっていた
逆さにしたって
ぽろりとおちてくるのは自分だった
裏返しにしてみたのは夢の中で
それでも
やっぱりくるりと自分がこぼれてきた
....
風水にこって住みにくい部屋
あるページには
私のすきな言葉がかかれてる
ひらけばいつも
それはそこにある
そんな風にあなたの言葉を
ずっとずっとあたためている
私が綴る言葉たちも
そんな栞になってればいいな ....
雪がふる雪がふる
音もなくふりつもる
蝉たちは土の中
耳を傾け夏をまつ
あの日の麦わら帽子は
いまも埋もれてい ....
スー・チーは全くかしこい
十七歳のおばあちゃんなのに
この冬から
おとがいを同居人の鼻の頭に擦りつけて
痒みを解消する手管を見つけた
たまに唇を舐めてくれるようになったのは
やっと同類と認 ....
石の言語
語られることのない
肉体の履歴
行間でさなぎは
静かに波となった
命のないものは
絶え間なく産まれ
命のあるものは
ただ数を数えた
都市を離れて
....
祈りであるのかもしれない
もうすこし猫でいたい
止まない雨はない 死んだ母は帰ってこない
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