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あなたは一体
何処から来たのでしょう?
あなたは、あの日
たった一粒の種でした
一粒の種の中には
「他の誰でもないあなた」という設計図が
小さく折り畳まれ
ぎゅっ ....
郵便ぽすとが
陽だまりに
一本足で、立っている
今まで、どれほど人の思いを受け入れたろう
これから、どれほどの言葉を届けるだろう
今日も手紙を持つ人がすうっと闇に手を入れる
....
初夏の存在は風だけになびくわけではない
ひかりや悲しみ
宇宙を幻視する
真昼であろうと大きな時間を見つめている
きみがいま地球で大切なことを
ぼくは散り散りになって守 ....
その海とはぼくは違う道を行く
いつもの一本道を歩いて行く
神様は気まぐれで予測の出来ないことばかりだ
その海はちいさな居酒屋の窓明かり
日だまりで鳩がたぶん鳴いている
....
昭和という小さな家族の乗り合わせ
不思議で不可欠な力が運転していく昭和バス
十才半ば、私の春
道路工事の終わった平成通に差し掛かると
祖父の姿は消えていた
草履では歩きにくくなった、と呟いて ....
ひかりをやぶき
いくつものかたちが
そのかたちをしているのをみる
それは偶に 惨めなことだ
夕焼けに似ていない
コロッケに似ていない
どうでもよ ....
みんな簡単に考えているけど
そんなもんじゃない
そんなもんじゃないんだ
みんな本音を上手に隠しているけど
そんなもんじゃない
そんなもんじゃないんだ
ああ!!
いつか私にも先生の ....
いつかこの精神はほどけるだろう
いつかこの肉体は崩壊するだろう
その時私は何を思うのか
その時まで私は何を願って生きていくのか
春の午後
静かな静かな部屋の中でそう思う
ただ
先生と分か ....
南の窓から朝日が差し込んでくる
簡素な食卓 トーストとコーヒー
妻と私は向かい合い 何気ない会話をかわす
あたりまえの事に幸せを感じる
ふたり別れて暮らすこともあったけど
今は一つ屋 ....
遠く南アルプスを望む高原で私は風に吹かれている。
風は私に留まり、そして通り過ぎる。
風は私の人生を肯定する。
私の生きている意味さえも。
風を信用していない私は少し戸惑う。 ....
優しい薔薇の面影が宙に浮かんでゆく。
清らかな朝にひとひら。
穏やかな午後にひとひら。
荘厳な夕暮れにひとひら。
天上を舞う天使のようだ。
聞こえるのは声・・・歌?
....
毛虫の襟巻をした男が蝸牛の殻に腰をかけている
鼻にツンとくる冷気
上着の内ポケットを弄って
煙草――かと思えば
むかし別れた恋人の
薬指の骨ひとつ
飴色の思い出を
こころなしやさしく
....
糖蜜工場が爆発したことによって
甘い蜜たちが
静かに街を流れ出しました
その粘度たるや
もう人の手にはおえない類のものです
アスファルトの上の蜜はそのまま冷えて固いかさぶたとなり
土の上の ....
犬も歩けば棒に当たるというけれど
今朝から当たるべき棒が見つからないし
君が大切にしていた犬は
もうとっくにこの世にはいない
手を握り
お互いに年を取ったね、と笑う
話したいことは ....
お線香の匂いがしたよ、
田中君の家の前
誰が死んだのだろう
誰が死んでいるのだろう
誰が生きているのだろう
田中君に聞いても
答えてはくれない
田中君も僕も
もう子供じゃな ....
さよなら
こんにちは
さよなら
こんにちは
時よ、さらば
録音など出来ない
時よ、さらば
まことを込めよう
時よ、さらば、
時よ、さらば
....
懐で古銭をじゃりじゃりさせながら
暗い大通りを歩いていく
多くの脇道が横に伸びていて
かつてここを一緒に歩いた人が
上から見ると「馬」の字になっている
と教えてくれた町
何百年も前に大火の ....
真冬の朝
道を歩いていると
飛べなくなった小鳥を目にすることがある
数年に一度
いつも忘れた頃だ
そっと捕まえ
コートの内ポケットへ忍ばせる
少しおくと
飛べるようになって
やわらか ....
焦りや落胆や失望は
いろいろなことを教えてくれる
ぼくには祈りがあるのだ
澄みわたる世界があるのだ
それが有難い
親切されたり誉めてもらえば
だれでも感謝ぐらいでき ....
窓から覗いた二つの目が遠く潤んでいる。
心は情景に溶け込み白茶けた街はとても静かだ。
まるで初めて見るかのようなその街の光景はどこか異国の匂いがする。
灰皿の上では吸いさしの煙草が紫 ....
早朝の湖を歩くのは誰だ。
湖畔の宿で耳を澄ませばそれは聞こえる。
眠れない夜を超えて我が神経を研ぎ澄ます。
苛立たしく窓を解き放つと、音の消えた足跡がくっきりと宙に浮かんでいる。
....
陽だまりで咲いている冬の花
優しく微笑み咲いていた
北風に吹かれ揺れていた
冬枯れの世界に 一筋の光を投じ
心温めてくれる 一輪の花
神の恵みを受け止めて
賛美する ....
こちら都会の外れから
見ると 帰っていく今日が置いてく 星一つ
{ルビ夕星=ゆうずつ}だ 星は
星は 星は 星は「無い」
とよそ者、に軽く云われる 云われながら
星は
星よ泣くな 私がわか ....
灼熱する青き叙情
灼熱する青き叙情よ
その疾風で私の胸を裂き
万人の胸を裂き
赤き血を生け贄として
成長するのだ
そして私の腕の中で眠るがよい
灼熱する青き叙情よ
青き叙情は
即 ....
哀しみの瞳から
愁いをとって上げたい
でもそれは無理だね
哀しみは
宇宙ができたのと同時に生まれたもの
宇宙が続く限り
それは生き続ける
哀しんで
哀しんで哀しんで哀しんで
哀し ....
悲しいほどの平和
それでも 涙は流される
カラスの鳴き声は 相対的に風に流れて
歌になったり 罵声になったり
鉄の扉を閉ざして
こころを磨いている
金属の鏡のように 水晶の玉の ....
優しさと痛みをくっつけてくれるのは
あたたかさだった
優しさと痛みだけなら傷つけるだけだった
冬の光のような
さわやかな絶望と楽しげなかなしみ
太陽と地球の距離、そのあた ....
故郷の山々は悠然とそびえ立っていた
故郷の海は満々と黒潮をたたえていた
島民は皆その恩恵に与り
営み暮らしていた
大自然に
感謝し 怖れ 癒されていた
人も本当の実力者は
い ....
ビルの谷間に 転がるように のぼる満月
ひとりきり ひとりきり 旅するうちに
道を間違え 失った夢の数々
真夜中の 交差点を すれ違う人の群れ
嘘つき女が 札束を数えるエレベーター
拒 ....
からっぽ
からっぽ
こころがからっぽ
からっぽ
からっぽ
ことばがからっぽ
からから
からから
おとたてて
ころがりおちた
こころから
....
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