すべてのおすすめ
ほころび逝く身の上からは
神経と細胞のだましあいで
気力が消えている
肋骨と腹膜の差し違いで
弾力が失せている
その上想像力も・・・欠けて
(花 ....
金色のリキュールを注ぎあって
退屈を飲み干しあう
テーブルを囲む笑い声と
つまずく呂律の足し算が
あやふやな足取りを導いて
聴いたことのないステップが
ネオン街を叩いてゆく
大袈 ....
うちのベランダに
よさげな苔が生えている
コンクリートのひびから
もこもここと
ふさりふさりと
緑色からエメラルドグリーンへ
鈍く光っていき
それはなんだかシ ....
水たまりに浮かべた
葉っぱの
軽さ
しゃぼん玉を泳がせる
そよ風の
軽さ
羽毛の軽さ
まつ毛の軽さ
この世でいちばん軽いものはなに?
飛んでいく風船
手放し ....
整ったものが
好まれるのだという
篤い信仰のもとに
整えられたツツジよ
応えなくて良い
そのままで
答えてごらん君の
生きてきた軌跡を
どんな色の刃が
君を好んできたのかを
....
マーメイドは普通じゃない
マーメイド、夜の海でしか泳げない、
冬は寒いね。
夏がくるね。
マーメイド、弱ってる、マーメイドが弱ってる
泣いている踊り子がいた。
マーメイドは話しかけ ....
壁に吊されて
忘れたいことなどありはしない
色とりどりの画鋲が
それぞれの過去を留める
僕は整理できない
だから
貼っておきたいんだ
伝言板のように
メモみたいな思い出から
....
生き方が違えば肌艶も違うよ
生き方が変われば目つきも変わるよ
それとも
肌艶が違うから、生き方も違うの?
目つきが変わるから、生き方も変わるの?
卵が先か、鶏が後か・・・
みたいな話になっ ....
梅雨時になると
もうそろそろかな、と思う
雨上がりの庭で
もうそろそろかな、と思う
君と
言葉を交わしたことはないけれど
君のことは
勝手にトモダチだと思ってるから
カエル ....
同じ格好した仏像さんが二、三十
指の腹で撫でながら
ひょいっとひとつ持ち上げたら
あぁこのおもさがちょうどよい
ひんやりどくどく
てのひらの中から身体の中へ
巡る巡 ....
今宵も夢に見る
真夏の夜の
夢
暗闇と無音だけがある
明日目が覚めたら
日付が変わったら
こうなっていればいいのに
考えると眠れなくなる
この狭いワンルームで
夜中突然鳴 ....
十年後のことばかり
考えないで
今日のことを
考えよう
なぜそんな簡単なこと
できないんだろう
十年後にも
今日はあるのに
なぜか知らぬが
私の目の前には
日々ひとつひとつの穴が、ある。
この両手に盛ったやわい土で
一日、ひとつの穴をふさいで
一歩ずつ、歩いてゆくならば
ふりかえった背後に、 ....
無限に広がる宇宙の中で
ぽつん、と浮かぶ青い{ルビ惑星=ほし}。
星の数ほど今も織り成されている
それぞれの一日、と
それぞれの場面、にて
人と人が目と目を
あわせ、そ ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ
だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
....
『俺のものになって』
本当ならそう言うべきかもしれない
だけど『俺のものだから』と今ここで宣言する
告白なんかじゃない
君の未来を絶対に手離さないから
約束なんかじゃない
『君 ....
絵の具の盛り上がりが
分かるぐらいまで
近づいて
どんな風に描かれているか
分析するのは
批評家に任せておいて
少し遠くから
その絵を
眺めてみようじゃないか
絵にはきっと
絵 ....
イタリアの小さな村に住むひとびと
その暮らしを綴る番組が好きだ
素朴で明るいシャンソンがふしぎだ
どこにでもあるような人生など
たぶんないのだろう
ちいさな村に住むひ ....
平和は助けあい、
思いあい、信じあいの
三つそろって
できるもの
平和を思えば
その想いが伝わって
平和が世界に
広がっていく
平和を想って
することは
どんなに小 ....
空から地上を見渡せば
境界線なんてなかろうよ
けれども、
されども、
それなのに、
地上から空を見渡せば
なんでかな
数えきれないほどに黒線で
区切られて仕舞って見えるんだ
レディオヘッドの
KID Aというアルバムは
洗脳系ロックだと
四日風呂に入れていません
今日は入ろうと思います。
感情
感情的
感情的なところが無い
トム・ヨーク
きづめで拡大 ....
たいふういっか
が
台風一家だと
思い込んでいた頃
台風が去った朝
通学路には
一家が遊んだあとが
残されていた
なぎ倒された空き地の草
折られた柿の枝
おしゃかになった傘
....
並んでるだけで
仲間にみえるけど 傘
ヒトの顔がみえないだけで 傘
安心できるね
大きいとか
小さいとか
綺麗だとか 地味だとか
あるけど 傘
どれもいいよね あっていいよね
....
ゆっくりと列車が動きだした
この列車に乗るのはこれ1回限り
明確に行く先は知らないけれど
到着駅が近づいたときに
列車は分岐器で方向を変え
そのときにどの駅が到着駅かが
推測で ....
短くない時間
振り返ってみれば
積み重ねてきたんだね
頼りないおつむを
どうにかこうにか
叱りながら、励ましながら
息つく暇もなく
隣の芝生を眺めて
「青い・・・」と
言葉 ....
片言の言葉でつぶやく
ナニガホシイ
雪が降っている
全ての人が願いをかける
ワタシハホシイ
でも物事は限られているから
欲しいものが巡ってくるとは限らない
二番目で我慢するんだ
それだ ....
「ジョーさん、なんさい?」
「32」
「おれーにじゅーきゅーさーい」
夜もふけたバス停に馬鹿でかい声が響く
酔っ払っている
明らかに酔っ払った29歳という青年
いや
青年 ....
君の哀しみを抱くよ。
毎晩、そっと哀しみを抱くよ。
きっと何もかわらないけど
哀しみを抱かせてほしいんだ。
この町には、月の顔をした大きな塔がある。
彼は夜中じゅう、町を抱いているんだ。 ....
ぼくはあなたの死に目に逢わなかった
嫌 死に目に逢いたくはなかった
戦争を懐かしみ笑って話するあなたを
もう死んだのにいまもあなたを憎んでいる
今更あなたの冥福など祈る気持ちは
....
僕は石の上に座っていた
あたたかい石の上に
トンビがぴーひょろと鳴いた
どこか遠くで
僕は何かを待っていて
それはいつからだったか
雲の模様を読んでいると
しばらく曇って ....
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