すべてのおすすめ
石巻の仮設住宅に住む
Tさんに新年の電話をした
「あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします 」
「いよいよ来月から
津波に流された場所に、もう一度 ....
ある日、届いた封筒から取り出した紙は
「わんニャン展」のお知らせで
三日後にみなとみらいの地区センターの
展示会場に入るや否や
平日の人もまばらな空間に
{ルビ木霊=こだま}する… ....
世界を覆い尽くす
意味や価値の連関
僕はどうやって
繋ぎとめよう
意味や価値の連関を
死を乗り越えなければ
真の意味や価値を
繋ぎとめられない
もし大丈夫なら
過去世
....
あの頃 ぼくらは貧しかった
ラジオはあったけどTVはなかった
電話はよっぽど裕福なひとしか持ってなかった
ぼくに電話が掛かってきたら
電話のあるお隣さんが呼びにきてくれた
餓鬼だった ....
私は食事の後の洗いものが嫌いだけれど
洗濯は好きである
もう十年以上使っている洗濯機には
特別な愛着がある訳ではないけれど
頼りなさそうなのに音だけはでかく
ウォンウォン ....
月は語る、語るね
なん億年と見守ってきた思いを、キラキラと反射させる
雲がかかってもなんにも変わらない
地球人として、月にお礼を言いたい
そうやって、いつまでも見守っていて
どんなひどい殺し ....
私がかなしいのは
海が波立つからではない
海が波立っているのは
私がかなしいからではない
あまりに遠いところから注ぐ
あまりにも薄い光を反射して
波がしらのひとつひ ....
仕事のデキる男を演じようとしている
ヴィンテージギターを手にいれたが
一万円と格安のヤマハFG-130という
1972-74あたりに製作されたもので状態もいいし
かなり響きが良く豊かに音がでる
男はそういったおもちゃを幾つに ....
女子高生のスカートを
ヒュンとひるがえし
春のイタズラ者が通り過ぎる
激しい風に街路樹も
大きく揺れて
梢にとまった小鳥は
今にも吹き飛ばされそう
突風で倒れた看板が
歩道を走 ....
ゆびきりしてお祭りのにおい
人魚の肉に焼き鳥のタレをかけている
書くことで
いま
始まるかもしれない
もちろん何も
始まらないかもしれないけど
始まりも終わりも
あいまいに漂っている
生も死も
そのときには
わからないのかもしれない
知 ....
十代で童貞捨てた奴にはわかんねーよ
贅沢が布団にくるまっている
夜が止まる
蟻は匂いのある方へ往く
一瞬、静止して
触角をぴくり震わせ
再び――無心に進む
(黒い背に小さな太陽を映して)
日常にふと佇む、僕も
蟻の心で
何かを受信しようと ....
――なんの欠如を
怖れているのか
踊りたいから踊るのだ
何が悪いか阿呆ども
元来人は踊るもの
踊って歌って
笑って泣いて
怒れるものが人なのだ
鳴 ....
痛いの痛いの飛んでゆけ
痛いの痛いの消えちまえ
ぼくまでひゅっと
ぼくまでひゅっと
痛いの痛いの飛んでゆけ
痛いの痛いの消えちまえ
悲しくなりたくないだけなら
....
花ひらけ
梅桃桜と順々に咲きほころんで、
空へ昇華される花々。
私は久方ぶりに太陽の光を全身に浴びて、
自然の美しさにほれぼれと、
園児の様にはしゃぐ。
花 ....
どこにいてもアウェイ
ギュギュギュイーンギュギュギュン休みたい
18ホール全部ホールインワン俺ゴルフ
ふるさとのデスメタル母の声
栞の代わりに挟んでいたミルクをこぼして
僕らはどこまで読んだかわからなくなった
立春が来たことに気づかないまま
掃除を始めた人たちみたいに
ひどく狼狽えた気持ちになった
....
それは 真夜中の出来事だった
白いシーツにくるまった
私の鼓膜をくすぐる
乾いた漣の音
胸騒ぎが
私を揺り起こした
その音が響いてくるのは
....
生きている時間を
三分の一以上使わないと
夢は叶わない
そうでないのに叶った場合は御用心
それ悪夢ですよ
むかしむかしある所に
哀れなおんながありました
たいへん貧しく生まれたので
おんなは
人に何かをもらうことしか
考えませんでした
自分は哀れな身の上なので
情けをかけてもらうという心得で ....
童貞きどってるやつ 二人子がいる
爪先まで宇宙
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