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夜道を歩いているとひんやりした腹が出る
ひんやりした腹 ぷるんと豆腐のよう
またぎ越していけばいいのにそれができなくて
地団駄踏んでるわたしの胸の奥に
おたまじゃくしがわらわら湧いてくる
こ ....
ここに眠る

笹舟

水のように

再会

斎のあとで

奥座敷

五月闇

なんこつ忌

探幽記

賽の原



りゅうぐうのつかい

料理
 ....
むかし 納屋の整理をした折
古箪笥の引き出しを開けると
中が炊きたての赤飯でいっぱいだったことがある
春の川でとれた蟹の甲羅を剥ぐと
どの蟹にも赤飯がぎっしり詰まっていたこともある
それから ....
寝ているうちに夕方になった
夜になる前に起きなければならない
けれどどうしても布団から出られなくて
カーテンの陰にいる母に
起こして と言ってみる
母は不思議そうな顔をしている
見ているだ ....
枕の下に包丁を入れて眠るとよい
もしも悪夢を見たのなら
その時はすかりすかりと捌いてしまって
うすい刺し身のようにするとよい
油まみれの水たまりのように光るそれを
やってきた男は食べるだろう ....
かぶと虫になったわたしが
瓷に頭をつっこんで蜜を吸っている
西日も射さない土間の隅で
瓷の縁に手をついて蜜を吸っている
本当はこんなこと許されていなくて
惨めでたまらないのだけど
もうかぶ ....
{引用=
小学校の桜にいつか辿り着く 吉田右門

学校前の坂を上っていくと
コンクリートで固められた左手の斜面に
ぴたりとはめ込まれた形の地蔵がいて
土の猛威を抑えているのか
背中を見 ....
棚の上には
黒いローマの熊が立ち上がる
人形の髪は長く伸びる

わたしは眠いのを我慢して
こっくりと頭を傾ける度に
その度に舌を噛み切ってしまわないか
冷静に算段する
冬に放った雪玉は
楡の木立を弾んで踊り
地蔵の額にこつんと当たる
なにかと思った地蔵は手を上げ
叩いた手には血を吸った蚊
閉めきった襖は光を遮り
格子はいつもかくかくと白い
赤いお手玉ぽ ....
片隅で中国語が聞こえている
それが意味するもの

空にかかる
「月は古い飴玉」
「海は流れ出た油」
それが町中に広がり夜になる
それがわかる

眠れないのなら
眠らなくてもいい
 ....
鳥の
輪を描くように
腕の中で時計を
守ってほしい
日に細かな気泡の浮かぶ
ガラスの器に
首の折れたストローを挿して
二重になった影を
辿ってほしい
絡めた指先から
震えとともに
 ....
押入れに入れられて
もうずいぶん長くなる
ときどき遊びに来るねずみに
爪をかじらせてやったり
みかんを潰したりしているうちに
骨の浮いた老婆になってしまった
これではいけないと思う
これ ....
1
彼女が死んで数世紀。その影響は長く後世におよび、もはや彼女を知らない人は皆無といえる。しかし具体的に何をやったかは知られていない。忘れられた偉大なる事績を記念するために伝記を書きたいがどうか、と ....
冷蔵庫の中から
あなたが出てきて
おとなになりたかった
と訴える
こんな夜には
ビルよりも背の高い
おとなになりたかった
おとなになりたかった
泳ぎ疲れて
クジラの胃に泊まる
窓から見えるのは
昔の日々

未来のいつか
彼らもここに来た

彼らもここで
消化されていった
風通しのよい現場
ここからは池が見渡せて
石碑もある
ラジオ体操もある

小学校は半休
午後は快晴

資料館に人はなし
殺人もどこかのどか
郵便が届く
土間には闇が煮凝っている

突然降り始めた雨が
突然止む
いつでもそのようにして
決定がなされる

封をした血
もしくは黒い布
もしくは蛇の地図
砕けた枯葉

ば ....
salcoさんの春日線香さんおすすめリスト(17)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜道にて- 春日線香自由詩814-4-4
詩集『十夜録』全篇- 春日線香自由詩614-3-22
赤飯三題- 春日線香自由詩514-1-29
起こして- 春日線香自由詩314-1-26
- 春日線香自由詩213-12-28
かぶと虫になる- 春日線香自由詩4*13-9-10
別府湾- 春日線香自由詩5*13-8-7
居眠り- 春日線香自由詩213-7-29
お手玉- 春日線香自由詩413-7-10
観葉植物- 春日線香自由詩313-6-29
灯台- 春日線香自由詩612-9-4
帰れない- 春日線香自由詩911-8-29
薔薇の男- 春日線香散文(批評 ...3*11-8-22
エンカウント- 春日線香自由詩1111-8-4
ミュージアム- 春日線香自由詩311-8-2
七ツ森殺人事件- 春日線香自由詩311-7-31
訃報- 春日線香自由詩610-7-17

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