流れた
nm6

机の上で顕微鏡に誤解されたい
絵に描いた夢に初恋が覗かれて
家出の新聞記事に胸を痛めたその隙に
始まりと終わりが泪の後で同時に流れた

ツー
ツー
流れた
ひっくり返ってたたみかける空



酔っ払ってサラマンデな僕は
架空のあなたの年齢を逆算して数えて

32,31,30,29,28,27,26,25,24
23のような気がして 素数が好きだという
架空のあなたの癖に苛立って
ガシャンと受話器を置き



ツー
風が吹いて
ツー
  風が吹いたから
ツー
    風が吹いたのだけど
ツー
      風が吹いてしまったようで
ツー
ツー
ツー
たたみかける空の上を



川べりのアパートは埃と誇りの匂いがして
土手の上の自転車はいつも同じに少し錆びて
狂ったように高い位置から刺す光線の
左斜め上を見据え 転がる受話器を直して 僕は
架空のあなたが雲を眺めた回数だけ腹筋をするだろう


そこのあなたに、このわたしが質問します。/満帆
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=1890&from=menu_d.php
回答というより、オウム返しのようになってしまいました。意図されていたこととは違うと思いますが、いい素材で遊ばせていただきました。ありがとうございました。


自由詩 流れた Copyright nm6 2003-09-28 23:10:43
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