すべてのおすすめ
わたしの
気持ちの奥、ずっとずっと
深く
ぐるぐるとうずまくような
或いは
サラサラと零れるような
この名前のないもの
名前がないものに
泣けたりも ....
がたたん
ごととん
外は
いつのまにか暗く
ここまでは来たことがある
という駅を通り過ぎて
全く
知らない場所
予想通りの
小さな駅
どこで降りても
スーパーがあって
コン ....
紙がなければ字は書けぬ
紙がなければ漢字も書けぬ
紙がなければ思考は萎む
紙は機械よりも人肌に合う
それは紙が木から生まれたから
星降る夜に
ノクターンを
あなたと並んで
聴いている
深い漆黒の風
灯りは湖の漣だけの
ショパンが
似合いすぎる時間
千回目のメールの後に
やっと会えた二人
だから ....
銀月夜の人魚
ほろほろとほろほろと波打ち際で泣いていた 人魚は何が哀しくて 月夜の浜でひそやかに
恋の痛みもありましょう 生きる辛さもありましょう こっそり夜風に伝えましょう
誰に涙 ....
本を破り捨てたことなんて初めてだった
そんな自分に驚いた
それほどまでにわたしは疲れていたのだ
それほどまでにわたしは一生懸命だったのだ
一歳四ヶ月の息子はまだ歩かない
育児本なんてクソ ....
焦げつくほどの灼熱の道
このまま歩いて行けるだろうか
じりじりと焼かれ続け
息絶えてしまうのではなかろうか
あぁ、それでも
....
上塗りされた夏空の
組まれた手の
ゆびの
一本一本が
解かれてゆくように
光が
そこかしこに
ばらまかれ
熱を分けあう潮騒が
とおく
攪拌されてゆく
カンナの花が
....
130721
切り倒されて朽ちた幹には
王子様のような茸が生えて
胞子を出して枯れるのだと
教えられて育つ
屋根 ....
死体って本当に動かないんだ
父さんの死体は 父さんと言っても動かず
とても不思議だった
死体だけども 父さんと変わらずに呼び
唇を水に浸した綿で拭いたり
保冷剤を取り替えるのを 成る程と ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
....
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている
扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
....
ほら、たべものがよかったのかなわたし、おいしくできてるからわたし、ほら、軟骨はつやつやとしてみずみずしく、膝はつやつやとして夜に半月映るし、ほら、かわいい服とかかわいい靴とか、化粧品たち、小物たち、 ....
35000フィートの
高さで
時速580マイルの
速さで
華氏ー45度の
冷たさで
まっすぐ伸びていく
今日の航跡を
昨日の
何処かから転がり出て
一昨日の
坂道に置き去 ....
こどもが
しょくばにやってきた
こんにちはといって
やってきた
このくつのひといますかと
しょくばのひとにきいた
おこさんきてるよと
しょくばのひとがいった
....
愛は心臓ではありません
ひと刺しくらいで死にません
悶え苦しみ血を流し
こと切れるまで幾日も
血が乾くまでに幾月も
断末魔のその姿
もとに戻るには幾年も
愛は蛙じゃありません
....
僕はロボット 1953年生まれだ ガラクタを適当につなぎ合わせてできている
だが僕の父は天才科学者ではなかったので かなり杜撰な構造だがなんとか生きているさ
僕が生まれたのは三丁目の夕 ....
風が吹けば
裏返り 寝返る
白と黒
どちらも表で
どちらも裏で
裏の中に表が潜み
はっきりさせないことが
生きる術
だというけれど
白 黒 × ○
二者択一を迫られる
意思 ....
忘れたことを縒り合せた糸で
軌道エレベーターを作ろう
スペクトラムにロマンじみてる送話には
3歩ほど首をかしげるくらいが正直
しゃっくりのようなブレスを挟んでくれたら
じっと声が ....
今日は月が邪魔しないから
夜更かしをしよう
暗闇に紛れてしまえば
溶ける感覚に目を閉じて
私はもう何者でもなくなる
誰かと何時でも繋がれる
人工的な明かりは
電源を断ってしまえば
....
130717
無神論者はもちろんなんとも思わないよね
神様がいなけりゃ怖いものないと思っているんだもの
神は強い魂が生み出したものと ....
エアコンをつけてまどろんでいる
ねむくもないような、とてもまぶたが重たいような
外から、何か求める幼い声がする
めんどうならすべて切ってしまえばいいのに
耳にだけ意識を持ってい ....
触れられない
ウミガメの産卵をはらはらと見つめるように
あなたの泣き顔を見つめる私です
あなたは苦しんでいるというのに
私はあなたに触れられない
透明なのです
朗々 ....
象
ふるさとの草原も夕日も君は知らない。君の母親も父親もふるさとを見たことが無いからその広大さも見事さも話に聞いたことすらない。そこに憧れることもなく、ただ与えられたスペースを歩き与えられ ....
コーヒーショップで冷コ中
窓の外ではトウモロコシが
半被を着てイカ下足を焼く夏祭り
駅前広場に設営された
野外ステージではカラオケ大会
たまにはこういうのもいいな
近くの信用金庫のOLが
....
誰でも救われる訳では無いけど。
でも救ってくれたあなたは、
あと少しで炎が消えそうに
揺らいでいます。
幼いわたしは坂に向かって開かれた窓から
あなたの名前を呼びました。
親があな ....
小鳥にパンを投げてやる
あるかなしかのわずかのくちばしのために
この子らはやすやすと川をこえるのに
わたしはまだその手前で積木をしている
{引用=
夏の陽に 焼かれながら
後ろ手の 信玄袋をけつの下に
揺らし
女の背は 凛とし
黒紋付の羽織で、振り向く{ルビ面=おもて}が艶やかだった
名は、定
床上手の 女 ....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
130715
詩集の挿絵とは
絵画にどんな照明を与えるか
ということに似ていると思いますと
若い作者が言う
そんなものかなと初老の男は半ば狼狽えながらも
うなず ....
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