すべてのおすすめ
知らない駅の改札を出ると右に曲がった
四車線の道路があり
階段がいくつもの方向に分かれている
大きな歩道橋を渡った
焼肉屋からは
肉の焼ける匂いが流れ出ていた
これが鰻だったら
たぶん帰 ....
夕暮れの柳新田
家路の車窓から
不意に
更地になって
更地になった場所に気づく
確かに低木を植えた
黒板塀の民家か何かが
あったのだが

家路を辿る人たちを見て
娘がたどたどしく言 ....
思えば、あの頃からいつかこうなるのではないかと、漠
然と予期していたのだった。あの頃、俺がまだ若くて、
日常の懊悩や苛立ちや、燃えやすい枯れ枝のような未熟
な考えを持て余していた頃から、いつかこ ....
{引用=(*昨年書いて現フォに投稿せず忘れていたもの。アーカイブ目的で投稿。石村)




しつこい梅雨が明け
夏がはじまつた
はず であるのだが
ひさびさに傘を持たずに
散歩なん ....
 
 
父と僕の妻が併走する
妻にとっては義理の父
僕にとっては実の父
父とはそういう人だった

ダース・ベイダーにとってルークは実の子
ソロは義理の子
フォースも使えないし、
カ ....
今宵、記憶の薔薇は咲く
紅い 紅い あの花が

安易なラブソングは好まない
とか
僕はほざいていたけれど
所詮この世は男と女

今宵、記憶の薔薇が咲く
紅い 紅い あの花が  ....
誕生日に買った花瓶
薄く透き通る黄色いガラス

食卓の窓辺に置かれ
水仙が部屋を見渡している

母の誕生日に咲く庭の水仙
可哀想だけど
そう言って摘んでくる

朝の澄んだ霊気を ....
 
 
水に濡れたまま
雨にうたれている
妻が傘の下からタオルをくれる
いくら拭いても
濡れタオルだけが増えていく
妻は可愛い人
こんな時でも傘には入れてくれない
濡れタオル屋でもや ....
柔らかな薄桃色の掛布団
夕暮れの雲に覆われた空
真っ白なシーツをふわりとまとう敷布団
おやすみなさい
積み上げられた徒労を包み
疲れた笑いを
しずかにほどいて
瞼を透かす朝のことなど
 ....
アタシは衰弱を否定する老人を哀れむ
アタシは革命を嘲笑する若者を哀れむ
アタシは現実を拒絶する大衆を哀れむ
アタシは服従を肯定する個人を哀れむ

今や傲慢さを隠そうともしない奴らに
踊らさ ....
遊べや遊べ わらしべ一本
わらしべ一本 遊べや遊べ
遊びをせむとや生まれけむ

誰もが一本のわらしべ握り
明日は長者か乞食ぼうずか

種もみの実りを待たずさり
中洲で噛みあう ....
どういふことだ
まだ
ひとのかたちをして
星の上にゐる

急がなくてはいけない

廃村のはずれの小さな草むらに
菜の花が咲きはじめてゐる
……風にゆれてゐる
やさしいやうな ....
{引用=
どうすればいいのか
わからない

貝の中で
泣いていた


それから

いちど海がかれて
空がおちて
ながくもないとしつきを
二億年と少しへだてて
 ....
ゆきの降らない冬の日々
吊られたあらいざらしの
Tシャツはふるえていた

それはゆきを待つわたしのように
次第に乾いていく暖かい日差しのなか
磔刑にされしろくしろく待ちわびている

誰 ....
トウモロコシに憧れたので
トウモロコシになりました

さらりとそう語れたのなら
カッコいいかもしれません

でもそういうわけではなく
トウモロコシに生まれ育ち
トウモロコシになりました ....
1

毎年この日の夜には
上原君の星が話しかけてくるはずなのに
今年は何も聞こえてこなくて

見上げても光が揺れることもなく
なあ、もう忘れちゃうよ
と、小さく嘘をついてみた ....
 
 
木立ちを抜けていくのが
私たちの木立ち
だからすっかり抜けてしまうと
教室がある
先生は、と先生が言うと
先生は、と復唱する私たち
やがて始業のチャイムが鳴り
つまりそれは
 ....
昼が翻る。

靴が覆る。

夜が、甦るときに。
あっ
腰の骨が
ポッキッと折れた
神経が暴れる
立つことも這うことも
激痛が走る

大混乱に
つぶれた骨が怒鳴る
「愚か者!
 粗末にするな
 言い訳は聞かぬ
 折れた骨は 戻 ....
私の原風景はお母さんだった
お母さんが大好きです
 
 
店員さんが運んできたコップの中に
凪いだ海があった
覗き込めば魚が泳いでいるのも見える
こんなにたくさんの海は飲めそうにない
先ほどの店員さんを呼ぼうとしたけれど
彼女なら里に帰 ....
 
 
ある日、ふと
僕がどこかに行ってしまった
家の中を探しても
戸外を探しても
どこにも見つからない
自分の中を覗き込んでも
ただ海のようなものが広がっている
どこか遠くの方から ....
  旅


こころは
しらないうちに
旅に出る

笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる

いつになつたら
かへつてくる ....
青、
樹間に揺れ
白い巨鳥、
羽ばたいて
僕は行く
天に呑まれ

光の矢、光の矢!

蒼穹は割れ
漆黒の宇宙が唸っている
悲しくても
涙を流すこともできず

くやしくても
叫ぶこともできない

誰をうらめばよいのか
問うこともできず

寒々とした
野にさらされている


その積み上げられた姿が
 ....
 
 
とてもとても遠いところから
君の訃報が届いた
時刻表を確認することもなく
僕は一番最初にやってきた列車に乗る

いったいどれだけ乗り継げば
君の場所に行けるんだろう
君の生き ....
地元の植物園で菊花展が開催される頃
入園入口にある車椅子を借りると
母を乗せて湖畔に広がる花々や温室の中を歩き回った

昔、母は祖母を乗せて車椅子を押した
ひと昔前母は 私を乳母車に乗せて
 ....
バスを待っていると
昨年死んだお父さんが縄をもってやってきた
電車ごっこの相手を探していると言う
せっかくだから車掌をやることにした

もともと小さいお父さんは
死ぬ前にさらに小さくなった ....
みえない場所にいる気がするんだ
おかしいんだ
誰も私のそばにはいないんだよ

いつになく遠くまで見渡せた夜に思った
ああ終わるんだ と

星は一つも見つけられなくて
雲なのか空なのかわ ....
わたしは詩人じゃない
わたしは詩人じゃない
わたしは詩人じゃない
わたしは、
、聲を殺して呟いてみよう
すると
ほら、
砂埃をかぶった
詩人のほうからやって来たりして



 ....
るるりらさんの自由詩おすすめリスト(5884)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
知らない話- チアーヌ自由詩320-3-12
帰宅- 大村 浩 ...自由詩3+*20-3-10
撃たれる- 岡部淳太 ...自由詩220-3-8
レモンサワー- 石村自由詩16*20-3-3
デス・スター- たもつ自由詩120-2-26
薔薇の声- 服部 剛自由詩420-2-24
水仙の妖精- 丘白月自由詩120-2-21
濡れタオル屋- たもつ自由詩13*20-2-21
空を突き刺す魔女の箒のような裸の並木- Lucy自由詩8*20-2-19
哀れむ- もとこ自由詩5+*20-2-16
わらしべのかげ- 帆場蔵人自由詩4*20-2-14
初春- 石村自由詩14+20-2-12
てのひら- 羽衣なつ ...自由詩720-2-7
暖冬のしたで- 帆場蔵人自由詩4*20-2-7
トウモロコシの覚悟- ブルース ...自由詩3*20-1-31
Astronomy_club- AB(な ...自由詩10*20-1-27
教室- たもつ自由詩920-1-21
明日- 水宮うみ自由詩4*20-1-20
骨の説教- もちはる自由詩120-1-20
二歳の夏、夕景- もっぷ自由詩120-1-7
ランチ- たもつ自由詩1520-1-5
息継ぎ- たもつ自由詩220-1-3
旅・遺作- 石村自由詩19+*19-12-30
蒼穹- ひだかた ...自由詩619-12-28
怨念をのせた北風- st自由詩819-12-17
せかい- たもつ自由詩7*19-12-8
車椅子- 為平 澪自由詩819-12-7
ほくろ- たもつ自由詩819-12-3
待つことしかできない- 自由詩219-12-3
詩人じゃない- アラガイ ...自由詩9*19-11-26

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197