すべてのおすすめ
ゆれるかげは
やがて裸になることを口約する
樹木の些細な手ぶりと
厳粛な黙秘
光の構図は
下書きのまま刷新され
不可視の層を成し
風を生み、流体になる
渡航する小葉に
あなた ....
あたたかい飲み物が
親切に感じる朝
みえない壁をよじのぼり
今日をこえる自分を想う
いくしかないよ
今朝咲いた花が羽のようにみえる
ある所に六本指の女がいた
小指の横に不様な枝のよう
けれど女はピアノを愛した
弾けもせぬ楽器を愛した
美しい爪をして
ハープの弦の為にあるような
水晶の爪だった
鳥が飛ぶ
ガラスの ....
湿る土を体育座りの
月はひとつできみはいない
頬をきる高い緑の草が痛くて
ここはどこだろう
握りしめる切符
大きくて体温のある動物の
おなかでねむってしまいたい
今晩くらいは ....
九月の雨
今日は雨降り
九月に入って初めてだ
小雨から本降りになると
コーヒーショップの窓の外を
アノマロカリスが泳ぎ始めた
カンブリア紀の海棲生物だ
雨足がさらに増してゆ ....
130903
ほい!
無防備のままに
投げ出された女の主体を
無自覚に踵で踏んづける
宿命的に対立の朝
鈍い目をした顔だけの男は
足音も立てずに目を背ける
....
女は髪が長いのが好みさ
古風なんて問答無用
理由なんて天に預けている
触覚は長けている 有利冥利
鎧髪
鎖骨程の肉づき 皮膚から香るものは 人情と情愛
女騎の姿は風景に去る 余韻 ....
半沢直樹というタイトルのドラマを
ようやく第4話まで見る
ていうか
詩人は見るの?見てる?ねえどおなのよ?(お姉調)
まあともかく
生きるってこんなに大変なんだよ
騙したり貶めたりお金 ....
ひんやりとした
季節になりました
誰かが
口にしなくても
もう
夏ではないのです
あなたに
やさしい気持ちで
メールを返し
そう
口にはしないけど
自然に終わって ....
ゴロツキさんは言いました。
「なあ、タケル。
この部屋にあるものは全部
おじさんが作ったんだぞ」
全部?
タケルは不思議に思いました。
全部って言ったって、
ここには何もないじゃないか
....
はりきって出かけた わたしは
きゅっと胸をはって歩いた
つぎつぎと 景色を変える町
太陽はいま 一番高い場所に
バターナイフを持つ母の指
コーヒーカップを持つ父の指
立ち止まって自 ....
┌−−−−−┐
|ねこここね|
|このこのこ|
|ここはここ|
|こねこねこ|
|ねこここね|
└−−−−−┘
ねこだましはできても、ねこだましいは、ねこのこねがないと持つことができないようです ....
傷だらけの赤い液体を
大事そうに抱えてる君と
言葉ではなにも伝えられないぼくが
ぐらり 抱きあって よろけている
仲のいい酔っ払いみたいに
ふたりしてよろけている
酔えるのならば実は簡 ....
シロとクロの
誤魔化し切れない感情が
胸の奥を過る
シロとクロの
縞模様のウマの形が
意識の端を歩いている
草食系も肉食系も
一緒くたにして
懇ろに混ざり合わせたはずなのに ....
雨つぶと雨つぶは
出会っても うたわない
分身だったから
うたう必要がないから
うたわないけど
静かに溶けて
ひとつになれる
みずたまりは
世界で一番平和で小さな海になった
雨つ ....
荊の洞
乳白の土
夜から径へ落ちる光
水へ水へ分かれゆく
腕ふるごとに
曇呑む曇
刃を振り下ろす
粉の光
風はふたつ
夜を透る
忘れた言葉
積もる ....
うつろな目を見て鳥はおびえる
束の間の充足、命も短い
泣いて濡らすおりがみ
紙の色は涙を染める
太陽の黒点の明滅とオリジナルが存在不可能であること
最終列車は夜を渡る
明けるまでそのまま道 ....
きみのハウンズトゥースの胸の上
ニャーニャー鳴いている仔猫も
やがて大きくなるってことだ
愛されたくて庇護を求めて
尾っぽをぴんと走り寄って来る
痩せた可愛い仔猫だって
なのにきみは四 ....
ウズクマル子供 白イ部屋ノナカデ
積ミ木アソビ オトモ無ク
積ンデハ 壊ス
ツマンナイ 他ノアソビシヨウ
立チアガル子供 白イ部屋ノナカデ
段違イ平行棒 イッタリキタリ
ツホルト ....
ヒトの形をしているのが奇跡と思える位
あまりにも小さくて柔らかかったあなたを
退院後初めてお風呂に入れた時
私の緊張が伝わったのか
あなたは火がついたように泣き叫んだ
以来あなたが極端に水を ....
空気がゆがんで見える夏の日
その横断歩道には
日傘を差した若い母親と
目線のしたで無垢な笑顔で話す少年
ひまわりが重い首をゆらつかせ
真夏の中央で木質のような頑丈な茎をのばしている
山 ....
夜の終わりを
123数える
不思議とこの町には
生き物の気配がない
あるのは静寂に満ちた
silver moon
雲の隙間を塗っている
ハンカチーフには
春に咲いた花びら
....
コトバなんか信じちゃいけない
コトバになんて
あなたの思いを託してはいけない
コトバに
命なんか
絶対に預けてはいけません
それは持っていかれてしまう
たちまち浚われて
悪魔の手先 ....
神給う日々
朝になった
昨夜の雨のせいか
湿気のする空気
伝道奉仕に出ようか
それとも・・・・・
妻が励ます
行こうよ
みんなで集まって
それから、それぞれ
家々を訪ねる ....
メスザリガニが
身籠った
腹に何百もの卵を抱え
絶えずゆらゆらと揺らして
新鮮な酸素を送っている
まるで
大切なものをあやしているように
ハハザリガニが
出産した
小さな赤ちゃん ....
山の水があつまる
わんどの深みに
ザリガニのむき身を放りこむ
暗い川底が
ぐるるんと動いた夏
七輪でおばあさんが焼く
ナマズの蒲焼き
田んぼの畦を吹きわたって
麦わら帽子の
ひさ ....
130827
早く気付くことが必要です
痛みが無くても
気にしてください
もみ手をして
この度も
....
わたしの砂浜、波打ち際に
いちばん美しい波が寄せてきたころ。
月の腕にあやされた赤い花花の
うっそうとした香りは風にまかれ
わたしの刻んだ足跡も
すっかり消えてしまった。
雨が ....
葬儀はしめやかに行われた
なんだかいいのかどうかよく分からなかったけれど
晩に酒を飲んだ
こめかみの辺りで、血液が
じゅんじゅんと流れる音を聞いた
こめかみに手をあてて
....
つい先日
心に針を刺されました
誰かのふいの、一言を
昨日まではちっとも
痛まなかったのに
空気が全部抜けてしまったようで
今更ながらちくり、ちくりと
意地悪をしてきます
....
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