姉弟(してい)
……とある蛙

誰でも救われる訳では無いけど。

でも救ってくれたあなたは、
あと少しで炎が消えそうに
揺らいでいます。

幼いわたしは坂に向かって開かれた窓から
あなたの名前を呼びました。
親があなたを呼ぶ呼び方で.

不遜にも私は そのとき
あなたを呼び捨てに
しました。

チエコーと

わたしが苦しんでいるとき
あなたはわたしを励ますわけでもなく
全く同じ表情で、同じように接してくれましたね。

わたしが有頂天の時は
うって変わって
一緒になって喜んでくれましたね。


炎が揺らいでいます。
あなたの命の炎が揺らいでいるのに
わたしは何も出来ない
知っていながら何も出来ません。

まだ、あなたに救って貰いながら
わたしは何も出来ていません
まだ救って欲しくているのか
何かに逡巡しています。
つまり
何ひとつ
あなたに対して出来ることがありません。

そのままあなたが消えてしまうのか

どうして良いか分からない
いい年して未熟な弟です。


自由詩 姉弟(してい) Copyright ……とある蛙 2013-07-17 16:13:26
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