すべてのおすすめ
感謝してもしきれない 生まれたこと
生きてること
今はただ 僕がここにいて 呼吸をしてる
何かを感じていることが愛しく思う
どうせと投げ出すことが 不安に思える
痩せっぽ ....
海の大さを知るためには
一滴の水を
見詰め直さなければならない
と、老いた亀は言った
波打ち際で遊ぶ
他人の子供を
呆然と眺める
僕の足元で
亀はそう言っ ....
カナカナと遠いどこかで
かなしげに、
啼く声を聴きながら
今日という日を
麦茶漬けで締めくくる
さらさらとなんでもない事のよう ....
8月6日に詩は書けなかった
「ダイイン」というセレモニーにも
参加しなかった
自分以外の人達の行為に
ついケチをつけたくなるのは反射だ
雨がいったん上がった8月7日朝
はがきを投函しに ....
湾岸を行く高速道路を 車で5時間くらい走っていた
後部座席ではブタが眠っている
100円ショップで買ったブタだが
カフェオレもトーストも 毎朝きちんと食べるし
....
ひとりごとを かむ
ずっこける 頻度の高さ
きっとクリボーよりもよわいよ
学生という枠から 出ていかなければならない
一歩超えて 私に何ができるかな
生きつづけていく限り
....
プラットホームの蛍光灯を
なぞりながら
おりてくる
ぬくもりをもった
夜の闇。
夜の市ヶ谷駅の
下には釣り堀があって
人々はうなだれながら
みたこともない
翼の生え ....
ただいま暑いと喚きながらドアが閉まるが早いかTシャツを脱ぐ。廊下を進みながらタンクトップに半ズボンと次々に脱ぎ捨てる。なにそれと咎めると笑いながらこう答える。
「それ? あたしのぬけがら」
少女か ....
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タイムカプセルは誰の心の中ににもあって
開けられる時を待っているんだ
中に入っている想いは人によって違うけれど
一度開けると流れて行 ....
色々やったさ
何年喰らっても おかしくないようなことをいっぱいね
チョコレートいるかい?
いや いいんだ 気にしないでくれ
一度ガールフレンドに 左目を打ち抜かれたことがある
....
いま45才だから
15の頃はまだ30年まえのこと
いまとおんなじ強さと切実さで
84才のとき
15の頃を思おう
それとおんなじように
きょう69年まえのことを思おう ....
うまれた、てのぬけがら
まれにうまれたてだから
とりせつはやさしく
老眼の眼をほそめ、針に糸を通して、彼女が
器用な手つきで繕いものをしている。
ほつれた糸は無いもののように。
ただ、ひたすらに繕ってゆく。
それは家族や社会、そのいちぶとしての一本
の糸であ ....
家に帰ると
娘らが星を食べている
お椀にいくつか
飴玉ほどの小さな星屑を入れ
テレビの教育番組など見ながら
気軽に口に運んでいる
おいおい、いいのか
と思ったが
今日日やってはいけない ....
くだらないことばかりかんがえてるから
いま、おなかをくだしてる
ひとつのすいかに
いくつのたねがはいっているのか
しりたくて
ひとつのすいかを
ひとりでたべちゃったから
....
埃まみれの10年ものの扇風機は部屋の片隅でいつ発火してやろうかと考えているよ
毎日毎日遅刻ギリギリで飛び出すあの娘
今日だってきっと、足の指で止ボタンを押すんだ
どうしたって10 ....
あれは炎だ
理由も道徳も求めない炎だ
まごうかたなき赤い炎だ
怖れを知らぬ
黒い鳥が炎を目指す
命とはそういうものだ
せめて美しい君を覚えていよう
たった一日でしぼんだ朝顔
....
八月。
私たちの街は。少し空気が、変わる。
街宣車が増える。黒塗りの車。
スピーカーから、流れるテープ。
ツーリストが増える。
大型バイクが空気を、揺らして。
外国人が、増える ....
銀河のほとりには
ため息たちが花開いて
湖面は
ゆらめく
つかの間の風のなかに
つかの間の風のそとに
言葉の実る予感、が
色づいて
瞳の奥を波が走る
....
フィヒャアー
フィヒャアー
ぼく泣いちゃうもん
ママにだっこじゃなきゃ泣いちゃうもん
フィヒャアー
ぼく泣いちゃうもん
電気を消したら泣いちゃうもん
でも眠い時は暗くしてほし ....
並ぶつもりで
並んでいるのではないし
何億光年も離れた小さな星の住人が
語り伝えた
神話など知らぬ
集まって
輝いているように見えても
それぞれ
果てしなく遠い
線でつな ....
それってクセなの?
来週も同じことしたらちょっとだけ許さないから
蝉時雨が
それほど新しくない記憶を
影縫いするものだから
そのまま置き去りにもできず
立ち止まる
吹き出す汗
ハンカチを忘れたことに気づく
いつもそうだった
肝心な時に何かが欠 ....
照りつける日射しも
大きな入道雲も
うだるぐらいの湿気た空気も
乾いて日焼けた黒い肌も
額を流れていく汗も
ときどき吹き抜ける風のさわりも
湿った草の匂いも
....
レモンの青い葉の
そよそよささやくななめしたにある木陰が
独りの影に重なりつらなり
古い灰色の木製の椅子に座り
宙を見つめている無限に
くりかえされる喪失は
だれにも知られることはなく
....
出る杭は打たれる
っていうじゃない
あれって
打たれちゃうから
出ちゃダメよって
ことじゃないんだよ
出すぎちゃったら
誰かがちゃあんと
打ってくれるから
それまでは安心して
....
けつまずいて転ぶ
ああいつもの夕暮れなのにね
見えないものに語る言葉
忘れてしまった暑い日です
行き着く先のわからない
遠泳に参加する僕は第三泳者です
通り雨地球をまわしてとお ....
はざまの多い森の端を
光の川が流れている
刃物の影が
水草にゆらめく
増えてゆくばかりの光の束を持ち
水にも土にも放れずに居る子
重さもなく熱もなく
ただ何も見え ....
坑道は閉じられた
この町の盛衰などは
年表に改めて書きくだすまでもない
わたしたちは身を染めるように
幾百の眼で見てきたではないか
鉱石と蔓草と共同墓地
その合間のくらしの ....
工場の裏に生えた草を抜いていて思った
この国は何て豊かな国なのかと
何もしなくてもこんなに沢山自然に草が生える
知らない名の草が生える
1ヶ月でこんなに生えるなんて凄い生命力
しゃがんで ....
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