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よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
感じ悪いって思ってる
たとえば
嘘をついてしがみつくとか
取り乱して吠えさかるとか
感じ悪いって思っている
自分のことを護ることしか
考えていない自分とか
帰る場所がないのは ....
表にも裏にも
鏡のついた手鏡を
ふたつの指で廻しながら
光ははじまりと終わりを行き来している
横の波が
縦に重なり窓を覆う
外の冬を隠すように
布の鳥の羽音が積も ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ ....
そうだなあ
と
ふかす
何ごとに関しても
そうだよねえ
と
啜る
時間をそしゃくするごとに
そういうことが増えた、
何もうまれてはいない
何もかもが産まれて、空までたち ....
父の背中
53年の背中
もう隙間がないくらい
父の背中
背番号53の背中
数字がぎっしり埋まっている
その背中を擦ると
数字がぎしぎし唸り出す
私が石鹸で流せる ....
青い青い海を
裸で泳ぐと
魚の頃の私に戻り
手足も自由になり
心も自由になり
そして、そして
どこまても…どこまでも
私は泳いでいけるような
そんな錯覚 ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から
魚を、逃がす
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
....
ここにはもういなくなってしまった
ひとたちが
ときどき浮かんでくる
そのたんびに僕は
夕焼け 夕焼け
って詩を書き始める
いないいないばぁ
....
まぁ座って。
あなたはテーブルとの距離を好きにする。
これより喰らわせるアイデンティティなら氷山の一角
つまりあなたはミーム逹 乗船のタイタニック。
いく ....
灯籠のつくように世界の意味は反転する
昼と夜とについてくる残酷な時刻たち
君らには心がないんだね
それなのになぜ世界を統べるの
吐く息に祈りを込めた
吸う息に唇を震わせた
先へと思いを ....
顔 しかないあなたを覚えては
いませんとうの昔に身体が
あることが当たり前になっていた
からあなたの膝によじ登り二の腕
にぶら下がれるほどの小さな私は
よく脱臼して整骨院に連れて行か ....
言いたいことも言えぬまま
蓋を閉じた父の棺。
最後に触れた手に一輪の花を握らせて
また会いましょうね。と
母は呼びかけた。
悲しみの中
いつもと変わらぬリズムで時刻を告げる
柱時 ....
掃除をしたはずの離れは
埃臭くて何処と無く汚い。
段ボール箱を破いて
いくつかのゴミ袋に詰め込んでは見てみたが
こまめに捨てなさい。と呆れる
父のお叱りが聞こえた気がして
久しぶりに開 ....
このメールを打ちながら
ほんの少しあなたは微笑んだのだろう
ありふれたジョークのような
たった二行から
一滴零れた微笑みが
ザクザクの雪解け道をよろけながら歩いていた私の
胸の底にぽたりと ....
今日はぴかぴかに舗装されているから、うつぶせのままで背中の上をどんどん歩いていっていいから。夏になればまた雲が次々とやってきて積み重なるから、ふわふわと背中のほうからすこしあたたかくなる。街路樹の根っ ....
こんばんは。
私です。
今は真夜中、あしたは仕事。
例えば10年だけど
涙で海が出来ちゃったり
小学生になっちゃったり
低血糖に苦しんだり
なんだかとってもファンタジー
悲しい ....
わたしの理想は・・
たとえば・・
あの白いばらの花弁かもしれない
はかなく淡く美しい・・・
いや、
そう・・
あの紺碧の海だろう
やわらかく包みこみ癒してくれる
聖母のふところ ....
遠くにある町を眺めている
海の向こう
タバコはもう吸っていない
クジラが見えた気がした
工場からでる黒煙
憧れの場所は蜃気楼
町は僕を忘れた
スーツで泳げたら ....
白い光が辺りを照らし
気分は少し救われている
明日の仕事をやり残したまま
うたた寝をする
こころは底の底に落ちてゆく
無理やりに身を起こし
コーヒーをすすり目を覚ます
静まり返った闇 ....
無惨
落花生
詞
今日は。
昨日の。
明日ではない。
明日は。
永遠に。
やってこない。
時の果て。
まあるい。
星の。
いのちは。
今日を生きる。
だけ。
あの日を。
越えて。
....
ドキドキしてしまいます
待ちどおしい感触
温かさが胸まで伝わる時
今日一日の無事を感謝します
何事もい
チョット寂しいことですが
実は 素晴らしいこと ありがた ....
何もかも忘れて
ひとりになってみる
ひとりになって
自分を見つめて
奥の奥にあるものを見て
本当の自分を知る
作った自分を剥がして
純粋になっていく
全身全霊で今を感じ取る ....
こわいね
津波もこわいけど
ひとが
こわいね
一定量の空気を
うばいあうような
日々が
去年
母が逝った
でもまだ
郵便がくるんだ
転送されて
デパートの
スプリ ....
公営住宅の三階の角から二番目の部屋
のいつかぴかぴかだった扉
おんなのこは台所で目玉焼き
格子の向こう側に空を見て
歌詞の意味なんてわからない
あいらびゅうの鼻歌
らびゅう
を繰り返す薬 ....
夜陰に
静けさの
微かに揺れ動く
ベッドを囲むカーテンから
白の色 剥がれ漂い出し
微かに振動する
静まり返った
四方空間に
彷徨い落ちゆく白の色の
帰着すべき基体の不在 ....
車と人々の行き交う大都会の交差点
彼は信号の支柱にもたれかかっている
その脇を通り過ぎていく
ふざけながら笑い合う女子高生たち
お互いに寄り添うかのような老父婦
路上キスするために足を止 ....
大震災と原発事故で被害を受けた土地に赴任して、日々復興の仕事をしながらもう一年になる。右も左もわからないうちから多くの仕事を任されてなかなか苦労した。今では大抵の仕事に慣れてきて、来年度に向け ....
赤ちゃんが
あはあはあはと笑うだけで
みんながあたたかくなる
赤ちゃんは
らしいことは言っていないのに
みなぎっている
光をはなっているそこだけが
みな触れて
ほほが緩む
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