すべてのおすすめ
健やかに
太陽を浴びて健やかに
林檎は輝く
突然の風塵に出会うまでは
傷ついた林檎は
叫びの蜜を流し
やがて打ち捨てられ
谷底に堕ちる
それでも林檎は林檎たらんとし
....
犬小屋を作る
犬がいないので
代わりに自分が中に入る
隣の家から拙いピアノが聞こえる
丸くなりうずくまっていると
昔からずっとこうしていた気がしてくる
前を通る人が
中を覗き ....
見つめられると目が泳ぐ 点
嘘をつくとき唇が溺れる 点
滅多に好きなんて言わない 点
温かすぎると慌てて逃げ出す フーテン
笑おうとすると頬が寒がる 点
お世辞を言う ....
綿毛の海で泳ぐ
後ろ姿を探す
秋の始まる午後に
あたたかさとつめたさの両側から
等しく守られていることを知った
星の人から届けられる
言葉によらない通信を
言葉に変 ....
朝起きて 大地を読み
今日吹く風は西か東か
空気は何色?
お日様は見えるのかと
空に聞いてみた
決まりなどない
どこ吹く風
今決めるのさ 今求めるのさ
風の匂いは ....
小春日和の土曜日
住み慣れぬ町を散策に出たアラジンは
ふと
今日は電車から見る一級河川に出てみようと
川辺の高層マンションに見当をつけ歩き出した
バス通りを渡り
古びた団地の中を突っ切り
....
6つ全ての面に
60と書いてある
拳大の立方体
それにそっと手を触れると
彼は吸い込まれてゆく
ゆっくり
60分かけて
彼がすっかり吸 ....
とても とても 小さな町から
とても とても 遠くの町へと
列車は少年を連れ去った
絵に描いた景色が
車窓に飾られてく度に
少女の声はひび割れていった
小麦色の雲の間で 見えない ....
夜の遊園地で
忘れられたこどもが泣いている
メリーゴーラウンドのうえ
コースターの支柱のかげ
観覧車の箱のなか
夜の遊園地に
忘れられたこどもは
こどもの姿のまま
たそがれ
台所 ....
唇には唇の 開き方があって
花ならば散るのに
風にでも なびくのに
喉がかすれて
目にしたくなくて
声が くぐれず
いつもの いついつ
指を唇に あててみる
静かに 沈黙が ....
黄ばんだ紙
表と裏
その間に
地方都市
雑居ビルの一室から
産声
産まれることの
懐かしい痛み
短い言葉は
短い影をつくり
壁は語られる
曖昧な
理屈 ....
部屋の壁に
窓からもれた街灯のあかりが
色のない夜を映す時間に
路上で叫ぶ人影は
ざわめく静寂を打ち破り
揺れながら走る鼓動を示す
微かによどみ火照った体は
....
小石には刻まれた文字がある
忘れられた形見
鯨の骨の穴三つ
祖父が死んだ日は知らない
祖母が死んだ日は少し悲しかった
花びらのなかに埋もれて
小粒の涙が乾くのも早かった
遠 ....
抱き合うより
見つめ合いたい
そんなお年ごろ
生きているのが不思議なくらい夢のなかに暮らしている
きみとぼくの距離がどれくらい離れているのかさえわからない
林道のわき道を行ったり来たりしながらも誰かに追いかけられている影はみえない ....
君の生まれた十月の国で
うたうように眠りたい
銀木犀のしずかなかおりが
漂う夜気に包まれて
丘を木立をぬって流れる
川のせせらぎを聞きながら
幼い君が 少年の君が
夢 ....
夢とか希望って軽々しく口にしてはいけないよね
これでも恋わずらいなんだろうか
鬱陶しさに心は暗く沈んでしまっているけど
なんだか身体は心模様とはうらはらに
不思議と元気みなぎっている
....
箱のなか
真っ暗な箱のなか
起きたら箱のなかにいた
頭は妙にさえていて
箱のつなぎめさがしてみたり
押したりしてみたり
最初はでようとしたんだ
暗くてなにもみえないし
元 ....
IT関連の求人広告を見た男が
雑居ビルを訪ね面接を受ける
(応接室で)
「え? インターネットではないのですか」
対座の中年男は
「ええ、弊社はウィンターネット構築企業です」
「あの、ウ ....
笑って 笑って
笑って キャンディ
昨晩のアニメでもちきりだから
何かこう 一途を共有したがるっていうの
かがやく未来の乙女だったか
平和の先は怠惰の坂道
さらけだすよねぇ
そんなつ ....
僕は異物だから
君の悲しみの中で
溶けてあげられない
僕は異物だから
君の喜びの中で
泡立ってあげられない
僕は異物だけど
とても脆いから
もたれた君の肩を支え切れない
....
要領のよさを教えられ
知覚過敏なのと教えてくれる。
歯の磨き過ぎさと笑って答える。
植物を教える。
時間配分を教えてくれる。
細かい所も注意され、
理屈も教えてくれる。
そんなおばち ....
チケットの音を
握りしめたまま
匂いのない歩行者
側溝の中で
口は燃え尽き
残された句読点は
誇りとは
とても遠い
そして名前は
窒息を始める
一滴の水に
一筋の光に ....
夜中目を覚ますと
私の喉は笛ラムネになっていた
ぴい ぴい ぴい ぴい ぴい ぴい
情けなく繰り返す
ラムネをさっさと溶かすべく
コップの水を飲み干した
わたしの指が
風にふれる、と
ふたたびページが
繰られます
偶然に
呼び起こされるまで
目ざめることの
なかった物語
でも、
待つことを
つづけてくれた
約束たち ....
昔、花屋にマツムシソウがあって驚いた
街で会うとは思っていなかったから
タカネマツムシソウそのものではなく
スカビオサか何か園芸品種ではあったのだろうが
風に揺れながら山に咲いているはずの花だ ....
いきものは普通上をめざす
より多くの光を浴びようとして
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星を見て井戸に落下死した哲学者も例外ではない
だから
俺も彼らに習って下を向いて歩こう
そんなに硬ければ喉に詰まらせて逝ってしまえばよかったのに
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Y染色体はお前の硬さに勝った
ネットでできた詩友さんは いつも消えていくので
あまり深追いはしない いつも
忙しくなったんだな 飽きたんだな
ひとときのやりとりが 良い思い出になるように
なんて 気を使っているわけでもない ....
大きな森の中に
小さな街があって
その小さな街には
水が、綺麗に
透き通っている
頗る、清らかな川が
流れている…。
そんな街で
この僕も
たくさんの
....
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