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 雪が解けて木々がいっせいに芽吹く。地表の下は地下だ。すべてが地下だ。
湿った落葉が陽に照らされて、ゆっくりと乾燥していく。その下は陽の届かない
地下だ。 

 耳をすますと、小さな音が聞こえ ....

クマ
遠い虹
旅客機と
外に霧の夢
一角獣の種が
雲の上に蒔かれ
水をやる雷親子が
セッションしている
蹴るときにピポポパポ
ピッチカートフットでね



じゃ
な ....
「冷えていく鉄」


鉄だとわかっている
何度目かの純情だから
素直に信じる
うん、わかっている
その熱では溶けてしまう事もない
背中が曲がる前の、愛しているは、信じない
少女の ....
君の右側がどんどん物化してゆく

歩くこともままならない
食事することもままならない
まして字を書くことはままならない。
自分の署名すら出来ない。
君は苛々する。

もうだめかも知れな ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
君の美しさを
僕は知っている

輝く君を人は褒めるけど
それは本当の君じゃない

飾らず
目立たず
ただそこにいる
そんな君を僕は愛する
これは本当の猫じゃない
昼間は猫のふりをしているが
真夜中、家人が寝静まる頃
ぼんやりと白く光って
人のかたちをしたものに
そして私の布団に
勝手にもぐりこんでくる
私はそれをだきしめる ....
疲れた顔で見舞いに来ないでほしい

わたしの看護のために
あなたを育てたのでは無い

あなたはあなたの生き方で
社会の仕事を果たさねばならない
それがあなたの人生

わたしの看護が加 ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
 ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
治療しなければ半年です

そう告げられました


でも私は治療をします

そして半年以上生きます


生きます
誰かに言葉で傷つけられたのなら
自分の言葉で奮い立たせろ
             150507

からからになった台地を背負う
神話時代の住民たちが大型休日も作り上げた
なかなか好い後輩が増えて増えて
今では曲紹介する可能性を
ディスクジョキー ....
汗に濡れたシャツをはだぬぎ
わたしは暗闇のなかを
帰るふりをして 逃げたのだ
七月の 台風の 雨のなかを
精一杯生きようとして 逃げたのだ
咎められることは何もない
そのほかのことは知らな ....
いま目の前を上り列車がひとつ通過いたしまして、さてさてお集まりの皆々様よ、おんなののろいをみたいとお集まりで、おんなのなみだをみたいとお集まりで、ついでに死ぬおんなや殺すおんな、蛇やら龍やら見せましょ .... 木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと

雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと

夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと

 ....
教室では
四十名近い生徒が
ひしめきあっている
各々が心の中に
深海魚を飼っている
十数年教壇に立っていて
唯一発見したことだ
このせまい教室の中で
信じられない形の魚が
一つとして ....
八重よ、八重、
お前はどこからやってきた?
海の向こうの和の国の
家族がお前も恋しいか?

八重よ、八重、
お前はいつからそこにいる?
出逢った時からお互いに
白髪も相当溜めてきた
 ....
聞き捨てた
島へ渡る船なんて知らないから
僕らは港を探しに歩いていたんだ
見たこともない白い浜辺
ただひたすら国道のガードレールに沿いながら下る
海は眩しくてずっと近かったから
額から ....
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            |
           ごく、
         近視眼的思考で
      詩のようなものを書いたなら
     ....
ほとんど同じ
服しか着ないのに
ストレスが溜まると
服の買物へとはしる
ぺんぎんがいる
広い海には百貨店があって
青空を飛べないぺんぎんは
翼を使って海を泳いでいく
飛べないことを
 ....
誰かに飲み干された君は
埃っぽい街をぼんやり透かして
仄かな緑色で薄笑いしていた
濁り切れずに立ち尽くしていた

可憐ながらんどうの君は
微かにアップルタイザーの匂いがして
僕は言葉 ....
強くはないと
自覚していても
強い人になりたくて
強がりばかり言っているから
その分余計に痛い目にあう


優しい人にはなれないと
解っているのに
優しい人の振りをするから
その分 ....
桜の花に誘われて散歩するわたしの行く手の
立ち枯れた葦の叢から飛びだした番い  
ギャッと鳴いて 慌てふためき 灌木の陰に潜る雉子
間違えはしない
登校した私を小学校の玄関で
毎朝迎えて ....
しんをちょうせつして
つつをもちあげて
すこしだけすきまをあけて
まっちでひをつけて
しめるとどうじに
まっちをふってひをけす
ごっごっ と
おとをたてて
かなあみまでひがのびて
あ ....
ザザ ンブ ララ ア
ルル ルウ ザンブ


寄せては返す
奪ったら返してくれない
怨んでもシオマネキ
黙ったら塩辛い


ザザ ンブ ララ ア
ルル ルウ ザンブ


 ....
太平洋戦争のあと
海底に眠り続ける
たくさんの機雷と
ともに朽ち果てた
駆逐艦は大海のひとかけらとなって
ゆったりと深く沈んでいる
真夜中の月は
もはや永遠に
届かない光となっている
 ....
あたしは誰とも
共感なんてしたことが無い
本当は
誰にも同情なんてしていない

カラスの群れの中に
カモメが迷い込んで

鳩の群れの中に
インコが紛れ込んで

周りの誰とも違う歌 ....
傷心の時
人は季節を忘れる
今がいつなのか
ここが何処なのか
茫然として
うわの空

それでも季節は巡る

新しい風が吹いて
花々が咲き
陽の光は注ぐ
あなたの肩越しに
滔々 ....
華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて

勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで

最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
るるりらさんの自由詩おすすめリスト(5884)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
森を出る- カワグチ ...自由詩215-5-23
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