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最初に見上げた時に見えた
生白い顔を曝け出した満月は
何度目の化粧を施したのか
もはやわからないくらい
ぼくの頭上を通り過ぎてた
その透き通った悲しい光の下を
ぼくは歩いている
最初に定 ....
いつの頃からか
崖の上から見下ろす
ささくれだった土の
触れると血が止まらなくなるような
眼前に広がる荒野の地表
反吐が出る光景を
瞬きもせずに見つめるのが
当たり前だと思っていた
震 ....
水あかの目立つ
くたびれた流し台に立って
不器用に皮をむいたりんごの
やけにざらざらで
ぼくの手でさらけ出された
瑞々しい果肉の表面を目の当たりにして
なんだかぼくの心のどこかに
い ....
雑草もいなくなって
剥き出しの岩肌を
木枯らしにさらけ出して
底冷えする意地悪さに耐える
荒れ果てた大地の上に
白く化粧を施した
柔らかな新雪が
みんなで手を携えて
降り積もってい ....
冬がすぐそこまで
足並みを乱しながら
昨日の寒さを駆逐する
新たな季節を告げようとする朝
新聞を郵便受けから出そうと
外に出ると
東から紅く頭に血が上った太陽が
ゆっくりとこちら ....
昨日死んだ愛猫の
硬くなって冷たくなった
生前の柔らかさを失った
その朽ちていく体を前に
悲しみが目を通って
忙しく立ち去っていく
その一方で
航空機事故で亡くなった
大勢の日 ....
窓を閉めれば
肌を撫でる寒さは居留守を使われ
ガラスを通り抜けて
冷たくなった雰囲気を
盛り上げる穏やかな
秋の太陽に温まった教室


昨日までそばにいた
串刺しの的はもうい ....
頭の中が暗闇で
街灯もなく
右を向いたり
左に走ったり
右往左往がユーモラス


黒く染まった時の中
大声で叫んだら
話を聞いてくれるかい


無視する人もいるけど
 ....
宵闇の空気を裂いて下りる遮断機
ドラム缶を叩く警報機の金切り声に
微かに怯える竹竿の震え
レールの向こうに蜃気楼を従えて
月色のショールを纏った女
ルージュを引いた唇を聞こうと
右 ....
紺碧の空が覗けない
陽気な窓が遁走した部屋
くすんで白いしめやかなリノリウムが
乾いたのどを締め上げる
がらんどうな空気の真ん中に
位置を決められたパイプ椅子
腰掛けながら一人
 ....
寒々しい棘が
いちいち目の端に溶け込もうとする
裸の地面を踏みしめて
遠くで頼りなげで
幽かに揺れる街の灯を見下ろす
生ぬるいそよ風が通り過ぎるたび
背中を抱えて連れていこうとする ....
夢にも出てこない日々が続いて
将来だとか希望だとか
とうの昔に自分から消えて
生きるため日銭を稼ぐ仕事に
悔しさを感じることもなく
工業機械が働く日常の
オイルまみれな日々が過ぎて ....
仕事が忙しくて
体の疲れが取れなくて
人の顔を殴りたくなる
振り上げたこぶしを
見つからないよう
そっと下ろす
胃に穴が開いちまった
口からは血反吐しか出ない


女に振ら ....
秋が深まる頃に
音もなく舞い落ちる銀杏の葉
通りを行く人々は
無意識のうちに踏みにじる
懸命に生きれば生きるほど
他人に利用されて
手元には喀血しか残らない
長い間
繰り返し繰 ....
潮風が夜の帳を連れて去り
厳かな今日の光が
水平線を少しずつ露わにしていく
岩肌が頬を染め
砂浜が肌を隠そうと波にもぐる
生気と活気に風景が色づいていく中
僕だけが依然として黒い
 ....
突然着メロを歌った携帯電話が
静寂の中伝えたのは
友人の死だった
半年間
人工呼吸器に括られた彼は
むしろよく生きた方だと
母親の声が途切れ途切れに
電波状態のせいではないことが ....
あと余命半年です
目の前に座る
眼鏡が似合う医者に
冷静に告げられた時ほど
冗談であってほしい
そう思ったことはなかった
その言葉に続けて
医者が何か言っていたけど
もう何も聴 ....
砂木さんの寒雪さんおすすめリスト(17)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ぼくの足跡- 寒雪自由詩512-2-18
案山子- 寒雪自由詩311-11-22
りんご- 寒雪自由詩4+11-11-19
大地- 寒雪自由詩311-1-3
太陽と北風- 寒雪自由詩310-11-27
Light_Stuff- 寒雪自由詩310-11-13
見守る- 寒雪自由詩210-11-6
歌う- 寒雪自由詩110-10-29
遮断機- 寒雪自由詩210-10-8
不調和- 寒雪自由詩210-10-7
寂寥- 寒雪自由詩310-10-4
過去の自分- 寒雪自由詩210-10-3
Come_And_See- 寒雪自由詩110-9-26
恋歌- 寒雪自由詩110-9-25
- 寒雪自由詩210-9-24
Go_On- 寒雪自由詩310-9-10
残していくきみへ- 寒雪自由詩210-9-1

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