ヨーグルト
純太

最近
ヨーグルトが美味しい

爺はよく

「このヨーグルトは安いけど美味しいんだぞ」と

かりんとに付けて食べていた

爺が晩酌の顔で食べていた姿が懐かしい
爺は将棋が好きで
近所のクラブに通っていたが
勝ち負けよりも
歩を裏返せた数を自慢していた
そんな日は決まって
輪切りのパイナップルに
ヨーグルトをかけて食べていたな

婆は爺ほどヨーグルトを好んでいなかったが
たまに爺につきあうように食べていた
そしてたまに一つの苺を半分に切り
それを混ぜて食べていたな

おふくろはたまに桃にかけて食べている

親父とは暫く会ってないが
一緒に住んでいた頃は
たまにさくらんぼを混ぜて食べていたな

弟も好んで食べてはいるが
何も加えない
封を開けたらすでに
果物の加工品が混ぜてあるヨーグルトを
たまに食べているな

ヨーグルトはいつでも冷蔵庫の中にある
そう安心できるのは
冷蔵庫の元気の素であるモーターのおかげだろう
おかげは腐らせない
腐る前にたまに電波を発する
だから食べれる
たまに たまに

そんな俺が今食べようとするヨーグルトは
やはりいつものように白く美しい
まるでフォト用光沢紙だ
俺は今日も何か果物を混ぜたり
また何かにかけることなく
ヨーグルトを食べれたんだ


自由詩 ヨーグルト Copyright 純太 2004-05-23 23:26:50
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