何かが
桜の木にぶらさがってる
よく見るとそれは
何か、というよりも
転勤してきた
部長さんであることかわかる

かわいそうに
あんなにあかく染まって
誰もが桜だと思う

帰り ....
草の葉が
風にゆれて
風景と対峙する
その葉のさきに
とまる爬虫類の眼に
やどるのは人だ

さようなら

葬列のむこうへ
風はゆくが
寂寥とした気配に
残されたものは
石積み ....
いまいましい季節が過ぎ去って
春の匂いを運んで
ちいさな風が
独り言を
ちっちゃな声で

ほんにゃら ほおい

赤いランドセルに
まだおんぶされているような
ふきのとうの葉で
傘 ....
桜と梅が いっしょに咲いた
ばあちゃんが桜を見て
うめざくら
なんていったので
思わずぷっと吹き出した
笑ったあとで悲しくなった

あなたにも
いつか
桜も梅も
スイセンもヒヤシン ....
グッバイベイビー
きみはまだ
そこにいるのかい

トンネルを抜けると
そこは
まだ雨が降らない
東京駅だった

高層ビルが
山のように建っていて
お洒落だった
遠くの景色が霞 ....
小さいときの彼は
割と人見知りのほうだったと思います
竹棒の先に白墨挟んでね
線を引きながら道を歩く
不思議とそんな遊びに熱中するような子でした
長々と続いた白線を振り返って
嬉しそうでね ....
見えないように 幾つも隠していった
触れないように 何度も遠ざけていた
光よりも 陰よりも 離れた場所に

君にだけ 教えてあげる

ふたつにひとつ 秘密をひとつ
守らないで 背負わない ....
揺れる
運命の場所で
神様の子どもたちに
優しくなでられながら

咲きたい場所で咲けるわけじゃない
揺れたいときに揺れるわけじゃない
けれどこの場所で咲いていくと 
揺れていくと決 ....
駱駝は人手に渡してしまった。
少しの水と、一日分の糧と引き替えに。
だから二人の娘は手をつないで歩いた、
月下の沙漠は、
はろばろと二人の前に広がっていた。

邪恋の娘ども、と囃し立てられ ....
少女服脱ぎ捨て君は駆けぬける
    街角、インクの乾かない朝


追いかけて非常口ドア雨上がり
    無邪気な青にだまされてゆく


水にうつる言葉も意味もないグラス
    残 ....
木々の緑を揺らし洗う

風の音たちが
私を遠い所へ連れ去ってゆく

ざわめきの葉葉に清純な雨が伝う

そう暴風雨は埃にまみれた
この都市を透明に塗り替えて
明日の蘇生を約束してくれる ....
きょう
たんぽぽとはるじおんを食べた
すこしだけ耳が伸びて
神様の声をきいた


あしたは
すみれとばらの花を食べる
すこしまた耳が伸びたら
まだ聞いたことのない
あなたの声が聞け ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている

ふ ....
絶望で計ってはいけない
希望で計ってもいけない

私たちのうごめく場所は
あるいは
私たちのもがく場所は
もっと混沌として
もっと崇高な場所なのだ

もし計らねばならぬとしたら
そ ....
緑色をぬる
たとえば葉の緑だ
黄色をぬる
それはレモンの黄だ
背景に街のグレーか
あるいは部屋のセピア色をぬる
中央に常に不明のオノレを描く
抽象への誘惑をしりぞけ
克明に過去をさかの ....
こんがりと焼けた茜に
今宵あなたとニコーラへ

とろりと滴るバターの琥珀
バジルで装うゴルゴンゾーラ
ギンガムクロスに灯るオイルランプが
ゆらゆら ゆらゆら ゆらめいて

窓から見える ....
思い出を右から左に
並べて行く

海の見える場所に
家を建てた
波の音が聞こえ
潮風が吹いて
ウミネコでも鳴けば
と思い続けてもう
ペンキもはがれてきたのに

ぼくの昨日は消 ....
 その昔
 はるか彼方で
 落としてしまったもの
 探しに出かけます
 
 もういいかい
 もういいよ
  
 細い声を頼りに

 さらさらとささやく木々の言葉
 滴るしずく
 ....
誰もいない教室で
机の落書きを消す

たいていが内容の無いもので
消すのにためらうこともないのだが

ふと窓をみると
結露したときに指で書いたのだろう
一つの文字が見えた

「海」 ....
いつもひっそりと
わたしの庭を守っていてくれた
垣根の木
なんていう名前だっただろう
とつぜん気になって
落ち着かなくて
たしか図鑑があったはず
なのに
本棚にも押入れにも
どこ ....
かぜが
よにん
てをつないで
ふいている

とおくに
ひろびろと
あおぞらが
ひろがる

あのころ
ぼくらは
そんなまいにちを
すごしていた

あなたがかいた
あねもね ....
子供たちよ
君たちの革命に
銃はいらない
うつのは心臓の鼓動だけでいい


子供たちよ
君たちの革命に
拡声器は要らない
隣の見知らぬ人に
呼びかけるだけの
裸の声があればいい
 ....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する


君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり


洗剤は合 ....
地平線の向こうに
沈みゆく陽の輝きをうけて

盲目のピアノがある
そこから
三歩先に
思い出を失くしたチェロが腰掛けている
盲目のピアノと
思い出を失くしたチェロとの
ちょうど
五 ....
口の中に微かに鉄の味がある
コートの袖口が擦り切れている
錆びたドラム缶からはいだして
月下の廃工場を後にする
奏者を失って久しい機械が
ほの青く光る一群の風琴になっていた

鳥が飛び立 ....
         080411




乱れ飛ぶ

風景が飛んでゆく
車窓の景色
小父さんと小母さんが
席を立ったので
列車の窓は停止した。

舷を叩いて魚を脅す
古くさい ....
山国で育った


目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった


そうやって彼は
ときどき山を越えた


どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
 ....
長いブロンドの髪を靡かせて、あの娘が私を待っている。
早く行かねばならぬ、彼女を待たせるわけにはいかない。
走りながら噴水のウンディーネを横目で見る、私を見ていた。

薔薇の咲いた庭を駆ける、 ....
つとさしのべる指先から
はらはらと はらはらと
こぼれては落ちる春の
あれはあなたと私の約束です
遠い日のひめごとです


はらはらと 散ってゆく
くれない {ルビ淡紅=うすべに} { ....
世界がひとつになると
さらさらと
砂の崩れる音がする

幼い頃
ひとり布団の中で
聞いた音と同じだった

朝、家族に
おはようを言う

こんなに幸せな朝なのに
さらさらと
 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花見- 小川 葉自由詩208-4-25
さようなら- Etuj ...自由詩808-4-24
ほんにゃら_ほおい- 乱太郎自由詩26*08-4-23
悲春- 池中茉莉 ...自由詩5*08-4-22
グッバイベイビー- 小川 葉自由詩7*08-4-22
熱情- 六九郎自由詩4*08-4-21
ひみつ- 蒼穹自由詩7*08-4-19
- 青の詩人自由詩3*08-4-19
影さやかな月のもと- 佐々宝砂自由詩16*08-4-18
永遠中毒- 石瀬琳々短歌6*08-4-18
暴風雨- アハウ自由詩15*08-4-18
- yo-yo自由詩20*08-4-18
ふりふりなひと- 恋月 ぴ ...自由詩31*08-4-17
測量- Etuj ...自由詩208-4-17
- Etuj ...自由詩208-4-17
ピッツァ・ニコーラ- 西日 茜自由詩9*08-4-17
あかさたな限界- AB(な ...自由詩1008-4-15
落しもの- 伊那 果自由詩308-4-14
「海がひろがる」- ベンジャ ...自由詩9*08-4-14
名前- アンテ自由詩10*08-4-13
アネモネ- 草野大悟自由詩808-4-13
午前五時の闘士たち- 餅月兎自由詩708-4-13
ノート- 乱太郎自由詩32*08-4-13
演奏会- Etuj ...自由詩508-4-11
青い花- ダーザイ ...自由詩1408-4-11
定刻- あおば自由詩3*08-4-11
- yo-yo自由詩11*08-4-11
植物園- 白昼夢自由詩3*08-4-10
千年桜- 石瀬琳々自由詩7*08-4-9
砂の音- 小川 葉自由詩808-4-9

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