世界の尖端に
詩人のようなものが引掛かっている
重いカーテンをどんなに引いても
夜の窓から三日月がはみ出してくる
夢の過剰摂取の副作用が
紫色に垂れ込めてくる
中空には透明な旗が翻る
誰 ....
煙草の煙で出来た雲が蛍光灯の太陽を目指して昇って行く
それを見つめるお前さんの瞳には
瑠璃色の右と
金色の左とに
それぞれの空が宿り
色違い、二色のビー玉のレンズがころころと回り出す

小さな君の ....
夏の光を受けて 
蜘蛛の巣が
ガラス細工のようにきらめき
萎れた蜘蛛が
捕らわれた羽虫のように
ぶらさがっていた

コントレックスで
乾いた喉を潤し
灼けるような暑気に身をまかせ
 ....
大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ

膨らみかげんにチェックをいれてしまう

どれくらいのひとが知って ....
  *1
宛先の無い便りがポストを探して彷徨っている
剥がれたかけた切手の刻印は遠い町の名が記されている
色褪せた封筒は数え切れない程の皺と手垢にまみれている
同封された写真には笑顔が二つ並んで ....
少し鼻にかかった柔らかな声が
携帯電話から溢れ出して
飾り気のない長い夜を
暖かな色で満たしていく

他愛ない話の繰り返しよりも
ひとつひとつの言葉よりも
君の声を近くに感じていたい ....
{引用=「出かけないか。」
「どこへ?」
「過去へ。」
「タイムマシンでも発明したの?」
「まあね。真っ暗な夜があればいいんだ。」

神様は天球に宝石箱をひっくり返し、銀の砂をまいた。
 ....
ほとばしる水をすくって
いらなくなった角質を
きれいに洗い流したら
南南東に向かって
窓を開け放つ

とれたての空気を
頭の中に吹き込んだら
多面体の自分が
きらきら回り出す
 ....
夏が来るたびに扇風機は首を振り続ける
いつかの断り切れなかった言葉を振り切るように

ついには羽根を回す軸が歪み始めて
一人前のプロペラみたいに効果音を出している



あの夏に買った ....
穏やかな朝はかなりヤバイ
いっそどしゃ降りになればいいのに
心地良い風がテンションを萎えさせる
「もう駄目かな」を踏みつけて歩き出す

みぞおちのあたりの不確かな重みが
慢性的な吐き気 ....
陰鬱な雨音が窓辺に滲みて
低くつづく唸り声と
さかんな水飛沫とともに
霧中に奔り去る夢の銀輪たち

仄暗い部屋で
目覚めると
突如、
胸に激しい痛みを覚えた

良くない
一日の訪 ....
背中越しに交わす
他愛ない会話がいい
近すぎず 遠すぎず
君の側にいられるのがいい

あまり上手じゃないハミングの周りで
立ち昇る湯気が和らぐ
とても懐かしいにおいの風下で
閉じか ....
 
透きとおるような青い瞳を閉じて
月明かりをよそに
思索する空
道標を失った者たちの
無数の悲しみが白い炎をあげて
燃えている



どこにも行けないという絶望を
焚き木にすら ....
七月は一艘の舟
僕らは詩の上で旅をする
オールは持たず自在にすべってゆこう
喜びも悲しみも傍らに従えて
まだ陽はあんなに高いのだから


指を浸せば波紋の向こうに
雲は流れ 陽はきらめ ....
真夜中/街灯/無人駅/アスファルトに咲いた白い花

煙草/缶ビール/読みかけの本/錆びて褪せた古い看板

波止場/大観覧車/真っ赤な郵便ポスト

朽ちて行く町/崩れて行く遠い影/消えてしまった風情 ....
どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい

人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
 ....
 この世の者ならぬ 
 あの(瞳)が 
 私の心の暗闇を 
 覗き込む時 

 空に薄っすら浮かぶ 
 あの(瞳)を 
 私もじっと 
 視るだろう 

 目の前に立つ 
 あな ....
白い部屋 白いベッド
時計の針だけが 静かに動いてゆく
私は此処に
囚われている それとも
護られている

開くことのない窓から
中庭を見やる あかるい芝生に 木洩れ日が
揺れている  ....
{引用=
ハイビスカス


なき濡れる ハイビスカスよ 咲かないで キミに会えない 夏はいらない 


「あいつって…」 噂話が 気になって ゆるゆる溶ける チョコレ ....
書き割りの高層ビルに
もたれかかる十六夜月
積木の高速道路には
飲み下せなかった
錠剤のような車の列

韻律の坂を駆け下りて
暗喩の橋を渡れば
目の前に広がるのは
上目づかいで吐 ....
君のまあるい心と
僕の角ばった心が
ぶつかった

君は少しへこんで
すぐ元にもどる
僕は角がつぶれたことを
いつまでも気にしている

君のまあるい心と
僕の角ばった心が
はず ....
泳げる海が見つからないから
青い水彩で画用紙を染めた
小さな 赤い魚
たくさん描いても
ひとりはさみしい

泣いたら 海になって泡になって
青に溶けて消えてしまうの
赤い魚も 白いクラ ....
コンクリートの舗道から
唐突にはみ出してしまった
名も知らぬ草

引き千切られても
踏みにじられても
へらへらと風に揺れている

雑草になりたい

生えることだけを
考えたい
 ....
海へ行こう

冬の、風の穏やかな日に
波の音がすべてを包み
古い貝殻からは異国の歌が聞こえる
覗き込んだ水底には静寂とざわめく生命が
見上げた空はどこまでも突き抜けて青く

足跡は消え ....
うつむいた君のまなざし
梅雨空の雲より重く
今日も紫

かなしいから
空は見ないの
あの深みに沈んでいけたら と願うけれど

かしこいから
夢は見ないの
重力に逆らっても必ず落ちて ....
 
 
縁日で
祖母が買ってくれた
空色の風船が
手のひらを
するりと抜けて
空高く舞い上がっていった

東の空へ流れていく
風ははるか上空
西から東へ吹いている

お日様と ....
向う岸めがけて石を投げる
不様なフォームで
何度も 何度も

自分の何処かにへばりついた
決して懐かしくない想いを
危うげな放物線に託して
思いっきり放り出す

届いたことはない ....
わたしの、隙だらけの皮膚を突き抜けて
メタセコイアが生えている
臓器はいつしか記憶を失くし
葉脈を血液だけがめぐりつづけいる



あまりにむごい手つきで
世界が わたしを愛してや ....
父が亡くなっても泣かなかったくせして
MJの死にはわんわんと泣いた

そんなものだよね

近くて遠い悲しみと
遠くても近くに感じられる悲しみ

人生のアルバムから今まで生きてきた記録が ....
みんな頭の上に
金魚鉢を持っていて
歩けば中の水が

ちゃぷんちゃぷん
揺れている

ときどき
金魚が入っている人がいると
みんなが振り返る

水が濁って
少ない人がいた時は
 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
透明な旗- 塔野夏子自由詩8*09-7-17
小さな空と小さな君の小さな恩恵- 遊佐携帯写真+ ...8*09-7-14
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迷宮組曲/第4楽章/夜空の涯- 遊佐自由詩7*09-7-13
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一秒前/月/そして現在- 夏嶋 真 ...自由詩24*09-7-13
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扇風機は苦い、手の平は甘い- 木屋 亞 ...自由詩3*09-7-11
プレッシャー- nonya自由詩7*09-7-9
暗い窓辺に_★- atsuchan69自由詩20*09-7-9
キッチン- nonya自由詩4*09-7-8
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七月の舟- 石瀬琳々自由詩14*09-7-8
ノスタルジー- 遊佐自由詩5*09-7-7
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望遠ノ瞳_- 服部 剛自由詩209-7-5
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迷宮- nonya自由詩9*09-7-5
- nonya自由詩11*09-7-4
海の絵- 照留 セ ...自由詩5*09-7-4
生える- nonya自由詩6*09-7-3
海へ行こう- まさたか自由詩509-7-3
紫君子蘭- 照留 セ ...自由詩209-7-2
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距離- nonya自由詩4*09-7-1
未完の、ソネット_「隠家(あじと)」- 望月 ゆ ...自由詩8*09-7-1
問えぬひと- 恋月 ぴ ...自由詩15*09-6-30
金魚鉢- 未完自由詩10*09-6-30

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