優しさの前に立ったとき
どうしようもなく
人見知りをしてしまう
なかなか差し出せない手を
ぎゅっと握って
その手のひらは
汗だくになってしまう


嬉しさの前に立ったとき
どうしよ ....
ブラジルのミナス・ジェライス州は
さまざまに良質な鉱物の産地として有名ですが
先だって展翅された天使の化石が見つかり
大きな話題を呼びました

地下湖のほとり
エメラルドの晶洞に
一対そ ....
東京にはきれいな水がないのよね、と、
魚になった友人は天然水を買い漁っていた。
時々だけど蛇口の水をコップに注ぐと、
水草みたいに髪を揺らめかせにやっと笑う彼女がいる。


東京には濁った ....
雨をひらいて いくつもの声のその中へ
飛び込んでいければいいと思った
軒下からしたたる雫が はねて、
とりとめない心に降りかかる
泣いているの、とたずねる人の
声がしたような気がして
振り ....
クリスマスローズ (慰め)


クリスマスなんて大嫌いと吐き捨てる

君の傷跡が透けて見えそうな夜

瘡蓋の上に貼りつけただけの棘に

僕が金色の星を灯してもいいかな

 ....
今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね

私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
冬の女王がローブを翻すと 雪は地に口付ける

棺に眠る秋を抱擁する腕は 冷たく

眠りは永遠のように凍り付いてしまう

その腕は 剣のように鋭利な 痛みを持って

空から降るいつかの春 ....
スイートピー (門出)


予感の種は忘れた頃に発芽して

思いがけない場所に花を咲かせる

淡い花びらのような羽を広げた

君を笑顔で見送れるだろうか





スノー ....
夕暮れが迫っていた
そして女は急いでいた
夜ノ森が始まってしまう、まもなく
日が沈む、まだ田園地帯から出られない

カラスがダーツのように空を飛び
夕日のど真ん中へ突き刺さる
雲は水面を ....
ひとり夜を歩く
頭上には
ペガススの天窓

自分の足音が
なぜかしら胸に迫る
何を思えばいい
何を どう思えばいい

道は暗くしずかに続いている
心をどこに置けばいい
心をどこに ....
 
ウィスキーの
琥珀色の
その向こうに
浮かぶ世界を見ていた

一瞬の絵のように
今日の一日が
そこにあったのだ

ちびちびと飲む

ぴちぴちと
魚が跳 ....
ウメ (忠実)


天神様の細道で大事な人を

繋ぎ止めようとしただけなのに

どうしていつまでも付き纏うのか

やたらと匂い過ぎる言葉達よ




スイセン ( ....
駆けて来る
駆けて来る
薄氷を割るように
静かなギャロップで
はるかの足並みで


銀のたてがみをひるがえし
地上へと駆けて来る
お前の目の中で火が燃えている
お前が見つめると
 ....
あっと気づいたときには
避けようがなくて
エンドルフィン働いてくれたのか
やっと死ねるのかなだなんて
奇妙な喜びに背筋ぞくぞくしたのだけど
むりやり右折してきたクルマに衝突した瞬間
 ....
そこに
風の道はなかったけれど
風を運ぶものはあった
見えない軌跡を引きながら
きみの空中ブランコが接近してくる
渦まく風のすべり台では
空のクリオネたちが目をまわしていた
宙を満たして ....
プリムラ (永続する愛)


朝が生まれるように君の名を呼び

風が踊るように君と手をつなぎ

雨が語るように君を想い続け

星が黙るように君を抱き寄せた


 ....
天性の間の悪さで 
お土産のケーキを買いそびれたまま 
友達の住む秩父まで着いてしまったので 
仲通り商店街をきょろきょろ 
見回しながら歩く 

古い売店の前に 
ぶら下がる 
1本 ....
押し潰されそうなほど青い空
人混みを掻き分けて取り込んだO2

変化し続ける鱗雲と
味気ない駅前の広告

しゃがれ声で歌うストリートミュージシャンは
かつての少年が憧れた姿

ダイブ ....
エリカ(孤独)


哀しみの根は地面を食い縛り

おまえはヒースの真っ只中で動けない

切りつける寒風は情け容赦なく

おまえの溜息だけが薄っすらと紅い



 ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
なだらかな曲線を描いて
時間が蛇行している
本当は
霧状のものなのに

浮揚している
空虚な意識を投げ込んで

思考は楕円形のひもの上を回り続け
輝きを薄めていく



   ....
朝ひらく回転扉通り抜け
    落ち葉の夕べ振り向くデジャヴ


吐息にてくもる心に口付ける
    あいまいすべてガラス越しの日


今すぐに会いたい気持ち放つ午後
    エレベ ....
あなたが
折り鶴になった

折り紙セットの中に
たった一枚、封入された
金色を選んで

目を覚ますとあなたはすでに
きれいに折られていて
羽を広げてやると
テーブルの上で
くるく ....
 
夜空を歩いてたら
サンタクロースに会った

そのことを君におしえたくて
さがしたけれども
みつからない
君ははじめからこの世界に
いなかった気がしてくるのだから
不思議なものだ
 ....
夏空の下揺れる陽炎の中
紅いキンギョ草がほころんで
微かな風にゆらゆらと踊り
入道雲が天を昇る昼下がり

一陣の熱風が吹き付けて
街路樹がいっせいに葉音を奏でて
蝉の声は断末 ....
からまつの暗い林を
どこまでも歩いたような気がする
きゅうに空が明るくなって
その先に白い家があった
それは夏の終わりだったと思う
空へ伸ばしたきみの腕が
ブラウスの袖から露わになって
 ....
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ

開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く

他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
あれが海


生まれたり

奪い去ったりして


やさしくて、こわいね



手を振るよ

さざ波の向こう


あなたが見つけられるように

いつか帰って来られる ....
            081122


メモ用紙に残した
犯罪の証拠
飯は済んだ
風呂に入る
口頭で済ませたはずのことを
記録に残したのが怪しいと
素人探偵は
メモを疑った
疑 ....
普通の夫婦が繰り広げる
かなりみだらな会話
頬を染め聞き入る女中
わたし結婚はしない
お人形の王子がいるから
王子がいれば幸せだから
でもお人形の王子との暮らしは
ちっともみだらじゃない ....
未有花さんのおすすめリスト(6101)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地球の丸さの前に立ったとき- 小原あき自由詩26*08-12-11
展翅された天使の化石標本- 海里自由詩608-12-11
『東京』- 東雲 李 ...自由詩3*08-12-11
雨をひらく- 石瀬琳々自由詩15*08-12-10
花言葉四行詩_<5>- nonya自由詩5*08-12-9
12月- たちばな ...自由詩21*08-12-9
ゆき- 湖月自由詩408-12-6
花言葉四行詩_<4>- nonya自由詩8*08-12-6
「夜ノ森ってどこにあるか知ってる?」と、貴方は悪戯っぽく- 木屋 亞 ...自由詩2*08-12-6
ペガススの天窓- 塔野夏子自由詩6*08-12-5
ウィスキー- 小川 葉自由詩408-12-5
花言葉四行詩_<3>- nonya自由詩9*08-12-4
冬の馬- 石瀬琳々自由詩22*08-12-4
閉ざされたひと- 恋月 ぴ ...携帯写真+ ...18*08-12-3
サーカス- yo-yo自由詩11*08-12-3
花言葉四行詩_<2>- nonya自由詩8*08-12-2
ながもの_- 服部 剛自由詩308-12-1
ダイブマン- 1486 106自由詩5*08-11-30
花言葉四行詩_<1>- nonya自由詩3*08-11-29
ここに魚を- オイタル自由詩6*08-11-29
その瞬間に- 乱太郎自由詩17*08-11-27
ドア- 石瀬琳々短歌4*08-11-26
折り鶴- かいぶつ自由詩108-11-24
プレゼント- 小川 葉自由詩6*08-11-24
夏日の午後- あずみの自由詩3*08-11-24
UFO- yo-yo自由詩14*08-11-24
邂逅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*08-11-23
シオマネキ- 自由詩3*08-11-22
単純な犯罪- あおば自由詩5*08-11-22
お人形- ふるる自由詩308-11-22

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204