真理に辿り着くには
真直ぐ進んで
横に曲がって
上ったり下がったり
時には間違えて
そこで道を確認して
大切なのは
一度には一つのことしか
できないこと
真直ぐ進みながら
....
お婆ちゃんの細い手が
絵葉書に描いた
美味しそうなまあるいピーマン
筆を墨に浸した僕の若い手は
「 いつも ほんわか しています 」
と曲がりくねった字を余白に書いた
お婆ち ....
蒸気機関車は白い煙を吐き
山間に入つて行つた
当初は白煙もにじみ
汽笛も木霊して
ああ あの辺りを喘いで行くな
と安心させたが
程なく それもなりを潜めて
山は静まり返り
もう蒸気 ....
深夜に
マリをつく者がゐる
深いえにしの糸で
操られてゐるかのやうに
マリは闇の奥にのがれていきはしない
人がマリをつき
その手をもう一つの見 ....
雨が降っていたので
花を買わずに
帰ってきました
色が鮮やかだったことだけ
覚えています
雨が降っていたので
コンビニのお弁当を
食べました
ラップを取るときだけ
なぜかわくわく ....
じいちゃん ねだっしょ
ばあちゃん ねだっしょ
とうちゃんも かあちゃんも
はぁ ねでしまったども
りりりりり
りりりりり
まどのそとさ きごえる
んだ ....
猫はどうしているだろうか。
ある晩
ぼうっと星から眺めていると
パラシュートで降っていく猫を見た。
大気の摩擦熱で真っ赤に燃え上がり
シッポをブアっとふくらませて
期待 ....
一・何処までも泳げるだろう
遠くに見える島を目指して泳ぎだした
泳げども辿り着けないその島は
蜃気楼なのだろうか
それでもまだ
辿り着けると信じていた
二・振り返ってはいけない
....
急に寒くなった秋の雨
道の脇に山から下りた
小さな紅葉の葉が
流れてくる
赤や黄色に光沢が施され
艶やかなるも
どこか悲しく重々しい
どこへ流れどこへ溜まるのか
行く末知らぬその姿を
....
海に憧れるやうに
幼い頃から
パンに憧れてきた
男がある
憧れは
日に日にふくらみ
パンのかうばしさは
街筋を流れて止まず
憧れは夢に
夢は幻に
幻 ....
ノクターンそのたくらみに旅をする
まなざし揺れる夜の窓際
ささやきに似た腰つきでつぶやきに
似た足どりでダンスする{ルビ夜=よ}は
ガラス窓くちづけかわす夜の色 ....
秋を彩る木々の中
野鳥の声の閑けさに
癒す心に色染めて
見上げる空に空はなく
紅葉の玉の中にいる
聞こえる音は微かのみ
落ちる紅葉がはらはらと
なびく梢がゆらゆらと
分け行く道に道 ....
今日につながる道は平坦じゃなかった
曲がりくねった道もあり
ぬかるんだ道もあった
黒い雲に隠れて見えない午後も
太陽は必ず裏切らず昇ってきてくれた
夜のジャングルにいた頃 ....
仮面
産まれたての
あの頃に
戻りたくて人は被る
嘘
他人を欺きとおせても
おのれの顔だけは
欺けない
頭蓋骨
そ ....
間もなく思想がまいります。
危険ですので
足元、黄色い線の内側に
心してお下がりください。
どちらが内側で
どちらが外側なのかの判断はお任せします。
ともかく黄色い線の内側に
心して ....
{引用=「幸せの定義」とはなんだろう。
そもそも、「幸せ」とはなんだろう。 }
ママゴトして遊ぶ娘を見て考えた
彼女にとっての幸せはママゴトセットに違いない
切れない包丁とビニール製 ....
* 波の花 *
この旅路は来世への道
涙はいらぬ
微笑と
小さな夢と
持ってゆく
私たちは来世では一つの船に乗る
その先に咲く
波の花
消えて
* 夜の波 *
あ ....
詩人は自分のことを
詩人とは思わない
詩人とは詩人以外の人が
勝手につけた便宜的な呼び名に過ぎない
詩人とは詩人以外の人が
詩を書きたいと願うときの
理想の人間
この世には存在しない ....
母とふたり
ブランコを引きずって歩く
強い陽射しに皮膚は焼かれていく
健康に良いことだ
母は教えてくれた
たくさんの人とすれ違う
みな一様に微笑んでくれる
支柱が肩に食い込んで痛 ....
まだ
手を伸ばしたならば
間に合う
まだ
目を見開いたならば
見える
走れ走れ 風より早く
泳げ泳げ 魚の様に
そこに一粒の星が
光るなら
見えるなら
諦めるにはまだ ....
Act:01 「アロンアルファ」
「どうも、星が墜落したようだ」
声をひそめてそう云った男は、瓦の取れかかった屋根から
落ちてきた。
「君だって墜落してるじゃない」
右手 ....
朝の光がやさしくて
今日という一日が
光で始まることを
わかるうれしさがある
朝の風がやわらかく
活動する一日が
風で始まることを
感じる喜びがある
秋は今
努力の実を結び
....
なだらかな野辺に{ルビ錨=いかり}をおろせば
緑色の秋がふりそそぐ
やわらかな雲の群れを辿れば
まぶたは風にまどろむ
じっとしていなければ
追いつけない季節
木漏れ日を新呼吸し ....
羽抜け鶏は
見かけほどにはこたへてをらず
日を直に浴びられるだけ
血潮に赫いて
田舎道を闊歩する
見よ
いつもは目を皿にして
獲物を追ふ狐が
{ルビ鶏冠=とさか}王の惨たらしい ....
やがて 太陽がいなくなると
星は蛍のように
空を覆いつくして
まるで蛾のように
5本の指を 光に絡ませて
僕は 月や星に 手が届くことが
とてつもなく素晴らしいこと ....
僕の詩は、青い壺の中にある
壺は青く、眠れない。
眠りのためなら
この腕をもぎ取り、
(―さながらレモンのように)
真っ赤に浸してしまいたい。
美味いカクテル 女向 ....
ほうらご覧よ
あんなに見事な
ゆるりゆるりと
銀の鱗を光らせて
水面に映る魚のよう
ゆるりゆるりと
眺めていたら
水の底から
見上げてるのは
こちらのほう
銀の鱗の魚に ....
空がとても高かったので
秋の風が流れる方角に身を委ね
森の中
喧騒の街を忘れさせるその森は
時間が止まっていた
まるで今日のこの日のためにしか
その森は存在しないのではないかと
秋が ....
あなたのもとに
つながっているだろうかと
また海に来てしまった
彼方の水平に
上昇気流の痕跡が偏西風に流れて
波間に姿も映さず高く飛ぶ
渡る鳥、それよりもずっと星のそばで
焼かれる今 ....
眠れない夜に羊を数えてみても
ウール100%のheavenly dreamが訪れる事もなく
二万一千頭位まで行った所で
東の方角に朝焼けの予感が貼り付きはじめる
一日中数えても十万頭にも満 ....
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