穴を掘る
私たちは穴を掘る
深く
硬い地面に埋もれた
季節の輪郭をなぞるように

穴を掘る
私たちは穴を掘る
さらに深く
地中を飛ぶ鳥たちの
淡い心臓に届くように

手紙を拾う ....
文章の欠片が部屋の隅で笑う
僕の脳内で言葉に白髪が生えてきて
杖のない単語がよく転んで痛がってしまう

今日は元旦
「あ」から始める餅つき
「け」「ま」りで祝う祈願成就と健康第一
「 ....
たとえばあなたが
わたしを忘れたとしても
並んで眺めた夕焼けは
ふたりを覚えているだろう

夕日は残る
とある非常口のむこう
あなたが立ち去った後にも
わたしらが消え去った後にも

 ....
瓢箪から駒でなく
駱駝の瘤に乗った一等星
此処は
ソロモンの王冠
もう一度聞く 此処は
十二時の馬車がやって来て
瞼の億で歌い出すもうひとつの物語
此処は
仮面舞踏会の扇
聞 ....
ハックルベリーフィンの冒険譚を捜そう
君の風景といっしょに遊びたいんだもの

風の自転車で空を描こうよ
永久に休みなんて来ないんだから
勝手にやすんでしまえばいいんだ

食べる。寝る。愛 ....
街なかで魚を見かけた
夕暮れの人混みをスイスイとすり抜けて
駅の方角に泳いでいった
海中でもないのに魚が生息しているなんて
奇妙なことだと思ったけれど
通行人は気に留める様子もない
私がこ ....
青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を


まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日


永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け


いくたび ....
 

ビリビリに引き裂いた
力任せに 泣きながら
それでも気が済まなくて
鋏でジョキジョキ切り刻んだ
その切れ端を 徹底的にシャッフルした
元の形などわからないように
二度と思い出さな ....
東京にゴジラが現れたとしても
北の国ではいつものように雪が深々と降る
明日は猛烈な突風も予想されるからと
二日分の食料品を備蓄して下さいと報道されたが
それは遠くアルゼンチン沖のせいなのだ ....
どうか許してほしい
私には言葉しか
あなたに贈るものがない

言葉は無力だから
あなたにふるさとを返してやれない
金色の楽器も見つけてやれない

ただ伝えることができるだけ
「おはよ ....
月曜がしんじゃった
火曜日がしんじゃった
水曜はしんだふり
木曜がしんじゃった
金曜がしんじゃった
土曜日はじごくに堕ちて
日曜はしらんぷり

しんじゃって
しんじゃって
しんじち ....
濃い青空に
舞う枯れ葉

陽光
影をよぎって
歩いて行くのは
今日の私

それを
懐かしむ未来の私の
ここは思い出の中
と思えば
宝石のようにキラキラ
まぶしい

今日 ....
 お伽話



銀河の向こうに君がいた
禁断の実は渦の中
迷い込んだら逃げ出せない
小さな小さな恋のお話しで瞼が閉じて
朝の雫が落ちたとき
ぶらんこに揺れながら笑う君



 ....
沈黙して眠るほかない
鬱積を投げ合う蒼い人語の地穴で
帆軸を極北に向けたまま
難破船のようにふかく朽ちていく


沈黙して眠るほかない
世界の清しい涯てをむなしくも夢みて
 ....
「雨だれ」

幾多も宇宙が膨張しては落ちていく
手のひらに掬えば
昨日の私の涙みたいで
もしかしてこの中にあの時の自分が
小さくなって住んでいるのかも
瞼を閉じて
何度も聴こえてくる
 ....
誰も知らない海でした、(けしてあなたのほかには)


舟は出てゆく
夏の入り江、あなたの瞳の奥を


白い鳥は羽根を休めることなく
空にすべる手紙


返事はいらない、ただひとこ ....
僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟 ....
流民をへて流民にあう
きみは遠い昔の記憶の中の文学少女

すべての物語を読み切れないように
たとえばたった一人の歴史も解析できずに

やはり僕はでくのぼうにもなれない半端者
きみの洗礼を ....
私はこころの中で寝ています
いびきが何度も聴こえてくるのです
私はこころに布団を掛けています
寝返りするたびもう乱れて自分でも恥ずかしい
それでもやはり寝ていたいのです
夢枕がもう手 ....
列車が出る直前
ホームに目をやると
これまで出会った人たちが
一人残らず見送りにきていた
家族や友人は勿論
ほんの短期間関わりのあった人たちや
仲違いをして音信不通になった人たち
亡くな ....
眠れない夜が好き
(二行目は思いつかなかった)
ペットボトルの水を飲み
ソファで何もしないことをしている
新聞で読んだ伝説によると
こんな夜には黒豹が
宝石を探してうろついているそう
カ ....
さよなら自分
こんにちは自分
歌っているのは夕空の下の
いまだあの頃 雁行を見上げながら
誰に向かって いつに向かって
泣いているのはやっぱり自分
忘れられない
忘れないから
そう言い ....
「眠り猫」

眠りたかった
眠り猫のようにまるくなって
幸せな眠りの世界に入りたかった

好きだった
すべてを合わせても足りないぐらい
そのぶん言葉にできなかった


「猫の眼」 ....
世界のどこかで
猫が丸まって眠っている
その背中を撫でてみたとき
自分が誰かわかる気がする
どうしてあんなに
夕焼けが燃えていただろう
どうしてあのとき
泣いたりはしなかったろう
レモ ....
あなたの小指に糸を巻きつけました
赤い色をした糸を
風にふるえて揺れている
その糸の先にわたしの小指


(ねえ きれいでしょう この世界は
 心でしか見えないものがある)


ど ....
貴女の母国の言葉を教えてください
いつまでも話していたいから

貴女の好きな花を教えてください
部屋いっぱいに飾り付けてみたいから

貴女の好きな小径を教えてください
ときどき散歩に誘っ ....
きょうはたのしいお祭りだ
夜の恐ろしさを鎮めた神社へ行くと
本殿へとつづく参道の両脇に
LED提灯が吊るされて
ステテコに腹巻のおじさんや
派手なアロハを着たおにいちゃん、
ポニーテイルの ....
喉を失くした
もう言葉で潤えない
どんな綺麗で優しい言葉でも
空腹を満たすことは出来なくなった

おいでよ
もう誰も信じなくていい
どこからともなく聴こえてくる
もうひとりのわ ....
綿菓子器の真ん中で
砂糖がはじける甘い匂いを
思い出していた

縁日の夜
神社の鳥居の影が作る深い闇は
永遠に私の心の中

御神木の向こうに
ぽっかりと浮かぶ
白い狐面

 ....
蒼い魚が泳いでいたオリオンの川
三つの願いはシリウスへと
今夜も回っています
思い出のメリーゴーランド


どうした兄貴
やけにセンチなフレーズをと茶化してもよいものか
文芸部 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
穴を掘る- オイタル自由詩6*17-1-7
あけまして- 乱太郎自由詩10*17-1-5
夕日のソネット- やまうち ...自由詩217-1-4
夜風に惹かれて- 乱太郎自由詩4*16-12-16
丘を巡る冒険譚- 梅昆布茶自由詩1316-12-8
- やまうち ...自由詩6*16-11-22
飛ぶ鳥を探す日- 石瀬琳々短歌14*16-11-21
パッチワーク- Lucy自由詩18*16-11-19
足跡- 乱太郎自由詩8*16-11-14
ことばあそび- やまうち ...自由詩5*16-11-7
しんじゃった- やまうち ...自由詩316-11-1
秋の日の散歩- Lucy自由詩7*16-10-19
お伽話ほか一篇- 乱太郎自由詩6*16-10-17
薔薇の痛み- 白島真自由詩16*16-10-8
雨だれ他一篇- 乱太郎自由詩8*16-10-6
あいしているの舟- 石瀬琳々自由詩10*16-9-27
当り前- nonya自由詩18*16-9-23
流民- 梅昆布茶自由詩15*16-9-15
私は- 乱太郎自由詩10*16-9-12
流星列車- やまうち ...自由詩316-8-21
夜の国- やまうち ...自由詩2*16-8-19
夕空の下の道- もっぷ自由詩6*16-8-18
猫だった頃- 梅昆布茶自由詩916-7-18
猫背- やまうち ...自由詩6*16-7-18
赤い糸を君に- 石瀬琳々自由詩10*16-6-24
風信びより- 梅昆布茶自由詩916-6-17
祭りの日- atsuchan69自由詩7*16-6-16
渇き- 乱太郎自由詩13*16-6-13
篝火- ガト自由詩7*16-6-10
ハベラス_(四行連詩)- 乱太郎自由詩9*16-6-2

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