1
僕の背中に飛び付くのは止めて下さい
爪痕が残ると彼女が誤解しますので

 2
網戸の天辺を目指して登るのは止めなさい
其処に網戸があるからなんて言わないだろうけど

 3
喉が渇いている訳で ....
七月の雷鳴は
緊張性頭痛の彼方に遠ざかり
かいつまんだ夏の
漂着物だけが胸を塞いでいる

八月の岩壁から
ひ弱な海鳥はまだ飛び立とうとはせず
なまあたたかい波が
何度でも砂浜を嘲笑って ....
蜻蛉が雫に映るとき、
雨の一粒一粒に
空は宿る。
濡れては飛べぬその羽は、
悲哀の純度で透きとおる。


雨の最後の一滴が
蜻蛉の羽に落ちるとき、
無数の空は連なって
ひとつの空を ....
  白い魚を
  この両目に見た
  淡い午後のこと



  そこらじゅうに
  焼きついていたのは
  光だけだった



  水槽のような
  街にきみは泳 ....
  ふみきりよ、ふみきりよ 
  無言で開いて直立する 
  {ルビ縞々=しましま}の柱に付いた 
  夜道を照らす、照明灯よ 

  ショパンの幻影が弾くピアノを
  イヤフォンから聴い ....
何処までも続く涯の無い青空の下に/

何処までも続く涯の無い青空の下に埋もれたまま
彼は独りぼっちで数と戯れていた
無数に飛び交う数字と記号を捕まえては空白を埋めて行き
それが正しいかどうかを確か ....
水のない水槽の中で
ただじっと空を見ていた
泳ぎ方を忘れた魚たちには
青の区別がつかない

水のない水槽の中は
水がない分だけ騒がしい
自分の鱗のはげ落ちる音にすら
耳を塞ぎたくなるほ ....
ずっと前から見つめていた とても大きくて立派な扉
ノックして跳ね返った音に 鮮やかな景色を思い浮かべていた
だけどいつからか知ってしまった 空想の向こう現実の世界
伸ばした手を静かに下ろし ....
水に溶かした
塩化ナトリウム その他の無機塩類
海水と同じ濃さにして
瑠璃スズメダイを泳がせた

枝珊瑚を探しているのか
きらきらと
行き来する 瑠璃色

本当は
君と同じ真っ青な ....
なにやら窓の外がやかましくなった
「今こそ」とか
「ともに」とか誰もが叫んでいるような

ここにしゃがみ込んで久しいし
一見自由そうで実は窮屈な姿勢にも慣れっこ

目を瞑っていれば何が起 ....
朝が来るたびに
まあるいお日さまから
白紙のノートを渡されて
今日を埋めなさいと
笑われる

今日は何も無かった
と書いたものなら
明日なんていらないね
て言われたりして
雨の夜のアスファルトでは
光も熱帯魚みたいに濡れている
迫り来てよぎり過ぎ去り遠退く
赤い、黄色い、無数の鱗が目に入って
濡れるしかなかった視線が水性インクとなって
雨の夜に、明るい ....
蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書

罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止

脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置

胸の奥乾き切って
 ....
淫らに、露出した仮想の小窓には
時と場所の不明な青空と、
見えざる航空機による白い猛毒の軌跡――
ながく留まる筋雲状の航跡が表示されていた

≫いわゆる、薬物や病原菌等の散布。

僕たち ....
雨のむこうから
無造作に青空
緑のつややかな木立の陰から
ほら 少年たちが
幾重にも幾重にも生まれてくるよ
君の髪を肩をすべるように
きらきら きらきら
光たちが降りこぼれるよ

逃 ....
「見て、B-29よ。」

一九四五年のある夏の日、
私の頭上にあるのは夢でも希望でもなく
死神の翼でした。

終戦間近、戦火を免れ長閑さの残る片田舎の少女だった私に
戦闘機の名前など区別 ....
雨は降っているのだが
戸の外には何も聞こえない
雨の音も聞こえない
雨は降っているのだが

雨の音が話し声を吸い込む
雨の音が足音を吸い込む
雨の音が溜息を吸い込む
雨の音が泣き声を吸 ....
井の中の蛙を掌にのせて
珍しそうに眺めながら
「大丈夫だよ」と彼女は
うわのそらでつぶやいた

程好いぬくもりにとろけて
居眠りしていた蛙は
「大丈夫だよ」という言葉を
うっかり「好き ....
ものごころがつく前は
うおごころも
みずごころも
何も分かっていなかった

世界よりも広かった
はだかんぼうの意識

ものごころがついた後は
おんなごころも
したごころも
少 ....
「人口は不明です」

 様々な色の傷痕や
 様々な味の妄想が
 都市を形成しているようです


「面積も不明です」

 小豆粒大〜ピンポン玉大
 三流私大〜夜郎自大
 等身大 ....
仄暗い湖、青銅色の水底から
水面に浮かんだ
満月をつかもうと
水草のようにやわらかく
つるりとした腕を伸ばしている
月曜日の子どもたち

ランプの火影に怯える
動物園のオオカミが
故 ....
忘れるな
私が闇を見つめている時
闇も私を見つめている

どうせなら
光をいっぱいに浴びて生きていきたい
ひまわりのように
太陽を見つめて
これが私の人生だったと
誇らかに叫んで
 ....
裏庭で夏が入道雲を浮かべている
昔ながらの夏だから雲にも貫禄が出てきた
そろそろ伸び過ぎた部分を刈らなくてはならない

夏を見るたび、思い出すことがある

昔はどこも夏しか飼わなかった
 ....
陽は斜めに射して蜜蜂が群れる
垣根には今年も薔薇が咲いた
みんな二人だけのもの
手をつないで小径を駆けてゆく


ぼくたちは (わたしたちは)
村はずれにひとつの廃屋を見つけた
秘密の ....
くちびるに触れるか触れないか
そんな軽妙さがおとなの分別ってやつだから
コミュニケーションの難しさとか真面目に考えてはいけないよ

古きよき時代であれば
裸足では歩けないほど灼熱の砂浜で
 ....
真夜中にとめどもなく
浮かんでいる



多層の意識の吐露



舞台は悲劇と喜劇を目まぐるしく映して



時計の針だけを朝に近づける



虚ろな時間さえ
真実を想って



眠りに誘われ ....
西側の窓から流れ込む水の風が
産毛を心地良く逆撫でしていく
ソファに横たわって目を閉じると
耳元で涼やかに風の水が囁く

Come Together から
Let It Be へ

i ....
ぼくの乗ってる大きな船
生まれたときには乗っていた船
どんな名前のどこの海を
進んでいるのかぼくは知らない
ぼくは芋を剥いている
船底の小部屋で腰を掛けて
芋を剥くのがぼくの仕事

ぼ ....
伝え切れない言葉が
君の瞳から溢れ出した

背中から湧き起こる
熱くて塩辛い波に巻かれて
僕は言葉を手放した

伝え切りたい言葉が
君の口元で閃いた

胸の岸辺を抉られたまま
 ....
                 090719



きみどり
みどり
福神漬けが嫌い
怖いのは唐傘のお化け
愉快なのは鉢巻き
2人で遊んだ思い出
キミドリミドリの思い出を
紙の ....
未有花さんのおすすめリスト(6100)
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風に乗ったチョーク- 遊佐自由詩7*09-7-31
水のない水槽- 三原千尋自由詩23*09-7-30
- 1486 106自由詩3*09-7-30
人工海水- 照留 セ ...自由詩3*09-7-29
線上のひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-7-28
日課- 乱太郎自由詩8*09-7-28
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パノプティコン- atsuchan69自由詩15*09-7-27
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「B-29は頭上を通り過ぎていきました。」〜祖母の記憶- 夏嶋 真 ...自由詩31*09-7-26
雨2ー八木重吉の雨によせてー- ……とあ ...自由詩6*09-7-26
井の中の蛙_未練を知る- nonya自由詩16*09-7-26
ものごころ- nonya自由詩6*09-7-25
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