コンビニへと向かう無花果の坂道は
街灯の灯りがほとんど無いから
月の光が際立って見える

変わらぬ愛に誓いを立てる人
変わってしまった愛を嘆く人
平和な世界に願いを託す人
誰 ....
 夜の底を穿つ水音
 眠れぬ魂のノクターン
 聞いているのは無欲な死人
 潰えた昨日を懐かしむ
 夢路の扉は閉ざされて
 明けない夜の牢獄で
 呻いているのは咎人ばかり


 その頃 ....
日々の繰り返しが
時を止め
時間だけが過ぎてゆく
月曜から金曜は
他人の空間の中に
特別な意識もなく
身を沈めている

小さな場所の中で
自分だけの時が
ほんのわずかだけ動き始める ....
太陽の当たらない裏庭の隅
名前も知らない花が
ひっそりと 咲いていた
「どうせすぐ枯れる」
その時 僕はそう思ったんだ

それから三日後
枯れているのを確かめに行ったのに
花はまだ 枯 ....
星が生まれる場所を探すのだといって
青白い廃墟に続く石畳をただひたすらに歩く男
腕時計は
旅の最初に外して地面に捨てたのだそうだ

夜空は既に
公転することを止めた無数の星
見知らぬ星座 ....
  まだ"野ばらの蔓"通りがレンガ敷きでなく
  拝石教徒が万象夢想論者より幅を利かせていた
  そんなとても古い時代のお話


緑の丘のてっぺんの
ねじねじばなの塔の ....
そこに花がある
名前は知らない
けれども
その花にしかない色がある
それだけあればそれでいい

そこに鳥がいる
名前は知らない
けれども
その鳥にしかない翼がある
それだけあればそ ....
恋が苦しいってことを知らなくて 恋をしたわけじゃないのに

胸を締めつける切ない痛みに耐えられず
どうしていいか解らずに ただ泣くだけの自分

自分を責めたって痛みは消せない
あの人を責め ....
羊水の記憶を辿りたくて
何度も海を呼ぶ

故郷への列車は海も山も知らない

揺れは
胎の記憶
響く音は
血の流れ

唸る、唸る、
私の海

(海にあこがれて南へ出たけれど 。 ....
あなたへ手紙を書こうとする時
暗闇を映した窓に
例文が訪れます

「あなたとは
 もう何も無い」

私は絶対に
そんなことを書きたくはないのです
ありえないほど光に満ちた
未来を思 ....
あの日、僕は光の中にいた
何もかもが眩しくて
光を受けず、光を放っていた
夏の中だったのかもしれない

あの日、僕は光の中にいた
何もかもが輝いていて
光に当たらず、光を照らしていた
 ....
ほころび昇る朝陽に{ルビ誘=いざな}われて
勢いよく走り出す時間につかまって
幸せの鳥に想いを寄せる日々
寄り添う影を追いかけて
白い季節へ手をとり進む

君に会いたい
厳しい季節に咲い ....
黄色に銀杏の葉は染まり
秋の終りの冷たい雨を浴びて
一枚、また、一枚と散っています

月日は流れ香りだけ残し
貴方は遠い場所へと旅立って
私は二度と帰らぬ貴方を待ち続ける
未亡人と化す
 ....
 大口開いた土曜の午後に
 憂鬱を誘う時雨雲
 買い損なった幸福行き切符
 今日もこの星行ったり来たり
 友人達はジャングルジムでかくれんぼ
 雨宿りせし小鳥は幸せ歌う
 響き渡る鳴き声見 ....
     1

漆黒の夜を裂いて、神楽の舞が、
寂びた神社の、仄暗い舞殿で、
しなやかな物腰を上げる。
右手は、鈴の艶やかな音色が、薫る。
あとを追う鳥のように、左手の扇子は、鈴と戯れる。 ....

田園に降りしきる雪を見て
なぜかわからないけれど
昔の思い出がふと脳裏をかすめる

都会の星空は
教科書通りの星数で
オリオン座がはっきりとわかって
本当はたくさんの星があるという ....
それでも無くても
トリーチェの日曜日はいつも特別なのに
今日はレンガの隙間から太陽まで差し込んだ

雨漏りと暖冬のせいか
床に生えた黄色い苔のおかげで
鉛みたいな腰も少しは軽くなったし
 ....
朝から降る小雨が
今にも雪に変わりそう
そんな景色に
今日一日の力を抑えられ
心は閉じてゆく

沈んだ気持ちで
一日が流れてゆく

昼を過ぎた頃
気づけば雨は消えていた
間もなく ....
手袋を脱げばやさしき少女の手





          一九九五年一二月二六日
恋しさにとまどう心シクラメン
    うつむく頬にそっと紅さし


今もなおあの日の夢にくちづける
    クリスマスローズ淡き語らい


冬を恋いうす黄に咲くはわが心
    いつ ....
葉の落ちた木々の向こうで
白い会話が見える
何を話しているのかわからないけれど
その白さで楽しいことが伝わってくる

枯れ草の中でも
子どもたちが白い会話をしている
何を言っているのかわ ....
天井をなめるおばけちゃん
昼間は天井をなめている
四角い天井をまるくなめて
部屋の中のできごとなんてなんにも見ちゃいない
おばけちゃんの舌は腫れあがって
口のなかにはおさまらないから
いつ ....
今日という日が終わり
太陽は地に落ちて
暗い 夜が始まる
冷たくなった空に
白い月が懸かっても
昼の明るさには
敵わない

赤ん坊は泣きながら眠りにつく
母親は優しくあやしてやる
 ....
記憶の ぬくもりが
朝のラインに 並びます
いくつかは やわらかく はじらい
いくつかは つめたく ゆるされて

/濡れた空に 水の旗が ゆるやかに たなびいています/



それで ....
  五月の青い闇の中
  私はか細い少年になり
  夢の迷路へ踏み入った


  白いうなじに風を受け
  はだしの足で土を蹴り
  煙る街灯はすに見て
  ネオン流れる色街へ

 ....
冬の青空を
鳥が飛んでゆく
まっすぐに
きりっとした冬の翼で
空を切ってゆく

何もない空の一瞬の変化が
大地への躍動を与え
その羽ばたきは
心の波となり
生に響きを与える

 ....
もういーかい
まぁだだよ

もういーかい
まぁだだよ

もういーかい
もういーよ

鬼が探し始めた
子供たちは息を潜めた
だだだだーっ 走ってる音
がさごそ 何か探ってる音
 ....
 詩とはそもそも預言の性質を持っていると、
私は考えている。過去をさぐって、未来に役
立てるのが歴史とすれば、詩とはもっと漠然
としたものを、実証に基づかずに、さらに言
えば、無責任に ....
寒いのは嫌いだって、
冬になると毎日、恨めしそうに空を見上げる。
曇りがちな12月。
街中にはクリスマスの音楽が溢れていて、
何がそんなに楽しいの?
よく判らない。


冬の陽は暮 ....
この街にまだ雪は降らない
灰鼠色の空は浅い冬のまま
恋人たちの吐息や
ブランコを揺らす手に護られている


わたしの何処か深くにある黒いものや
寒い、と寂しい、が似ていること
それに気 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
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