わたしは夜を求める
濃紺の空と赤い星を求める

きみは夜を求める
藍の雲としろい月色を求める

ふたりが求めた夜の中で
風見鶏は廻ってゆく
流れ着く先を知らず
また
愛情、の何かも ....
覚えたての年号を羅列して
自慢げにわらう少女は
昨日みた星のいろを
まるきり覚えていないという

羽根がほしい
羽根がほしい

微風がきせつを連れてきて
合図なんかいらない
気まぐ ....
綺麗な貝殻
波に攫われてしまう前に
拾いに出かけなくちゃ

奪われていく世界では
上昇志向の生き物だけが残っていくみたい
それ以外はどこへ放棄されていくの?
嫌いたいなら話し ....
わたしって
よく道をたずねられる
どこかやさしげにみえるのかな
近藤さんの朗読した「夕焼け」って作品大好きで
繰り返し読んだりしたけど
登場する娘さんのように
「やさしい心の持ち主」なんか ....
お気に入りの毛糸のベストが
母が赤いいちごを編み込んだベストが
もう入らなくなってしまったと気付いた十二の春

すこし悲しいと思ったのは
自分が大きくなってしまったからなのか
ベストが小さ ....
茫漠と空
暗闇 満ちて

ガラス片を散らした 星々
月明かり 銀の細い線
その腕を伸ばし

木々の枝
関節は節くれだち
月から伸びた銀線
冬枯れの枝に接点を求めて
その成長に揺れ ....
眠り屋さんは
眠りの入った小箱を持って
二匹の猫とやってくる

猫の鈴が ちりんと鳴る

箱の蓋が かたりと動く

眠りの箱
いいにおいのする小さな秘密

わたしが以前 買った箱 ....
夕影がひたひた伸びて心ぼそい
    手の鳴るほうへ手の鳴る{ルビ方=かた}へ


最後まで残るこわさに二人して
    遊びなかばで遁げるたそがれ


終わらない遊戯にも似る夕暮は
 ....
マーブル模様の夜空に
月は失くしたペンダントのように沈んで

私は飛べる場所を探していた
行き交う人々の流れに揺られて

転がる石の中の
格子から手を伸ばす私
オレンジ色の街灯の光を吸 ....
最初はマジで嫌だった
スタッフのひと替えてもらいたかったけど
お気に入りのお店だったし
いつものひと不幸があって急に休んだらしいし
どうにでもなれって心境だった

助手のひとがわたしの好み ....
聞かせてよ
その声で
彗星がぶつかってきても
身を寄せあって


兎が月に埋めてくれたのは
僕が渡した雨の素
ゆっくりと溶けて
月を覆っていくんだよ


薬指に ....
  木もれ陽を少し切り取って
  フローリングの上にそっと並べた
  緑色のきらめきが心に滲んで
  手のひらに新しい血が通う



  表面的な話をしよう
  未だ触れてさえ ....
白衣のドクターが言った

「おじいちゃんは もう 家での生活は 無理でしょう」


それは 去年の夏だった

まとわりつく空気が ベタベタとしていた

蝉の声が 当たり前に うる ....
肩を叩かれて振り返ると
孤独が立っていました
なにか用かと聞くと
なにも言わずに
後ろを向いて座りました
そこでわたしも孤独の隣に腰をおろしました

しばらくすると
雨音がやってきまし ....
ほろほろと
風もないのに落ちてくる
きいろいなみだの
しずく

たおれた青草には霜
子どもはハアッと息を吐き
(みて、しろいよ)
目を丸くする

掃いても掃いても尽きることはない
 ....
きんとした
爽やかな空気が
空を大地を満たして

あの路地を折れた
静かな小道は丘へとつづく

ひっそりと冬枯れを始めた
雑草の生い茂る細い道

つる草の茶色に枯れた茎が垂れ下がり ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている

あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
 ....
病気になると みんな
入院すると思ってる

ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
ここに来させていただいて、
1年が過ぎました。

多くの方々の詩を読ませていただけたこと、
そして、多くの方々に私などの詩を読んでいただけたこと、
こころより感謝しています。

 ....
空は そっと倒れこみそうだ
深い雲がみえて

時は静かに止まってしまい

庭先に灰は降りて
やわらかな綿毛が吹き寄せて
湿った窪みに時を
ゆっくり積み重ねている

凍るように
音 ....
都会に住みはじめ一番変わったのは
靴が汚れなくなったこと
母に駅まで長靴持ってきてと頼んだのは
実家に帰った際の笑い話しとなったし
でこぼこ道に足をとられることもなくなった

色とりどりに ....
螺旋状に渦巻く蝶の群れ
一切の{ルビ躊躇=とまど}いも無く舞い上がる
空に蜜があるかのように

呼吸を止めた
雨垂れが石を{ルビ穿=うが}つように
ゆっくりと呼吸を止めた
景 ....
モノクロの…という言葉が
夢の中での出来事の暗喩だと
生まれて随分経ってから知らされた
そういえば、あの歌詞もそんな感じだった

だけど、僕の夢はオールカラーだ
そうして僕は切り出した
 ....
冷たい風が吹く夜には
つめたい星空が空を照らしている

烏たちが飛んでいく夕暮れは
茜色の夢へ消えていった
最後の群が散らばったとき
彼方の空へ
一筋の光が消えていった
いなくなってい ....
夜の始まりは
もうそこまで来ている
この夕刻の佇まいに

街よ 街よ
幾千人の人が

整備された
君の歩道を歩む時

街路の樹木も色づき
寂しげに 落ち葉も 舞う
この風に
 ....
おはよう と言うよりも先に
十二歳になったよ と
報告をする朝
きみはまだ翼の下
生まれてきて良かった? の問いに
素直に微笑む
きみのまだ知らない
悲しみと苦しみ 
平坦な道のりを願 ....
踊るクレヨン。

薄っぺらいやみを
のたうち回るクレヨン

頭はばくはつし、炎をもやし
うすよごれた体には
雷のさきっちょが落っこちて、
まっさかさまに
突き刺さっている

その ....
まるでひとつの季節が終わるように
僕は死んだので
周りの誰もがそのことに
気がつかなかった

僕だって少し前から
予想はしていたものの
実際にははっきりと
自覚している訳ではなかった
 ....
うずまきうずまきぐるぐる巻いて
いつか解けなくなるといい
いつかひとつになるといい


木枯らしが吹いて淋しさが増すのは何故だろう
乾ききった落ち葉を踏むと靴がカシャカシャと音を鳴らす
 ....
起きたら天井に在るはずの照明が
ベッドのすぐ隣にあって私を照らしていた

余りに眩しいので消してやろうとスイッチを
一生懸命 手探りで探したけれど
いつもあるはずの場所にはなぜか
暖かい風 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜のさかな- 銀猫自由詩23*07-11-25
羽根のない日- アオゾラ ...自由詩807-11-25
「ポロン」- 菊尾自由詩2*07-11-25
手の鳴る方へ- 恋月 ぴ ...自由詩30*07-11-24
赤いいちごのベスト- 佐々宝砂自由詩1007-11-24
ガラスの輝きの夜- アハウ自由詩3*07-11-23
眠り- 自由詩307-11-23
たそがれ- 石瀬琳々短歌13*07-11-22
飛行訓練- 自由詩307-11-21
わたしたちの空- 恋月 ぴ ...自由詩22*07-11-20
「パステル・カラー」- 菊尾自由詩3*07-11-20
- 草野春心自由詩407-11-20
「おじいちゃんは_もう_家での生活は_無理でしょう」- 准々自由詩407-11-19
孤独とわたし- よしおか ...自由詩11+*07-11-19
創書日和「指」_銀杏- 北野つづ ...自由詩4*07-11-19
快晴で- アハウ自由詩5*07-11-19
百年樹- LEO自由詩25*07-11-18
入院- たちばな ...自由詩32*07-11-18
- わら未詩・独白26+*07-11-18
見上げれば曇天- アハウ自由詩407-11-17
ドアの向う側- 恋月 ぴ ...自由詩27*07-11-16
「蝶葬」- 菊尾自由詩107-11-16
モノクロ- 智哉自由詩207-11-16
オリオン座- 白昼夢自由詩2*07-11-16
初冬の街- アハウ自由詩9*07-11-15
十二歳- 北野つづ ...自由詩12*07-11-15
あの_鶏- 鴎田あき自由詩7*07-11-15
本日- 松本 涼自由詩607-11-14
うずまきうずまき冬の恋- 榊 慧自由詩507-11-14
別世界_あなざーでぃめんしょん①- 相良ゆう自由詩107-11-14

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