晴れているのはしあわせ
雨が降るのはふしあわせ
傘を差すのはしあわせ
目が乾くのはふしあわせ

日曜はしあわせ
月曜はふしあわせ
出会うのはしあわせ
知らないことはふしあわせ

い ....
『嘘のひかり』

空のデニールが濃くなる
傷口のような月は黄色い
JKは皆つまらなそうだし
母親は皆物憂げ
睡眠薬の夢が覚めたら
街に溜まるしずく

夜露ってどこから来たの?
どこ ....
 ふたば

冬の午後
水に挿した豆苗を見ていた
光を食べたその植物は
飛べない二枚の羽を
明日へ広げる


 さよなら

星はどこへ還るのだろう
色あせていく夜空
朝の襲来
 ....
アタシに初めて薔薇が咲いたのは
十二歳の冬の日だった
ひとつ、ふたつとこぼれ落ちる
目が痛くなるような赤い薔薇
そのことをママに告げると
彼女は「やあねぇ」と眉をひそめた
それは悪い魔女の ....
歩き煙草に咳き込んだ
不機嫌そうな顔こちらを見る
目を逸らした自分が間違っているのか

転んだ痛みに呟いた
それはただの独り言
差し伸べてくれる手を伸ばす
期待はいつも裏切られる

 ....
癒して 月
トカゲのしっぽ
電車に轢かれて
切れちゃった

血も涙も
出ない切り口から
コルクが伸びて
油断したあいつのハート
からめとる
好意と憎悪を織り交ぜながら
交わす唾液 ....
思い違いをしているのではないか

君は寝床に身を横たえているのではなく
もういつの時代に作られたのかも
さだかではない古い古い風呂桶の中に
身ぐるみ剥がされたままの素裸で
(しかも生温い蒟 ....
忘れていたことを
ある日ぽっかりと思い出す

潮が引いた砂地で
貝が静かに息をしているでしょう
見ればそこかしこで
生きていることを伝える
そんな穴が開き始めて
私の足裏とつながる
 ....
十二月の本を静かにひらく
革表紙を少し湿らせて
窓の外には雨が降っている
雫が滴り落ちる またひとつずつ
わたしの頬にこぼれた涙 どこかで流したはずの涙
向こう側にすこしずつ落ちて
波紋を ....
墓所

朝な夕な花を捧げる、
深紅の薔薇ではなく、
白い百合を。

ただひとつだけ、
海に背を向けたその墓。
没年は百年前かあるいは二百年前か、
墓石の文字は薄れて読めない。

 ....
この石の中では
絶えず雨が降っている

そう言って一粒の小石を
娘の手のひらに載せた
その人は叔父だった
いつでも青いマントを着ていた

血の繋がりはないけれど
とある出来事があって ....
 
母音がうつむいて部屋に籠る
空はもう投げ出された孤児となる
白い鴉の群れ

消費期限の過ぎた救命用具の欠伸が聴こえる
LP盤のレコードが針を探して
書きかけのままの日記帳

   ....
陽射しの下に
人が集まって
笑いが起きる

日々の小さなグルーヴを
ありがたく思う

そんな大げさな話ではないけれど

たとえば
心無いものと出会って
戦士は剣を抜き

心優 ....
後何日かなと考えていたら
悲しくなっていくよね
僕の命
そして生まれてくる命も必ずあって
輪廻転生も捨てたものじゃないと思えば
この世界はいつも忙しい
ここはひとつ何もかも忘れて
詩 ....
やがて知ることにだろう 
わたしの真実


毒の入った林檎をいくつもしまっておいて
いつ胸の奥から取り出そうか
考えることはそのことばかりになってきた

沈黙の呪文がひしひしと忍び寄る ....
冬の城明け渡すとき水中で愛を交わしてウンディーネのように


雨そして夢から醒めた余白には君のではない愛の降りしきる


君の目に春を捧げる、遠い日に誰かに焦がれ散りし花びら


海 ....
猫と月は
もともとおさななじみなのに
とおく離れてしまって
それでも
月の胸に猫の痣があるように
猫の瞳に月がいる

ぼくがおきているあいだは
そっぽ向いてるのに
眠りにつくころ
 ....
わたしの波長は沈む陽に重なり合って
ポチの波長は雑踏の音を消す

あなたの波長は銀河の渦から生まれ
冬の波長は生まれいづる幹の芽

わたしの波長はノイズのようで
あなたは綺麗 ....
ちいさく頷きながら君が去ってゆく夢を見た
現実はそう変わらなくてなにもたくらみは仕掛けられてはいない

年老いた少女はいつも夢の花をアレンジメントしているのだろう
丘の上の孤独な愚か者はさらに ....
猫がちひさくねてゐる
がらんとしたひる下がり

友だちの本棚に
一冊きり のこされてゐた
うすい詩集をひらく

表紙は白 何もかかれてゐない

一ページ目
「私 ....
信者が姿を消した
あんなに何かを祈っていたのに
礼拝堂はもぬけの殻
村の人たちは捜索を始めた
くもり空の下
くだものの飴と傘をたずさえ
情報はなにひとつない
あっぱれな行方のくらまし
 ....
りーりー
りりり と
鳴いている

耳を澄ますと
少しずつ違う音色で
合奏している

パソコンの中から
聞こえるようで

二階の窓から
見てみると
明るい夜空に
透明な羽根 ....
ふたりが離れてゆくときは
理由はなにも言わなくていい

ただ一冊の青い本を
ふたりの間に置けばいい

ページをめくれば顔を出すだろう
散歩していた黒猫や
わずかな値段で売られたスズメ
 ....
うちの猫はもうすぐ十二歳になる
この二、三年 もう駄目だと思う時が
何度もあったので
いつ死んでも不思議ではないだろう
祖母は施設にいるが、もう九十五歳で
いつ知らせが来てもおかしくない
 ....
 夏の日差しが音を立てて崩れてゆく。
 音楽は鳴り続けていた。
 誰かの後ろに隠れているのは誰?
 曇天は私の心模様に似ている。

 誰かの奏でる音楽に耳を澄ませていた。
 時折見せる ....
音もなく
夕暮れがやって来る

偽物の
月が出ている

熱いコーヒーが
冷めているのは
誰かがこっそり
取り代えたから

トランプのカードが
入れ代わるように

駅のホーム ....
明滅する光
影を作りだしては消す
サーカスという点滅

ね、サーカス
象のカラフルな背に乗り
地平線から浮かび上がったその高さ
夕暮れが近い

飼い慣らされた虎が吠えて
震えて踊る ....
田舎の
海辺の町は

夏だけ賑わうことの証に
朽ちた郷愁を見せる

古びた町並みは
時代に忘れ去られ

潮風にさらされて
風化した屋根が
陽炎のように歪む

人も少ない真っ青 ....
紫色した小さな幸せ
どこにでも咲いている可憐な幸せ
嫉妬に狂わされるのは
あなたが娘のように可愛過ぎたから

花びらがいくつも咲いて
あなたはブーケとなるでしょう
すみれは
 ....
風の行方を知らないままで、


君は風を探している
風は君の唇にさえ宿っているというのに
それとも、それはどこか見知らぬ世界の風で


光がここに射してくる
草の穂の襞にも
僕の心 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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夕闇- 1486 106自由詩1218-2-3
月光- マリア・ ...自由詩318-1-3
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すみれ- 乱太郎自由詩7*17-7-22
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