水深五千メートルの深海
あたしの心は沈んだまま
光の届かないそこを
闊歩する。

太陽光の届かないそこでは
光合成を
できなくなった植物が
みどり色するのを
やめた。  ....
(夢を見た)


ひた、ひた、ひた、
静かな輪を描いて波紋が幾重にも広がる
光だけが生きているように満ちて来る
ひた、ひた、ひた、
夜の岸辺に足先を濡らして
何ものかが生まれるのを見て ....
夏も終わって秋が忍び寄っている夜
北の方角で爆弾の炸裂する音がした
花火の季節はとうに終わっている
また爆弾の音
今度は南の方角で起こった
私たち狙われているのかしら
女が震え声で ....
0.97m前方
秒速0,7m
不規則な回転運動
ほぼ(237, 26, 61)
不完全すぎる球体
強化シリコーンの指
捕捉完了

擬似眼球スコープ
サブウィンドウON
アナライ ....
書き出しの言葉は、思いつかないから前略。

今年の東京は春が来るのが早いよ。
本当の冬は来ないままだから、故郷の二月、思い出してたところ。



−20℃、ダイヤモンドダストを肺に吸い込む日、 ....
オメエ、死ぬのかい
――だったらよう、
せめて逝く前に鮨食おうぜ
肝っ玉据えて、俺と鮨食えよ

粋な麻暖簾くぐってさ
どうぞ勝手に席へ就いちまいな
捌いたネタと酢飯の匂い、
舎利の温( ....
昼下がりの陽射しが
雪のじゅうたんをめくって
春をたたきおこす


小さな飾り気のない
窓の外では
ゆきんこたちが
まだ
ぺちゃくちゃ
おしゃべりしている

それでも
待 ....
あのひとから乞われた訳じゃない
成り行きでと言えばそんな感じだった
奥さんよりも私を選んでくれた
そんな幼い優越感が無かったといえば嘘になる

幸せだった頃に家族で訪れた事があると話していた ....
大きなバッタ

小さなバッタ

みんな前へ前へと

跳ねたり飛んだり



負けていられるかと

人は彼らの後を追う

枯野を

一方向への大移動

虫にな ....
<余分三邪鬼>




脂肪


最後に君と食べたネギ塩カルビ
泣きながら飲み干した生ビール(大)
美味しくも哀しい想い出の数々が
僕の内臓にぴったり寄り添って離れない
鏡を見 ....
ミモザの下でキミを待つ、キミを待つ。

雨は銀灰
傘を打つ音、なる、なる、なる。

ちりちり りりり  燃える線香花火。
さわさわ さわわ  ざわめく拍手。
ぽんぽろ ぽろろん  ....
  ★

 紅葉した山の宿舎を出ると 頭上を雁が渡った。その哀しげな声は、澄みきった大気にしみ透り、何人をも、氷水を口にしたときの気分にさせる。 
 私はボストンバッグを足元に置き、雁 ....
 少女は生まれつき目が見えなかった。そのかわりに耳がとてもよく、例えば村中の猫たちの鳴き声を聞き分けることもできた。

毎年春先になると村には薔薇鳥がやって来たといううわさが飛び交い、若者たちはそ ....
僕が生まれた小さな町では
毎日が大停電の夜だった

プロレス中継がツーカウントで
中断してしまうことは
日常茶飯事だったし
髪が乾かぬうちに
ドライヤーの熱風が
消沈してしまうのを理由 ....
              000126



チャシャーキャット
教えておくれ
緑の子猫は
どこにいる

あの油絵の向こう側に
君の描いたクロッキーが
歩いているだろう
あの ....
<付喪神 (つくもがみ) 三体>




どこか


ここではないどこかへ
自分探しの旅に出た君が
改札口をすり抜ける頃には
自分は自宅で留守番している
ここではないどこかで
 ....
ピサの斜塔を見てから

頭の中が傾いてしまって

たえず修正しようとする意識が働いている

倒れない限り

傾けば傾くほどいいらしい



小説もしかり

詩も ....
           (乱太郎)

この空は
海の青

この海は
空の青

見えない鏡で映し出す
決して重なることのない肉体

 ....
「夜に星は輝く」って あの娘は俺に言うけど
おそらく俺には 見えやしない
呆れるくらい まばゆい空に
ピンクの星が またたいてる
あの娘がくれた星座盤
寄り添う2つの星は
手垢にまみれて  ....
夢の中で私たちは
幾度もくちづけを交わした
あなたの唇はいつも濡れていて
舌を入れると海の味がした
まるで水中深く落ちてゆく
立ち昇る泡が遠く遠く輪を描いて
はるかな岸辺へと


夢 ....
 いつかこんな日が
 来ればいいと思っていた

 待っていたよ
 二人が結婚したいと
 言ってくれる日を


随分とお転婆で
跳ねっ返りの娘が
いつしかおしとやかになり
君を連れ ....
{引用=

ぼくたちの鳥は、預けられたまま
誰もいない部屋の
つめたい鳥かごのなかで
ひくい声でうたっている
透明なガラス瓶と花
傾いたテーブルは沈黙で伴奏し
薄いカーテンから秋の日が ....
冷たくなってく星の輝き
流れる命を忘れないで
今は見えないミルキー・ウェイ
結ばれる二人を待っている

熱い渦巻き 誕生の時
始まりは突然に
産声は音もなくこだまして

ぼくの胸は震 ....
何故かあのひともそうだった


年上の素敵な奥様がいて
それなりに幸せな家庭を築いていた
そしてそんな男の軽い浮気心に惚れてしまう女がひとり

初めて出逢ったのは真冬に逆戻りしたような夜 ....
 
バスが終点に近づくと
乗客はわたしたち家族以外に
誰一人いなかった
息子が車内をみまわして
どうしてみんな座らないの、と
終点に着くまで
そんな不思議なことを
言い続けていた

 ....
一。

 トカゲの日には皮を被る。皮は前の晩から窓際に吊し風を通し、皺を伸ばしておく。ただの革ならまだしもこの皮は生きた皮なので、扱いにはいつも神経を使う。一度ヒト ....
オハヨウが
晴れやかに言えてますか

アリガトウが
滑らかに言えてますか

笑い方が
相変わらず下手ですね

奥歯が
痛いのかと思いました

コンニチワが
軽やかに言えて ....
水玉模様の細い首輪を嵌めた
羊みたいな純白の犬を従えて
リードを手に黒縁のレイバンが座る、
ゆらゆらと木漏れ日の蠢くベンチ

――お姉ちゃん、犬が好きか?

ああ、こいつビンゴっていう名 ....
 終わり

やがて
空が蒸発する

  僕は無機質になる


やがて
風が風化する

  僕の最後の灯し火を消す

終わりの時は
最初から始まっている

  僕は知らな ....
地球の地軸と同じ傾きで
ターンしよう

左手でインド洋を
撫でて

右手で北極熊を
持ち上げて

焼けた砂漠を裸足で歩くように
ステップしよう

左足で死海を
またいで
 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
深海闊歩- 百瀬朝子自由詩6*09-2-25
夜の鳥- 石瀬琳々自由詩8*09-2-25
晩鐘- 杉菜 晃自由詩7*09-2-24
電気鼠の夢なんか見ない- nonya自由詩8*09-2-24
雪の手紙- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...10+*09-2-24
逝く前に、鮨だ!_★- atsuchan69自由詩15*09-2-23
まもなく- 乱太郎自由詩15*09-2-23
らっかするひと- 恋月 ぴ ...自由詩23*09-2-22
どぼーん- 杉菜 晃自由詩3*09-2-21
百鬼詩拾遺_<2>- nonya自由詩9*09-2-20
ミモザの下でキミを待つ- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...8*09-2-20
_雁- 杉菜 晃自由詩4*09-2-20
薔薇鳥- ふるる散文(批評 ...6*09-2-20
大停電の夜に- かいぶつ自由詩6+09-2-19
緑の子猫- あおば自由詩4*09-2-18
百鬼詩拾遺_<1>- nonya自由詩5*09-2-18
斜塔- 杉菜 晃自由詩4*09-2-18
千年の孤独______月夜見+花猫+乱太郎_三連詩- 乱太郎自由詩8*09-2-18
ネオン- 井上とん ...自由詩2*09-2-18
私たちは夢の中で- 石瀬琳々自由詩10*09-2-18
良き日- 青い風自由詩13*09-2-17
オルゴール- るか自由詩7*09-2-17
『ハリーのしっぽ』- 東雲 李 ...自由詩2*09-2-16
螺旋のひと- 恋月 ぴ ...自由詩29*09-2-15
light_the_light- 小川 葉自由詩6*09-2-15
「_トカゲの日。_」- PULL.自由詩7*09-2-11
レッスン- nonya自由詩11*09-2-11
温み- atsuchan69自由詩11*09-2-10
終わり- 乱太郎自由詩15*09-2-10
ダンス- nonya自由詩10*09-2-9

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