年の瀬になると、人さらいがやってくる。寒くなって
きて、その年を振り返って、いろいろあった年を、あ
るいは何もなかった年を、何となく思い出している時
に、みんなが忙しくなって、着ぶくれした身体を ....
 
貴女の舌をください
と頼んだ
清々しい朝の匂いのする舌だった
僕は衣類を脱ぎ捨て
土中のもぐらになって暮らしはじめた
熟成した
ありがとうの肩越しに
平坦な
おはようとおやすみの隙間から

垣間見える結び目

熟練した
ごめんなさいの背中に
平熱の
いってきますとただいまの文字間から

透 ....
暗闇の中

無限に続いている動く歩道がある
歩道だけが薄く 薄く照らされている

右、暗闇
左、暗闇

時折 巨木や巨石が
左右に生えては消える
時折 川面や海原が
左右に流 ....
水をお飲みなさい

彼女は言った
黄昏の重い扉の手前に立って
指先をしっかり伸ばして
振り返りながら

水をお飲みなさい
と 彼女は言った
この町は
たっぷりの水が流れていく町だ ....
もう雷鳴しか聞こえない

僕は人混みの中で父親も母親も
兄弟も忘れてしまった

誰かの煙草の火が手に触れたときだけ少し
故郷のススキのザワメキを思い出したり
している
雑踏は温かくて ....
そういうことだったんだ

気付くことがある


ものごとは複雑に絡み合っていて
原因があって結果がある
そしてその結果が今度は原因となって
新たな出来事を誘発する

「無間地獄」 ....

言葉を追いかける
僕は椅子に腰かけ 瞑目して
その思いは 頭の中で 駆け足をしている
言葉は闇に走る 七色の光の筋
僕に誘いかけてくる さあ 捕まえてみなさい と

そんなことは し ....
あの日、かれらはこの線路のうえを
電車に乗って去っていった
あの日から線路は
瓦礫におおわれ、寸断したまま
川をわたった橋梁はながされ、レールは宙にういてねじ曲がり
枕木はあとかたもなくきえ ....
白い粉雪が下りてきて
語りかける君からの言づけ
星の数より多くて
願い星が一瞬瞬いたのさえ
逃してしまった

君はいつも大事な事を
僕には伝えない
笑ってごまかして
掌の温もりだ ....
{画像=111225214607.jpg}
淡雪に似ている
さよならのカタチ
静かに
ただ降るだけで
積もらない
積もらせてみたってしょうがない
そんな淡雪

忘れなよ

吹雪 ....
{画像=111223231202.jpg}


第一章 夢に見る夢の覚め方 / 目覚める夢


目覚める夢を見たことありますか?

ふぅっと首を上げて気が付くと
目を開ければ車窓の外 ....
こわがりさんに教えてあげよう
どんなに強く引っぱったって
うさぎの耳は取れたりしない
お星が空からこぼれぬように

ビニルのかばんにボートを入れて
雲母の国まで遊びに行こう
あんまり笑い ....
ね・・、きれいでしょう・・・。


踊り子は楽屋のソファに胡坐をかくように両膝をたてて
物憂い女陰をひろげて見せた
ラッパのふくちゃんは太鼓腹をきゅうくつそうに折りた
たんでひたいに汗を滲 ....
 
笑みを絶やさずにいよう

しずむあなたの灯台となるために

ずっと絶やさずにいよう



 
誰もが幸せであることを望み
それに見合うだけの不幸せを我が身に背負う

故に生きることは辛く

苦しい




ふと目覚めれば凜として未明の寒さ厳しく
曖昧では済まされないこと ....
{画像=120510131253.jpg}

あ、
見上げた夜空に
流れ星が落ちていく
急いで願いごとを
心に描こうとしたら
瞬く間に消えていってしまった

ああ、
なんと儚い
 ....
詩は素

素敵と言わせたくて
素っ気ない素振りで
言葉をまさぐる


詩は素

素直じゃないから
素知らぬ素振りで
言葉をこねくる


詩は素

素顔に辿り着けない ....
マーマレードの空瓶に挿した
残り物のクレソンに
小さな蕾がついたと
わざわざ見せにくる君

これから何年経っても
君の世界に吹く風は
遊歩道のささやかな花を香らせ
名も知らぬ草を撫 ....
オトダケ:実体の見えない茸。不協和音を発する。

ムラサキモ:高貴な紫色の集まり。眼鏡を通して見える。

ヤタラトッキ:夜になると音を発する。

クダラカンノン:珍しく黄金色を呈する。 ....
{画像=111213231931.jpg}

{画像=111213232228.jpg}


からっぽな心 / 一日の始まりに駅のホームで


からっぽな心は何で量ればいいのか
朝日 ....
わたしだって一生懸命走っているのに
なんか自分だけ後ろへひっぱられてる感覚に囚われてしまって

一緒に走ろうねって誓った友達の背中が
だんだんと小さく小さくなってゆく




はじ ....
君がいくつもの言葉を
ひとつの親指で
文字で刻んでいく頃
僕のいくつもの淋しさが
ひとつの羽となって
冬の凍った湖に帰って行く

鳴いているかい
僕が人差し指でなぞった
吐息混じ ....
十年も使い込んだ御飯茶碗を
呆気なく割られてしまった翌日
雑貨屋の食器売場の谷底を
額に不機嫌なしわを寄せながら
這いずり回っていた

掌と肘と腕に違和感を伝えない
丸みと厚みと高さ ....
{画像=111208224010.jpg}


今更ながらに想うのだが


もう一度自分を
バラバラに分解して
細かいパーツの
ひとつひとつに分け
そのひとつひとつを
見分け分類 ....
こころさえ、雲を光を追い越してひるがえる風みずいろをよぶ


雨はやく言葉を奪い流れゆくたどる指先このうすみどり


風だけがよんでいる道二人ぼっち朽葉いろした秘密かぞえる


頬杖 ....
ぼくの電卓は、
太陽電池ではないのだけれど、
計算式を入れると、
しばらく考えて、
いっしょうけんめい考えて、
ときどき、
ほんのときどき、
計算を間違える。


でも、そんなとき ....
針葉樹が生い茂る
森の奥深く
みづうみがあった
風もなく
濃緑(こみどり)をたたえた湖面は

同時に
境界


そこに映る景色は
さかさま
あたかも
そこに
もうひとつ ....
空いっぱいの夕やけを見たいとHが言う


 寒くない?
 うーん、だいじょうぶ。
 今日はあったかいし絶好の夕やけ日和よ。
 どこがいい?
 うーん、
 海がすぐちかくにあって、川の流 ....
足が痛む時
私は足の存在を感じる
手が痛む時
私は手の存在をみつめる
心臓が痛む時
私は心臓の在処を想う
痛む時は
普段忘れているものたちを
思い出させる
誰かからの電気信号なのかも ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
人さらいがやってくる- 岡部淳太 ...自由詩711-12-31
女神- 乱太郎自由詩14*11-12-29
きずな- nonya自由詩19*11-12-28
暗闇の中- Seia自由詩611-12-28
水の町の女にさようならを言われる- オイタル自由詩1411-12-27
遠雷- 津久井駒 ...自由詩811-12-26
通りすがりのひと- 恋月 ぴ ...自由詩32*11-12-26
なないろの言葉- まーつん自由詩15*11-12-25
あの日- 寅午自由詩811-12-24
イブ- 乱太郎自由詩12*11-12-24
さよならのカタチ- そらの珊 ...自由詩8*11-12-24
お伽話_/_夢のまた夢- beebee自由詩17*11-12-23
キャヴェンディッシュの子守唄- salco自由詩14*11-12-21
あの日のマリアへ_2011- たま自由詩30*11-12-21
笑みを- 殿上 童自由詩30*11-12-20
春を待つひと- 恋月 ぴ ...自由詩2811-12-19
【_流れ星_】- 泡沫恋歌自由詩14*11-12-19
詩は素- nonya自由詩24*11-12-18
君の世界の風下で- nonya自由詩24*11-12-15
空想植物誌- 高濱自由詩511-12-14
からっぽな心_/_一日の始まりに駅のホームで- beebee自由詩23+*11-12-13
気付かされたひと- 恋月 ぴ ...自由詩25*11-12-12
文字- 乱太郎自由詩17*11-12-10
愛着- nonya自由詩16*11-12-10
それは新しくて滑らかな赤い絹目のリネンなのだが- beebee自由詩2711-12-8
Colors- 石瀬琳々短歌7*11-12-8
ときどき計算を間違える電卓- はだいろ自由詩711-12-7
みづうみ- そらの珊 ...自由詩10*11-12-7
午後の詩集- たま自由詩31+*11-12-6
痛む時- そらの珊 ...自由詩12*11-12-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204