目覚めれば記憶の波から押し寄せるからと
まぶたには花びらのような匂い立つ手が
幾重にも重なりあって 私の瞳は閉ざされる
脳髄の薄皮を玉ねぎを擦って剥ぐように 
捲ってはならない
球 ....
昨夜ブランコを聴いた公園に
再び立ち寄ったら
子供たちの笑い声がした

見ると
遊具も砂場もない
公園の中心で
小学生くらいの子が三人
はしゃいでた

青っぽい砂の地面 ....
<カレンダ・メッセージ>
十一か月前に
落書きしたのは
十二月のカレンダの裏へ

何と書いたか
思い出せずに
痛痒の中で
きみと過ごす一年の終わり。








 ....
あいだに ある フェンスに
ひとすじ
つる が 絡み付き
夕にしか咲かない花を
咲かせている

僕は 動かない
動かないまま 君を見ている
動かないまま見ることが
いつのまにか ....
庭の片隅で子供がじゃんけん
勝った手で円を描く
ここはぼくの陣地

庭の柿の木に
猫が爪痕つける
ここはワタシの陣地

庭木にさした蜜柑
メジロを追い払ってヒヨドリがつつく
こ ....
私のバラバラ死体が
見つかった

右腕は質屋に
売り飛ばされて
父の腕時計をしていた

切断された下半身の両脚は
駅で発見された
見つかるのが遅かったらしく
腐乱し ....
土産店で買った小鳥のおもちゃは
出来は良くないものの軽快に飛びそうに思えました

不器用ではありますが羽ばたいたのです
ただ天をさしてではなく

いまは誰かが踏んづけたのかもしれませんが
 ....
民俗学者折口信夫が唱えた学説は「折口学」と呼ばれますが、わたしはその折口学の信奉者なのです。

といってもその信奉の歴史はごく浅くて、わたしが折口学と出逢ったのは二年ほど前のことでした。それは折口 ....
{画像=140712005301.jpg}





あれは5月の終わり
小学生のぼくは
一人で仲間から離れ
体育館の横の鉄棒の側の
紅いダリアに見入っていた



転がり ....
こころの透明な日に海がやってくる
あてどもない迷いに逢いにやってくるのだろうか

迎えるすべをしらない私はとおい砂浜で貝を観察したり
でも思い出に似た貝殻をさがしてみる

光沢を失った風景 ....
詩のしくみについて

まず、詩と、死のちがいについて。
息苦しくなる。妙に胸が痛くなる。そうして間もなく心肺停止状態に陥り死ぬ。理由はさほど問題ではない。心不全ということで一切が丸く収まる。保険 ....
街の喧騒に負けないように
大きな声で叫びつづけた
まわりが大急ぎで進んで行くから
似合わない早足で歩きつづけた


聞き流してきた やさしいささやき
見過ごしてきた かわいい野の花
 ....

街に
高い塔
塔がある
 塔の中に
  階段があ
   る長い長
    い螺旋階
      段が塔と
       一緒に伸
        びていた
    ....
とろけてくバニラアイスを舐めながら二人の汗で汚した畳


泡立てたボディーソープの隙間から膨らむ熱を包んで{ルビ扱=しご}いて


飲めぬ酒無理して飲んで寄りかかり「はやく襲って」なんて囁 ....
{画像=140706133117.jpg}




フリーという言葉に何を思い浮かべますか?


海月(くらげ)?


海面に写る月の影のように
ゆらゆら揺れて
掴もうとする ....
お線香をひとつつまんで
おばちゃん ごめんねと
ぼくはいった
ごめんね

あら いたるちゃん よくきたね
おまえはしんでからだと
よくおいでになるね
いきているうちは 何か不都合でもあ ....
  1 ベランダのアマガエル あるいは セミ

人工石に囲まれた中空にひらひら揺れる緑色の片鱗が
さまざまな生き物の宿る大木の小枝に見えたのか
ベランダに並んだ化学合成陶器に盛られた疑似土に
 ....
独身中
    家と家の間の狭い庭に居着いたアマガエル一匹
    今年も紫陽花の葉に上にあらわれた 

眼 さましたか
やせたな

ひとりか
女房はどうした
子ども ....
生きるたたずまい
気配だけではない
所作もふくめたその人の
生活感の座り具合とでもよぼうか

こころにはかたちがない
言い換えれば生きるエネルギーが
そのまま立ち居振る舞いとなって
表 ....
七月の波止で
新月のような魚を釣るひとたち
豆アジの季節だ
いつ
どこで
魚のかたちに孵化したのか
釣り人はそれを知らない
月のように丸くなるは秋のおわり
一掴みのアジになる

今 ....
日常の時間という縦糸と
家族と付き合いの横糸
そこに堆く積まれている
それぞれの人生
ちょっとした布のほころびに
突然落下しそうになった君

何年ぶりだろうか
いや、三五年ぶりに手を繋 ....
冷蔵庫に賞味期限切れの
ちくわが一本残っていた
二日しか過ぎていない
まだ大丈夫だろうと
丸かじりする

食べながら
ちくわの穴と対峙する
もしかしたら……
別世界が見えるかも知れな ....
恋人を飼ってる
虫かごで飼ってる

無理やり押し込んでしまったからか
すこし
下を向いて落ち込んでいる
体育座りをして

時々かごから出して
部屋の中を飛ばせていると
何度も
 ....
公園の散歩道で
不意に
蝉の合唱に包まれる

ぼんやり
考えていて
身体にバリアーができて
今まで蝉たちの声を遮っていたのか

木々を見上げる
どの枝で鳴いているのか
蝉は見つか ....
朝は晴れ晴れと
色とりどりの花の中歩く
季節六月、紫陽花の花

朝は晴れ晴れと
君を見て花の中を歩く
季節六月、紫陽花の花

言葉を交わす余裕なく
六月晴れ渡る梅雨入り前
紫陽花の ....
しんしんと夜の降り積もる
時計の針をすすめているものは
いったいなんなのだろうか

森深く一角獣のみる夢が
遠く聴こえる気がする
こんな夜にふさわしい響き

一角獣が問う
あなたの角 ....
    コンパス

―家でコンパスを使って円を描く練習をさせて下さい―
先生から届いたメール

 さあ、早速コンパスを使ってみよう!
 こうして物差しで半径の長さを測ったら
 紙に針を刺 ....
旭山動物園 シロクマ兄弟 




なあアニキ 
ちょっと脅してやろうじゃないか

 おれは面倒だ 勝手にやりな

じゃあ 見みててくれ 
あのこども脅してやっから
 
 白 ....
鳥のくせに空が飛べないなんて
と言われても

空を飛ぶのは結構大変なんだ
 体重減とか
 筋力増強とか
だから大型肉食獣の居ないところ
餌のたっぷりあるところにいた鳥
たとえばダチ ....
緑の葉先から一滴の雫が零れた
一滴の雫は私の腕に落ち壊れた
壊れないままの雫は葉先で揺れ
ぶら下がり地面に落ちて壊れた


私は頭上に雫になって落ちよう
雫のまま壊れず頭上に留まろう
 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
デリート、デリート、デリート、- 為平 澪自由詩4*14-7-19
4秒でいち- 凍月自由詩5*14-7-19
不等号記号_など四篇- クナリ自由詩9*14-7-19
踊らん_哉- フユナ自由詩714-7-18
陣取り- イナエ自由詩7*14-7-17
バラバラ死体- 為平 澪自由詩114-7-16
小鳥- 梅昆布茶自由詩1314-7-16
続・詩のしくみについて_(折口信夫とわたしの因果関係を妄想す ...- たま散文(批評 ...16*14-7-16
想い出__/__ゴム鞠毬は暗がりを跳ねて落ちて- beebee自由詩24*14-7-12
- 梅昆布茶自由詩1914-7-11
詩のしくみについて- たま散文(批評 ...11*14-7-10
風に吹かれて- 藤原絵理 ...自由詩814-7-9
螺旋階段_1- 凍月自由詩8*14-7-9
官能短歌_1- 時子短歌5*14-7-6
フリーでありたい_/_手段こそが望ましい- beebee自由詩28*14-7-6
おばちゃんごめんねとぼくは言った- オイタル自由詩5*14-7-5
アマガエル- イナエ自由詩8*14-7-5
アマガエルー独身中- イナエ自由詩10+*14-7-4
風景- 梅昆布茶自由詩1114-7-3
文月の詩- たま自由詩14*14-7-3
もうひとつの「夕暮れの病院」- ……とあ ...自由詩9*14-7-3
【_ちくわ_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-7-3
虫かご- Seia自由詩314-7-2
気づく- 殿岡秀秋自由詩514-7-1
五年前の紫陽花の花は- ……とあ ...自由詩16*14-6-30
しんしんと夜- 梅昆布茶自由詩1814-6-30
コンパス- 夏美かを ...自由詩37*14-6-30
シロクマ兄弟_−旭山動物園ー- イナエ自由詩10*14-6-29
ペンギンー旭山動物園ー- イナエ自由詩6*14-6-28
雫の夢・・・- tamami自由詩1014-6-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204