何を探していたのだろう
散り積もった日々の
瓦礫の中より
それはひとときの温もり
顧みることさえ叶わずに
北風にさらわれてしまった
あなたとの思い出
ことばなんてくだらない一葉に
思い ....
部屋のキャンドルライトが
グラスをほのかに照らす
あとは二人が一緒にいれば
今夜は言葉はいらない
外の星空の光が
時間をかすかに止める
今は二人が一緒にいれば
今夜は言葉はいらない
....
秋の静けさに
少しいらだつ。
冷たい風に
買った冷たいコーラ。
同化するコーラを見て
少しいらだつ。
落ち着いた秋に
反抗したかった
静かな秋に
半そで半ズボン
まだ夏が染み付 ....
サンタになる
と 義父が言ったのは 六十歳になったあたり
子供の頃からの夢だと言い
衣装をそろえ 駄菓子を買い込み
白い布など用意したので
義母は 義父用に衣装をつめたり
白い袋にした ....
クリスマス・イヴという日は
みんながモノと思い出を探す日
何がほしい?
何を買ってあげようか?
どんな夜を過ごそうか?
特別な日
モノを想い
人を想い
時を想う
その年に起き ....
ただただ悪戯に時は通り過ぎて
いつも独りおいてけぼり
ひたすら我慢の月日
クリスマスのトキメキも
今の僕には隣町の祭り
自信なんて泡のようで
気がついたら消え去ってる
....
僕がまだ小学生だった頃。
父と母は毎日の様に喧嘩をしていた。
母は父の稼ぎの少なさを貶し。
父は病弱で働きに出れない母の不甲斐なさを責めた。
『お父さんとお母さん離婚するかも知れない。 ....
蒼い海峡の水面に、座礁した街がゆれる。
煌々と月に照らされて。
わたしが走るように過ぎた感傷的な浜辺が、
次々と隠されてゆき、
閉ざされた記憶の壁が、満潮の波に溶けて、
どよめいては、消えて ....
{引用=ポエム問題集 100作を記念して}
それは
感性を磨くために
技術を向上させるために
何人を制限することなく
万人のために
誕生した
心に感情がある限り
道は果てしなく ....
山があって
雲があって
夢がある
僕がいて
君がいて
夢がある
空があって
星があって
夢がある
僕が生きて
君が生きて
夢がふくらむ
とても単純なこと
とて ....
三月になると風が吹く
春の女神はすたすたとやってきて
荒野に隠れているものを見つけては
小さなろうそく握らせ火を付けて
外へと誘っているのが見える
たしかに
春はすべての成長を ....
妹よ
お前にはいつも迷惑をかけてきたな
幼い頃はいじめてばかり
思春期にはぐれたお前を無視し
大人になっても返すあてのないお金を借りたり
兄らしいことは何一つしてなかったのに
....
その手紙には
「ムーミン谷の近くから見送ります」
と
書かれていた
さよならのつもりは無かった
けれどあなたは駅には来なかった
わたしは
ぺしゃんこになった
まだ雪の残る街を出て
雪 ....
時は人に
偶然から必然を見つけ出し
破壊と建設を繰り返しながら
内容を形式へと変換させ
現実は理想を創り出す
同時にまた
現象と本質を見分けさせ
演繹と帰納を繰り返しながら
具体を ....
夕焼けを背負い
黄昏に影を映して
今日を振り返らず
明日を思う事も無く
時に早足で
時に立ち止まり
ふと見上げると
涙が滲むのを知る
何を失ったか
何を拾ったか
時が背中を ....
にがい涙を飲んで
つらい言葉を口にした
そんな日は、
?おやすみなさい?
両の睫毛を閉ざし
なにもかも忘れて
やわらかい場所に
からだをあずけて
{ルビ梯子 ....
宝くじに当たったよ。
3億円ゲットしました。
僕の生涯賃金を一瞬で凌駕してしまいました。
今までの苦労はなんだったのでしょう。
昼も夜も休み無く働いていたのはなんだったのでしょう。
慢性 ....
午前二時
ブラウン管の海は大荒れ
漕ぎ手のいない舟は進んでいく
水平線の彼方に光る不知火
Is it a dream?
午前四時
ブラウン管の砂漠は砂嵐
駱 ....
靴紐を踏んで転んでしまった
消毒液が擦り傷に染み込んだ
もう二度と転んでしまわないように
靴紐を固く結び直した
赤い糸が誤解で解けてしまった
生身の言葉が心に染み込んだ
も ....
ピセラン ポエリア 鳥の歌
あたしが夢の扉を叩けば
ピセランポエリアが 眠りのはじっこを
嘴でついばんで そのままぐんぐん飛んでいく
ピセラン ポエリア 鳥の歌
....
薄い光に包まれた
午後のひととき{ルビ徒=いたずら}に
静かに時が流れゆく
聞こえるものは冬の風
低い雲間に光差す
午後のひととき晴れやかに
静かに鳥が流れゆく
聞こえるものは冬の風 ....
鉢にペチュニアの種をまきました
とても とても 小さな粒で
「大丈夫かしら」と心配なくらいで
でも
僕にはどうすることもできないのです
僕が種をまかなかったら
けして咲くこ ....
背中に冬を担いで
もう、破裂しそうな神経を抱えて
ここまで来た道のりを振りかえる時
時を告げる鳥が飛来する
まっすぐに放つ生命の熱
白く空間に溶けていく
傷つくことを怖れて
....
時々いろんなものが
ただの無意味なカラーに見えるけど
なんだか新しい虹みたいで
それもきれいだからいいと思う
悲しくなった時に流す涙って
頬を伝ったり
ボロボロと化粧を落と ....
誰かを嫌いと想うことは
仕方のないこと
けれども
誰かに嫌いと言うことは
勇気がいること
責任がいること
相手を本当に想うこと
絆ができていること
関係を続けようとすること
何よりも ....
今日もまた
あなたのいない夜が来て
私の裸体に
常夜灯が点々と灯ります
あなたの吹きかける息だけが
ランプの中で揺れている
赤い炎を消すことが
できるのです
一つ一つ
あなた ....
その石は (いまも)
波動になりひとをこえて (化石の音が)
木々の梢をこえて (あなたの)
遠くの、水蒸気をゆらす (耳の奥 ....
仕事帰りの夜道
北風{ルビ凍=し}みる首筋をマフラーで{ルビ庇=かば}いながら
それらが遠くに光っているのを見ると
何故か吸い寄せられ
いつのまに
ペットボトルの並ぶ
窓の前に立 ....
我が家にはじいやがいる
じいやの名前は長谷川という
『長谷川のこと』
長谷川は今年で82になる
大正の殆ど終わりに産まれて
人生の殆どは昭和に飲み込まれ
青春の殆どを戦争に ....
名前を知らない人にとっては
五つの星にすぎないけれど
カシオペヤは輝いている
名前を知らない人にとっては
七つの星にすぎないけれど
北斗七星は輝いている
そして中心で輝 ....
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