螺旋階段を下りて行った
ぐるぐる
ねじれる記憶を
拾ってきたの
遠いこだわりを
大事そうに抱えて
あなたは私を指さして
「あなたが私を傷つけた」という
そうだったかしら
身に覚えがな ....
土踏まずの深い足裏で
たわわに熟した葡萄を踏みつぶす
たちどころに
赤紫の液体が
{ルビ箍=たが}で締められた
大きなたらいの中でほとばしる
秋の森は
少年と少女の息遣いで色づき
どこ ....
春の日に散ってしまいましょう
貴方を思い出すことも出来なくなってしまっ た

幻影の中飛び交う妖精 美しい思い出は駆け巡ってゆく
咲き乱れる花 旋律は艶やかに

誰かの唇と重なる ....
女の子どうしで指をつなぐのもあの子とならば特別な意味 南から風

そのあと

風が空を押し上げて
秋の空が高くなる

その高い空の下
     山は赤く
     地は黄金(こがね)
     輝く色のグラデぇーション
実りの時を触 ....
風あるだけの風景に
一つ案山子がありまして
さびしく村の賑わいを
じっと眺める日日でした

風あるだけかと思ってた
そこに居たのはお陽さまで
一つ詮無く立ちんぼの
案山子に影をあげまし ....
地階の
寡黙な土踏まずから
4階の
華やかな脾臓まで
動脈としてのエレベーターは
人と花束と高揚を
送り届けた

6階の
冷徹な口角から
1階の
大らかなアキレス腱まで
静 ....
あなたが弾く鍵盤からは
詩が聞こえてきます
ピアノ色の言葉が
楽譜から飛び出して
わたしの耳元でささやくのです

あなたの詩は
私にとっては水の流れ
水色の言葉は
静寂で濁った悲 ....
ショルダーバッグに仕込んだ
高性能の小型カメラは
寝惚けた雨空しか写さないから
今日もメタファーを掴み損ねた

観葉植物の鉢に隠した
最新式の盗聴器は
ふざけたノイズしか拾わないから ....
あの朝 若い担任は 粗暴で担任泣かせの君が書いたという「ひとりぼっちのクリスマス」を校長に見せた。感動した校長は涙ぐみ集会で紹介していた。だが この話には君ではない原作者がいた。
母子家庭の少なくな ....
十月、黄昏
やさしい人の涙を僕は知らない
誰か呼んでいる (猫の仔のようにか細く)
振り向けば街をすり抜けいつかの風が吹く
頬に触れる、あのなつかしい指先で


   がまぶしくて目を閉 ....
 ブランコ


息を吸って
息を吐いて
息を吸って
息を吐く
いつも意識の片隅で
緊張している
生きるために

前脚を出して
後ろ足を出して
前脚を出して
後ろ足を出す
 ....
私はずっと犬が飼いたかったのだけれど
今でも犬の散歩などをみると
羨望の眼差しで見てしまうのだけれど
いつも家には猫が居た

だいたい野良猫がそのまま居ついて
或る日ふといなくなったり
 ....
通り過ぎた町の窓をあけてゆく

すでに知っている町なのに

待ち遠しかった


通り過ぎてしまってから

言いわすれた言葉をくちにする

すでに知っていた言葉なのかもしれない ....
夜になると
バーバは魔法使いになる
紙の扉は
たちまち昼の成りを潜めて
世界を映し出す
銀幕になる

指でこさえた狐が
首輪を失くした犬と出会い
なんのためらいもなく
おしゃべりを ....
 紅茶を淹れましょう
 薔薇のなかで ひとりきり

 温もり消えた ティーカップ
 冷めた紅茶は捨てましょう

 あなたがつくった 白いテーブル
 固いイスさえ 愛おしい

 主のい ....
 
 「好きな娘」
漢字を造った人は
女ぎらいか ロリコンだったか
女の子と娘のほかは
 妖 妨 嫌 姑 㛏 娭…
どれもこれも うざい字だ


  「結 ....
赤が
私の内側を流れる赤が
情動をまとった哀しみと孤独が
今日も私の全体に行き亘る

赤は
私の内側を流れる赤は

などと

恰好つけて書いてはみるものの
詩人と呼ばれたい私 ....
茜に染まる細いあぜ道を
どこまでも歩いていく
猫じゃらし草一本揺らし
ぽつりと影は長く伸びゆく

赤い赤い彼岸花は
黒いレース縁取られて
いくついくつさようならを
焼き付けまた歩いてい ....
消えた夏の色はメロンソーダ
あれは遠いとおいむかし日ざかりの庭で
風もなく揺らいだ瞳のなかの碧
バルコニーへ運ばれたグラスを透かして
チェリーの沈んだ泡立つ海へと
白い帆に秋の風をうけて走る ....
絶えず
一定の方向にだけ
エネルギーを集中し

間断なく
成長あるいは変容し続ける
モノやコトや
言い表せない何か

そんな奴等に
ヒトという間抜けな動物は
いつも
驚愕さ ....
早朝 
寝ぼけ顔で庭に降り
如雨露を取りに飛び石伝いにゆけば
いきなり顔面を覆う蜘蛛の糸

悲鳴こそ上げなかったものの
粘っこく絡みつく網に息を止め
指を立て取り払ても 
容易には剥が ....
サラサラと嘲りながら
指の隙間から
零れ落ちていったのは
砂で出来ているのを
忘れかけていた
いくつもの季節と朝焼け

パタパタと蔑みながら
手のひらから
飛び立っていったのは
 ....
雛菊をみていた
毛氈のような緑に
ところどころ陽に照り映えてある白

海をおもいだしていた
流木の漂白された肌が
曇天に無色をそえる

時間の重さをはかる
手のひらの中の一握りの ....
長い間育った母の胎内から
外にでいたあなたの前には
無限の白紙が広がり
あなたの人生が始まりました

あなたを記した最初の文字は
  二〇一三年 誕生  男 
  血液型 A型 RH+
 ....
遠く
離れたままで
聴こえない
聴くことのできない
あまりにも
薄くのばされた夜
わたしたちは
南回りでまたたいている

天球儀は
魚眼レンズに切り取られ
森の陰影に
ふりがな ....
平凡な沿線のこの街に
夕暮れが密度を増してゆく一刻

零れ落ちそうに客をのせて電車がレールを軋ませ
商店街は夕餉の想いに満たされて

帰ってくるあるいは帰ってこない主人を待つ願いも時間が経 ....
秋のまん中で
道に迷って
帰り道

自転車の形をした風に
追い越され
背中の向こうがわが
透けてゆく


ぽつぽつ と
散らばってゆく人影が
視えない帰路へと続く轍の上で
ぐ ....
描くことができない白

書くことができない白

語ることができない白

ただ観ることしか許されない白

白と呼ばれることすら拒絶する

月の光の指先

月の光の吐息

 ....
緑の丘をのぼる

ゆっくりと歩をすすめると
きらきらと葉擦れのおとがまぶしい

きみのスモックが風をはらんでふくらんでいる
慌ただしいいきかたはしなくていいんだもう定員さ

ぼくたちは ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
螺旋階段- Lucy自由詩14*13-11-2
葡萄酒- そらの珊 ...自由詩20*13-11-1
「幻影」_- 夜月 こ ...自由詩313-10-31
指をつなぐ- 佐野まこ短歌313-10-31
あきから- ……とあ ...自由詩14*13-10-29
案山子- もっぷ自由詩413-10-27
エレベーター- nonya自由詩28*13-10-26
あなたからの贈り物- 乱太郎自由詩1613-10-24
探偵- nonya自由詩20*13-10-23
Kよ…- イナエ自由詩9*13-10-23
十月、黄昏- 石瀬琳々自由詩7*13-10-23
北の亡者/Again_2013神無月- たま自由詩33*13-10-23
猫のあたま- 灰泥軽茶自由詩2013-10-22
通り過ぎる窓- 梅昆布茶自由詩20*13-10-22
幻燈- そらの珊 ...自由詩1213-10-22
紅茶- 瑠依自由詩313-10-20
観字雑想・抄- イナエ自由詩15*13-10-19
私の赤- nonya自由詩17*13-10-19
茜のあぜ道を- フゥ自由詩3*13-10-17
メロンソーダ- atsuchan69自由詩9*13-10-17
蔓延る- nonya自由詩19*13-10-16
ジョロウグモ- イナエ自由詩9*13-10-13
無力- nonya自由詩20*13-10-12
時間の重さ- 梅昆布茶自由詩1913-10-10
命名- イナエ自由詩12*13-10-7
秋の耳- 佐東自由詩1213-10-7
沿線暮色- 梅昆布茶自由詩1913-10-7
帰り道- 佐東自由詩713-10-6
月下美人- nonya自由詩21*13-10-6
きままに- 梅昆布茶自由詩1313-10-5

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