そのヘッドフォンは
わがままな存在と言われながらも
誰からの耳も貸さなかった
自分に流れてくる音楽に酔いしれ
他人には一切聴かせることはさせずに
自分だけの世界に閉じこもっていた
誰よりも ....
夜の畑の前にふと立つ
まだ種しか植えられていない
土だけの畑
奥の方まで目を凝らしてみても
どこまでが畑で
どこからが空なのか
何の区別もない
ただ真っ暗な風景しかない
けれども畑は命 ....
砕けてしまうようだった
日々も
今は 底深く静まり
さざなみ立つ 水面から
ぽかりと 顔を出して

冷たく 青く
日々は 静まり

空は からっぽに
ただ 遠く 高く

静かな ....
誰かが
ここに 置いていった
ひとつの
いびつな石

それが
ただの私です
いしょうけんめいな
毎日なのに
ただ 坂道を
かわいた音たてて
ころがっているばかりで

ただの私 ....
あの日はきっと春だったと思う
部屋に置かれた
アジアンタムの葉がそよいでいた
近くのスピーカーからは
小鳥のさえずる声をバックにした
ピアノ協奏曲が流れていた
窓から差し込む光が
やさし ....
喉が渇いたので 
駅のホームのキオスクで買った 
「苺ミルク」の蓋にストローを差し 
口に{ルビ銜=くわ}えて吸っていると 

隣に座る 
野球帽にジャージ姿のおじさんが 
じぃ〜っとこ ....
遠い記憶の片隅に
桜の花が咲き誇り
淡く染めゆくその色に
時の流れを知りつつも
時の流れの哀れさも
歳を重ねて見えてくる
はかなきものは美しく
美しきものは泡となり
消えゆくものは夢と ....
石鹸は邪悪な念を持ち始めた
毎日のように汚いものに接しているうちに
その心が侵されてしまったのだ
穢れがなければ自分の存在はない
穢れとともに生きてゆくことに
生きがいをもつようになった
 ....
冬の夜見上げる空の夢の種
一つ一つが眩く光る

春の朝道の片隅夢の芽に
新たな時の始まり想う

初夏の日に空に伸びゆく夢の枝
遠い山まで連なる姿

夏の海入道雲の夢の葉が
繁る姿に ....
どんよりとした午後
気だるくジャズを聴きながら
ふと コーヒー・ミル引く手を休めると
ポツポツと出窓を鳴らして合図する
気まぐれな訪問者がやってくる

いつのまにか
部屋にながれるジャム ....
残された心は
たとえば
音楽の中に
ただよっている

たとえば
風景のように
遠く 
かすんでいる

たとえば
言葉の行く先を
ぼんやりと
指し示している

残された心は ....
その木はぬくもりの森の中にあった
根を深く下ろし
広く伸ばして
太陽の光で守られていた
その木から放たれる力は
周りの生き物の命に
安らぎへのメロディーになった
その歌を耳にするものは
 ....
咲き初めし頃より花を想ひ
春のゆくへを知りつつ
時を愛づる心はまさに無常の心なり
花は目にて見るにあらず
心にて見るものなり
花のみに限らず
人とてまた同じ

花の咲く時を知り
とも ....
女の子にだってね ロマンはあるのよ
とっても恥ずかしいから 口にしないだけで
絶対に教えてなんかあげないわ
探せるものなら 探してみなさいな
見事 みつけられたら ご褒美あげる

貴方はい ....
あれから
いくつ春を
数えたかしら
わたしの中に眠るあなたは
春ごとに目覚める


黒と白の斑尾模様の猫が
出迎えてくれた細い路地
人の気配が消え
静まり返った石畳
入り組んだ奥 ....
これは誰かのためではなく
レコードの向こうで膝を抱える
あなたのために作った歌

世界中の人が幸せでも
あなたの涙が乾かないなら
少しも満たされることはないよ
もう一度あの笑 ....
生まれた時から
ぼくには父親がいなかった
母からは
父は遠いところで仕事をしている
としか言われていなかったが
ぼくは父の写真を一度も見たことがない
子どもの頃
母に連れられて
どこか ....
二日遅れのホワイトデーの
白いリボンを髪にのせて
ふわりと回ってみせる君は
大きくなったら
メイドになりたい
という

人様に奉仕したいとは
見あげた心がけだ

解釈は準備してお ....
春の朝ようやく見えぬ霜柱
緩むは時と心の中も

春の陽の照らす大地の暖かさ
{ルビ温=ぬく}むは土と心の中も

春の道見せ合う初の制服に
歩むは足と心の中も

春の風少し強くは吹くけ ....
泣きたくなるほど 別れ の匂いをのせた風、が
すべてを その 色に 染めました

その 匂いを感じるようになったのは いつ からでしょうか


泣きたくなるほど 別れ の匂いをのせた風、が ....
スパンコール散りばめたような
ビロードの夜

見上げればぽっかり浮かぶ
上弦の月


こんな夜は
お月さま たて琴にして
静かな森の湖に
音色をそっとながしましょう

銀の小舟 ....
 安らぎのソファー
 キミとのお喋りはメロディアス
 枯れることをしらない泉のように
 ほとばしり噴出する言葉のオーケストラ
 キミの香りとキミの言葉とキミの感触と
 感じるキミの温もり
 ....
小さな声が聞こえる

春だね
春だね

うれしいね
うれしいね

君たちに会えて
私もうれしい
ジャージは恋をしていた
一目見たそのときから
そのサッカーボールにときめいた
本当は光沢のある白と黒の
単純な色をした丸い球体だけれど
大勢の人から蹴られて
その傷口からは土が染み込み
 ....
まちがえることを
素直におそれた日々は
だれかのきれいな蝶々結びに
たやすく揺られる花だった

あの草原で
かぜを追いかけてゆくことに
不思議はどれほど
あっただろう


 ....
春の色に月やあかきと問ふ人の
かざしにせばや八重桜花



あらし吹く春ならずともこぼるるは
恋のこころの花とこそ知れ



仮初の夜にも似たるかいささくら
 ....
どうして人は空を飛べないの
小さな少女のふとした疑問

どうして人は空を飛べないの
人は大地を守らなければならないのです
大空を自由に飛びまれたら
人は守らなければならない大地を
破壊し ....
かなしいものなんて
ボクにはないよ

やわらかいものなんて
ボクにはないよ

空に
一杯に手を広げ
防波堤のひらたい丘で

じりじり
ボクは乾いてく

太陽を
こんなに間近 ....
蛍光灯の灯りが揺れる
人影の途絶えたプラットホーム
いくつも電車を見送って
途方に暮れる無人駅

蛾の浮かび上げる影を目で追い
懐かしき君のの面影を追い
幻は掌をすり抜けてゆ ....
終点の駅に着いたので
降りようとしたら
網棚にかばんが置いてある
すでに乗客は誰もいない
きっと忘れ物なのだろう
駅員さんに届けてあげよう
かばんはとても軽かった
何も入っていないのかも ....
未有花さんのおすすめリスト(6101)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わがままなヘッドフォン- ぽえむ君自由詩11*07-3-27
夜の畑が息をする- ぽえむ君自由詩3*07-3-26
静まる- こむ自由詩2*07-3-26
- こむ未詩・独白4*07-3-26
きっと春だった- ぽえむ君自由詩14*07-3-26
車内の隣人- 服部 剛自由詩33*07-3-25
遠い記憶の片隅に- ぽえむ君自由詩11*07-3-25
汚れた石鹸- ぽえむ君自由詩14+*07-3-25
夢の四季歌- ぽえむ君短歌4*07-3-25
雨だれシンコペーション- 渡 ひろ ...自由詩9*07-3-25
残された- こむ自由詩3*07-3-25
ぬくもりの木- ぽえむ君自由詩12*07-3-24
春の心ばへ_★_古語の宴_参加作品_★- ぽえむ君自由詩8*07-3-24
女の子のロマン<18のprose-17->- ウデラコ ...自由詩9*07-3-24
春ごとに沈殿する- LEO自由詩27*07-3-23
あなた- 1486 106自由詩13*07-3-23
桜の面影- ぽえむ君自由詩12*07-3-23
お父さんスイッチ- 佐野権太自由詩53+*07-3-23
春の朝- ぽえむ君短歌8*07-3-23
か_ぜ_の_に_お_い- ヒロセ自由詩707-3-23
月のたて琴- 渡 ひろ ...自由詩10*07-3-23
抱きしめて- 山崎 風 ...自由詩507-3-22
ささやき- weed & s ...携帯写真+ ...6*07-3-22
恋するジャージ- ぽえむ君自由詩7*07-3-22
蝶々結び- 千波 一 ...自由詩41+*07-3-22
月下咲羅(げっかさくら)___■古語の宴参加作品■- Rin K短歌20*07-3-22
人は空を飛べない- ぽえむ君自由詩11*07-3-21
ヒトデ- umineko自由詩18*07-3-21
無人駅- 1486 106自由詩22*07-3-21
空のかばん- ぽえむ君自由詩8*07-3-21

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