何の前触れもなく 
私の 
頭の中で、
光が 
生まれる瞬間がある。

あなたのまなざしの
中心から
少しずれた
小さな部屋の中で 
聞きなれない羽音が
響い ....
鏡に映るのはどんな顔?

寝癖をジェルで整えて
冷たい水で眠気を覚まして
ネクタイを強く結んで
勢い良くドアを開けよう

少し斜め上を向いて
お陽様とにらめっこして
こ ....
金魚になるのは
おとなになって初めてです
金魚の糞みたいに
いつもお母さんにくっついていたので
彼女は金魚ちゃんと言われていたのです
そんな話をしたら
さっそく金魚ちゃんと呼ばれてしまいま ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります

無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の


 ....
金属ブラシで懸命にこすって
庭の水道で洗い流すと
スコップも裁断ばさみも
見ちがえるようにきれいになった
せっかく用意したリュックには
けっきょく
詰めるものがなにも思いつかない
縁 ....
にゃっ、にゃっ
にゃっ、にゃっ
窓の外から子猫の鳴き声

にゃっ、にゃっ
にゃっ、にゃっ
遠慮深げな、物問ひたげな


「先生、夜分に恐れ入ります」
子供の神妙な声がする
「母が ....
{引用=刻む秒針の 大時計の音が気になるので
夜中の階段を昇るのだ

光る猫や人形の目を避けるように
しずかに しずかに 足音たてず

針はとまる


真夜中に僕の亡霊は 音のないダ ....
桜の花の咲くころ
おれは嬉々として
この職をさろう
そして
この
木の香りのする
おれたちの
新しい住みかの
ペアガラス越しに
ゆったりと
ゆったりと
桜の花をみよう

きみ ....
寝苦しく目覚めた朝に夢うつつ
    激しく窓をたたくたたく雨


雨音を思えば雨が支配する
    人を思えば雨の一日


アンブレラ覗いた瞳くぎづける
    すれ違いざま舗道の ....
同じフロアの同じ間取り
南西向きの小さなワンルーム
好きなひとの去ったベッドに横たわり
ひとりの男の死を想ってみる

駅前のスーパーで買い物を済ませ
近く有料になるとかのレジ袋をぶら下げ
 ....
思い出し笑いを
小さな箱に詰め込んだら
いつかのクリスマスプレゼントの
きれいなリボンで飾ってあげる

右手には甘いキャンディ
左手には苦いチョコレート
どっちもあげない
どっちもあげ ....
彼女の誕生日は七月七日
七夕の日です
そのせいかどうか
彼女は星がとても好きなのです
星のブローチとか
星の携帯ストラップとか
もしかしたら
三つ星のレストランとかも
でも彼氏は
せ ....
おまじない

君の名前を書く
君の名前を書く
君の名前を三度書く

そうしたら

嬉しくなって

なんでも叶う気がしてきた





 信じられる

信じられる ....
数多(あまた)の田は
既に水が張られ
夜ともなれば蛙が鳴き、
やがて狂おしいほどの肌の火照り、

野鯉を釣った後の
烈しい血の騒ぎも抑えがたく
儀式は、六月のうちに
さも義人を装って
 ....
はじめは
音もなくただ
切り取られた絵を
見ているようだった

気付けば
あたりいちめん
降り続いていた
ほそく長い銀色の

むせ返す空気を
土に
留めておくように


 ....
カラオケ帰りの深夜二時
車を止めてエンジンを切ると
無音の空間が一面に広がり
取り残されたような気分になった

駐車場から歩いていると
自分の足音がはっきりと聞こえた
その時 ....
{画像=090909004233.jpg}
現場監督が路面に
配管図面をトレースした
作業の痕跡

解かれることを意図しない暗号が
街の中に密かに生きている


それはシンプルな記号 ....
年月とともに
町並みが変わるように
この畑も
様子が変わっていった

ビニルハウスは
引越しを繰り返し
屋根の下で育ったものは
町へ出荷され続けた
そのことだけは
変わらずに ....
キスするなら公園がいいな
初デートの朝そう思った
静かな散歩道を歩いていれば
手を繋ぐように自然にできそう

だけどベンチに座ったきり
アイツは格闘技の話に夢中
ジョギングし ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに


{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
桜桃を美味いという人の気が知れない
身が小さい割には種が大きいし
小振りなスモモの甘さしかない
驚くほどに痛みやすくてすぐ腐る

果物屋で売り物にならなくなって
処分に困っていた変色した桜 ....
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて


ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
テッペンカケタカ
ホトトギスはそういって鳴くのだと
彼が教えてくれました
テッペンカケタカ
鋭く空を切りさいて飛び去る
そのとき空のどこかが欠けるのでしょう
あれから彼女の
空のてっぺん ....
真夜中
港まで自転車で走る
橙のあかりが点々と
その下に一人
また一人と
釣り人が並んでる

釣れますか
聞いても誰もこたえない
みな透明だから
二人乗りしてきた友人も
いつのま ....
綿ぼこりが部屋の片隅で
クルクルと回っている
小さなつむじ風が
部屋の中で起こっている

ふたつ、みっつ、
意志を持って踊るように
寄り添ってクルクルと回る


部屋に吹き込む風が ....
もう ラヴソングも描けないのさ
日の入りが終わった天空の
マゼンタがきれいでね
良い絵が描けた後の
水入れみたいでね
そんなことを伝える人も居ないのさ

眼球の奥でつくられる
とろんと ....
 

あたし象がなくのをきいたことがあるわ

ミルクが冷めるので
君は急いで言うのだった

カーテン 君の室内とその壁

日が射しても 虫がいない日が多いので
もうテーブルクロスは ....
ゆれる景色の中で
溶け出す静かな氷
「つめたい」
そういった君の目には
小さな水たまりが出来ていた

風の穏やかな朝に
流れた大きな雲
「きれい」
そういった君の耳には
青色の耳飾 ....
零れ落ちる砂を拾い集めて
4文字の言葉を呪文のように
何度も何度も繰り返す

砕けた砂時計
戻せない時間
後悔だけが積もってゆく

季節外れの海に来て
浜辺をひたすら歩 ....
気象予報士の彼女は
雨女です
それでもお天気は
晴れの日は晴れなのです
全国的にお洗濯日和ですなどとコメントしますが
ほんとに晴れてていいのかしら、と
彼女はひとりで曇ります
休日はアサ ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
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