背の高いあの人の言葉は
いつだってやさしく降り注いだ
まるで霧雨みたいに
やさしく私を包み込んでいた

けれど滲んだ愛情は 蒸発してしまったんだ
今はもうあの人の言葉は
水溜りの上に浮か ....
蟻が空を見上げてる
土の上から
体よりもずっと小さい目で
大きな空を見上げてる
いつもは下を向いて
せっせと動いているけれど
まぶしい光が呼んだのだろうか
蟻は立ち止まり
空を見つめて ....
我が北大路家は 代々 京都守護の仕事をしている

昔 空海が張ったとされる結界を 現在は父が張りつづけてる

私も中2の頃から仕事を手伝い始めている

結界の保守・管理などが主な業務

 ....
カエルの傘を買ってもらった

二才半のひなちゃんは

雨も降ってないのに傘をさし

お部屋の中でも傘をさし

コンビニの中でもさしたがり

車の中でも傘をひろげて

とうとう母ちゃんにおこられちゃっ ....
気持ちをなだめてくれる 
けやきの葉たちの向こう側

濃い青の空に 夏雲が湧き上がって
激しい季節の予感

夏雲たちは 次々に力を秘めた体を起こし
見渡す限り 雲の輪に囲まれる

 ....
隣屋の塀にはびこる つたの青
さみだれに色 尚つやめきし

散歩にと さいそくにくる愛犬の
うったえる瞳に 重き腰あぐ
世界が滅びて 
ただ一輪そこにある花を
太陽が照らして

空虚な僕は問いかける

すべてが消えて自分だけが残り愛もない世界で
どうして君は咲いているのかと

花は答えた 
あ ....
そっと でいいから
ふれてみたい
あなたの零した一雫のわけを

どこから
流れてきたのですか

まりのような白い雲が
あちこち 漂っている
空なのに
雪解け水が激しく流れる季節は
 ....
裏通りに 傾いた陽が落ちてくる頃
放課後の声たちが 初夏の帯にのって
泳いでくる
バギーの乗客を覗いて
ほんのり口角を上げて
青いランドセルが追い越してゆく
まだかたそうなランドセル
さ ....
苦しいとき
なぜか
いつも上り坂があった
何でこんなときにと
腹が立ったけれど
その坂を上らなければ
目的の場所には行けないので
上るしかなかった

上り始めると
思っていたよりは ....
ぎんいろの折り紙で
鶴を折る

ぎんいろ
それは
わたし自身を惑わす窓辺の色合い

ぎんいろの街で
あなたとの足跡を探してしまう
例え人違いだったとしても
あなたに良く似た後姿に
 ....
この地球には
捨てるものなど
何一つとしてありません
あなたたち動物の排泄物も
やがては花となり
実となるのです

まだ使えるものなのに
物を捨てさせなければ
物を作り出せない
そ ....
 流れるように月日は過ぎて
 あんなに恋焦がれていたあの娘のことなんかも
 色褪せて
 季節風に乗って運ばれる俺達
 君の暖かい声
 君の輝く瞳
 君の柔らかな頬
 すべて時の船にゆらゆ ....
単純もよきときあると自らと
慰むるとき 時雨の音する


ふれ合いし手の冷たさは言はずして
春雪消ゆる早きを語る

尋ねきし人は留守にて山茶花の
散り敷く庭に一人ごちする

我が裡 ....
ふうと一息
空に向かって
シャボン玉が膨らんでゆく

光に照らされて
青くなり
赤くなり
くるくる回る

たくさん飛ばして
気づけば
シャボン玉の空

地上では
アジサイが ....
道路を歩いていたらガムを踏んづけました
嫌だなあと思って靴を上げたらビヨーンと良く伸びました
そしたらプーンとパイナップルの香りが鼻にきたので
誰かがパイナップル味のガムを捨てたんだなあと思いま ....
五月は過ぎた
麗らかで活発だった季節は
あれほど気ままだったお前も
今ではわたしの膝の上で大人しく眠る
お前のやわらかな耳たぶに降る雨に
こうして一緒に濡れそぼりながら


お前は聞い ....

森には緑が生い茂る
その中のたった一枚の葉
その葉がなくとも
森は揺るぎないだろう
でも
その一枚の葉が
一枚の葉になるまで
どれだけ過程があるのだろう
その一枚にも
命が通っ ....
サチ子先生は
理科室でメダカを飼っている
先生の白くて細い指が水槽に触れると
メダカは狂喜して泳ぐ


メダカは十六ぴきいる
一ぴきずつに名前をつけたいの
クラスのみんなの
と先生は ....
先日、祖母の誕生日でした。
80歳になりました。
「傘寿」というらしいです。
「傘」の略字が縦書きの「八十」に見えることから、そう呼ぶのだとか。
来年は「盤寿」だそうで、その後も「卒寿」「白寿 ....
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫

故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり

何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす

故里の老 ....
くちびるはサンザシの小枝
水滴を払う手の甲

デメイ
獣かそこらを従えて
女神に挑んでころがりおちた
(燃え尽きはしなかった
 デメイも女神の眷属だから)
ふたつに縛った髪はほ ....
(日本は夜でも宇宙から見るとはっきりその形がわかる)
なんて思いながら
トイレに行く
その廊下で
隣から
義理の叔父と叔母の
喧嘩の音がする
わたしは舅のことを想う

嫁いで二年目
 ....
各駅停車しか停まらない
その駅のベンチに
ふと置かれた本が一冊
鞄に入れたつもりが
入らなかったのだろう

風でページがはらはらと
少しだけ浮き上がる
どこか心地よさそう

急行列 ....
(ミルクティを飲まなきゃいけないの
(ミルクティ、ある?
(歯を磨いたんだから、もう寝なさい


最近、きみは早く寝てしまうから
赤いランドセルの留金をひらいて
見てしまったんだ

 ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。

父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
いつも駅まで歩く道
朝が早いので
その店はまだ閉まっている
どうやら花屋らしい
けれども
見るのは灰色のシャッターだけ

盲目的に一日を働いた
マニュアル通りに忠実に
終わりのない繰 ....
{引用=


一、星が生まれた日


  少年が落としてしまう、
  それは
  あまりに
  優しいもので
 
  いつまでも思い出は
  少女のかげをしています


 ....
俺はインターネットカフェでスカウトされた、
とにかく本格的なホームページを作りたいとのことで
W3Cの勧告に対して正しく記述したマークアップ言語の
謂わば真っ当な【ホームページ】を作れという
 ....
満員電車の中のつり革を
片腕を伸ばしたまま
必死になって握り締め
このつり革は自分ものだと
態度で主張する
そんなわずかな場所が
そんなに欲しいのかい
数分後にはみんな降りてしまうよ
 ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
灰色の海、透明な傘と- 衿野果歩自由詩6*07-6-11
蟻が空を見上げてる- ぽえむ君自由詩9*07-6-11
京都守護- 北大路京 ...未詩・独白14*07-6-11
傘とひなちゃん- a/t携帯写真+ ...1007-6-11
夏雲- いねむり ...自由詩507-6-10
平成19年6月9日土曜日_17:45- むさこ短歌12*07-6-10
滅び行くその時に- アマル・ ...自由詩9*07-6-10
教えてください- 乱太郎自由詩20*07-6-10
青いランドセル- たちばな ...自由詩17*07-6-10
新しい自分がそこにある- ぽえむ君自由詩13*07-6-10
ぎんいろ- 恋月 ぴ ...自由詩59+*07-6-9
地球が捨てられてゆく- ぽえむ君自由詩11*07-6-9
普通電車- 山崎 風 ...自由詩4*07-6-9
14P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-9
シャボン玉の空- ぽえむ君自由詩14*07-6-8
パイナップル。- もののあ ...自由詩13*07-6-8
六月の薔薇- 石瀬琳々自由詩13*07-6-8
一枚の葉- ぽえむ君自由詩15*07-6-8
メダカ- yo-yo自由詩13*07-6-8
祖母のこと_2007年6月- 北大路京 ...散文(批評 ...22*07-6-7
10P_「短歌2」より- むさこ短歌13*07-6-7
デメイ- ミゼット自由詩3*07-6-7
夫婦- 小原あき自由詩23*07-6-7
忘れ物- ぽえむ君自由詩9*07-6-7
自由帳- 佐野権太自由詩26*07-6-7
森番—透過する森のなかへ- 前田ふむ ...自由詩38*07-6-6
花屋のシャッター- ぽえむ君自由詩14*07-6-6
小詩集【金貨のためのオルゴール】- 千波 一 ...自由詩16*07-6-6
アニキの好み♪- atsuchan69未詩・独白7*07-6-6
悲しい占領地- ぽえむ君自由詩26*07-6-5

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