(吐く糸で自分をがんじがらめにした)

誰かのために紡いでいたつもりの
それがいつの間にか
こちらに巻きついてくる
糸を断ち切ろうとあがいても
やわらかい糸はすべての力を飲み込む
包容力 ....
 静まりかえった夜明け前
 部屋からは見えない表通りを
 鮮やかな色の洋服を着たピエロが
 にこやかに微笑みながら
 ボールを転がし
 歩いている

 深夜の主役
 涙は止まらないけど ....
 首がスッカリ伸びきって。
 おじさんのランニングみたいになったTシャツ。
 もう十分役目を果たしたんだけれど。
 洗濯してたたんでしまうと。

 愛着なのか。
 せこいのか。
  ....
夕方です

一段と窓ガラスの汚れが目立つという
そんな悲しい時間です

あたしにはもう何もないの、と言った時
あなたは
ふっと顔を伏せて泣いてしまいました
いったいどちらが悪かった ....
       ブラインドの隙間を

       汗を滲ませて 
             
       這いのぼる月



       窓辺の寝台の上       

    ....
こんなに寒い夜は
こうやって電車を待っていると
たくさん思うことがある

このホームから見える海の向こう側
そこには皆がいる
僕の目にうつる町の光
あれは人が生きているということの印
 ....
今日の空は少なかった
下ばかりを見ていて
たくさんの石ころは覚えている

今日の空は狭かった
部屋の中にいてばかりで
たくさんの手紙は覚えている

明日の空は
今日の空を見れないけれ ....
高い塔がある
空を突き抜け街を{ルビ睥睨=へいげい}するように
その塔はそそり立っている
塔には一人の姫が住んでいた
囚われているのではない
自ら閉じこもっているのだ
目も耳も口も絹糸で縫 ....
雨上がりの砂利道を
そろりそろりと踏む石の
聞こえてくる砂音に耳を傾ける
それは優しさ

道の左の林より
枝から枝へと飛ぶ鳥の
聞こえてくる羽音に耳を澄ます
それは温もり

どこか ....
山になった洗濯ものの回りで
君は
春のような
スキップを踏む
  {引用=おうちを買わなければ、よかったね
だって、お金持ちだったんでしょ?
たた、たたん}
ちいさな袖をそろえて
重 ....
カモメは海沿いの線路上を飛んでいる
超低空で
軌道をいささかも外れることなく


線路は間もなく
海を逸れて山間へ入る
線路に添うか
海に添うか
カモメにとっての岐路だ


カ ....
覚えたての言葉で
精一杯表現していた頃
小さな町の小さな囲いで
小さな喜びを模倣していた

道端に咲いている花は
意識して歩かなくても
簡単に見つけられた
そっと顔を近づければ
鮮明 ....
正しいことを言うよりも
正しいことをすることの方が
ずっと正しい

立派なことを言うよりも
立派なことをすることの方が
ずっと立派だ

正しいことをする人は
正しいことを口にしない
 ....
冬めきてラディゲ読む夜の重さかな

幻滅と悔い残してや恋の冬

この星に我ひとりなり冬の雨

黙々と落ち葉掻きやる白痴かな

吸ひ殻と誇り捨てたり枯れむぐら

老媼の叫び響くや空ッ ....
今日もまた
灰色の空から一日が始まる
青い空は心の中に閉じたまま
銀色の光が大地を支配し
赤い光は記憶の中に収められる

今日もまた
紐でかたく結ばれた一日が始まる
網の中に入れられた ....
ちょっと遠くまで 一人旅してきます

行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます

街の真ん中にある ノートルダム聖堂の

ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に

 ....
ショッキングピンクに彩られた図書館で
同じ色の目をした受付嬢がこう言った

あなたの瞳は黒いわね
あなたの服も黒いわね
きっとあなたの子供も黒いのね

ショッキングピンクの壁や床 ....
 緑色の思い出
 悠々と流れる時の中に
 そっと置いていく
 
 くすんだ深夜の幻想
 俺を誘うノスタルジーを
 端に置いて
 崩れることのない
 物語を作っていく

 まだ見ぬ光 ....
夢の国に囚われた
彼の名前はミッキーマウス
どこにも行けない
ワンダーランドの迷い人

ミニーに身代わり赤子を生ませ
排水溝から脱出さ
ここが彼のねぐら
本来いるべき
 ....
固く固く閉ざしていた扉

私はその重々しく閉ざされていた扉を

大きく開け放った



中では幼い私が暗闇の中で縮こまってうずくまっている

大丈夫だよ、出ておいで

幼い私 ....
大切なことは
大切にするということ
大切にすることができなければ
大切なことを失うということ

大切なことは
大切にされるということ
大切にされることができなければ
大切なことが消える ....
机に置かれた一枚の写真

若い母が嬉しそうに
「 たかいたかい 」と
幼い彼を抱き上げている

年老いた母は安らかな寝顔のままに 
「 たかいところ 」へ昇ったので
彼はひとりぼっちに ....
冬の中に
君の白い息が眩しくて
なぜか視線をそらしてしまう
ぼくがいる

冬の中に
君の凍える姿が悲しくて
なぜか空を見上げてしまう
ぼくがいる

冬の中に
ぼくの凍える姿に手を ....
さらさらと、枯れ落ちた葉が
校庭を這う風に追われ
やがて空へと逃げてゆく放課後

音楽室のピアノはショパンを奏で
窓からのかよわい陽射しと
僕を汚す、黒板のひどい落書き

鞄を逆さにす ....
歩き続けることに疲れた旅人 
巨木の木陰に腰を下ろす 

見上げた冬空の青に 
突き刺さろうと伸びる枝々 

北風の唄に散る 
枯葉の舞 

その{ルビ一片=ひとひら}は 
旅人が ....
銀色の穂波は
斜陽に映える芒の原
光と戯れ
丘の向こう側まで
続いている

風は止むことを知らない
運ばれる匂いは
ひとつの季節の終止符
あるいは序曲として
わたしに交わるけれど
 ....
その石は座ったまま
足を出さないで
意志は黙ったまま
その意地だけは
味を出しながら
維持している

重い心を思い
なぜか恋しい気持ちが濃い
その力に負けて
自分の視線を曲げてしま ....
あなたを待つ部屋で
私は時々シチューを作ります
その時は月桂樹の葉を
一枚入れておくのです

入れると入れないでは
香りもずいぶん違うのですが
あなたのいない部屋で
私は夢を見るのです ....
「ちょっとお聞きしますが・・・」
生まれて初めて職務質問を受けた。
近所にある、簡易郵便局に寄った帰りのことである。
先日、防災用のごく小さな貯水池で、子供が溺れて死んだのだと言ふ。まだ、事件か ....
風と土の中で
人は人になり
人と人になってゆく

それは幾千年も繰り返し
人が変わることがあろうとも
風は常に人を押し
土は常に人を支える

光と水の中で
人は人を学び
人と人が ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
テクストの蝶- 下門鮎子自由詩4*06-11-29
涙は止まらないけど- 山崎 風 ...自由詩14*06-11-29
おじさんTシャツ。- もののあ ...自由詩14*06-11-29
時の経過- 田島オス ...自由詩2*06-11-28
発熱の夜- 月夜野自由詩10*06-11-28
町と月と電車と。- 緋月 衣 ...自由詩6*06-11-28
明日の空は- ぽえむ君自由詩6*06-11-28
鳥籠あるいは高い塔- 石瀬琳々自由詩19*06-11-28
雨上がりの砂利道- ぽえむ君自由詩15*06-11-28
はだかんぼう- 佐野権太自由詩45*06-11-28
一羽のカモメ- 杉菜 晃自由詩15*06-11-28
あの頃- 青山スイ自由詩2206-11-28
正しいことを言うよりも- ぽえむ君自由詩12+*06-11-27
冬めきて- 三州生桑俳句7+06-11-27
夢と希望の種は冬に宿る- ぽえむ君自由詩11+*06-11-27
遺書- もも う ...自由詩44*06-11-27
ショッキングピンクの図書館- なかがわ ...自由詩8*06-11-27
果報は寝て待て- 山崎 風 ...自由詩7*06-11-27
ミッキーの自由- なかがわ ...自由詩8*06-11-26
心の鍵を開けて- ajisai自由詩8*06-11-26
大切はすべての始まりなのだから- ぽえむ君自由詩7*06-11-26
母のお守り_〜ある母子〜_- 服部 剛自由詩20*06-11-26
冬の中に- ぽえむ君自由詩16*06-11-26
四次元のリコ- atsuchan69自由詩13*06-11-26
落葉の栞_- 服部 剛自由詩1406-11-26
口笛は何処へも届かない- LEO自由詩34*06-11-25
その石は- ぽえむ君自由詩9*06-11-25
月桂樹よ太陽を呼べ- 三条麗菜自由詩9*06-11-25
ラムネ瓶の夢- 三州生桑未詩・独白506-11-25
生への繰り返し- ぽえむ君自由詩11*06-11-25

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