あの緑陰に佇んでみたものは
光るまちだったのか 雲の流れになぞらえ
かすかに形を変えてゆく思いなのか
今はもう分からない黄昏に包まれる
やるせない影ばかりがのびて 路に夕べに


項垂れ ....
遠くにそびえる
黒い山々
深い緑の杉林に入る
つんとする匂い
冷気が身体を包む
見上げても空は少なく
灰色で
まるで薄荷の中にいるように
涼しい

林の中では遠くまでは見えないのに ....
誰も
踏んづけなかった猫が
月明かりを探している
綺麗な光の下じゃないと踊る気がしないんだってさ
踏んづけられた猫は
歌にされて
とても怒っている
だから街灯の明かりが漏れ入ってくる ....
かつて昔
どんなことをするにせよ
不便な世の中では
一つのことを身につけるのに
長い努力を必要とした
そこには根気と忍耐があり
常に自分と向き合い
他人とのふれあいもあった
手放すこと ....
“ねえお父さん
どうして空は青いの”

駆け寄ってきて
尋ねてくる君は
とても綺麗だ
だから僕は答えたくない
太陽光が大気にね … 、なんて
答えたくないんだ
だから
“どうして ....
雨降る夏の若き葉に
雫結びて一つ落ち
下の葉受けてまた落ちる
その{ルビ音=ね}はまさに時のよう

雨降る夏の黒き地に
蛙這い出て一つ鳴き
雨水打たれまた当たる
その絵はまさに歌のよう ....
君が運んできた卵料理を食べながら
僕のそばに腰かけた君の瞳に見入る
夜の闇に車の音が消えてゆくなかで
なぜだか君の表情が変わっていくのがわかった
僕が卵料理をナイフで切り開いてゆくように
君 ....
ささやかな我が家は
海風を松林がさえぎる
小さなキャンプ場に
僕と君の子供の手で建てた

細引きはしっかり引っ張ってとか
ペグは斜めに打ち込んでとか
入り口の向きの決め方とか
寝心地の ....
がんばろう
苦しんでいるのは
自分一人だけじゃないんだ
苦しいと言っているだけじゃ
一つも解決しないんだ
何かしなくちゃ
何も始まらないんだ

がんばろう
辛いと言いたいのは
自分 ....
ある日の{ルビ些細=ささい}な出来事で 
仲良しだった 
AさんはBさんの陰口を 
BさんはAさんの陰口を 
別々にぼくの耳は聞いていた 

夕暮れの 
空気のはりつめた部屋に 
Aさ ....
私は朝からずっと観覧車に乗っています
同じところをぐるぐるぐるぐると
朝からずっと回っています

病室の窓からは
あの人がこの観覧車を見ています
そして時折絵筆を取り出しては
 ....
プロフィール読んだら
すごく嫌いなタイプだけれど
言葉の使い方が上手いんで
ポイントあげます

いままで
まったく
こっちの作品には
ポイントを入れてくれてないけれど
描かれてる情景 ....
ぼんやりとした夏の中で
ため息をつく
空気の動きは何も見えず
目の前にあるものが
ゆらゆらと揺れていて
今はただそこに
乾いた土が滲んでいる
見上げれば
青い空があるようだが
その色 ....
白にだって
暗い部分はあり
黒にだって
明るい部分もある

規格化された文字にだって
心があり
心が豊かな人にだって
画一もある

すべてのものは
動き
動き続け
変化し
 ....
 焼き飯の唄

捨てるにはもったいない
一山の残飯
ねぎを刻み
いり卵をこしらえ
焼き飯にしたら
妻がおいしいという

ふと若い若い頃を
思い出す
不良少年でしょうの
なか ....
夏葱や魔法使へた少年期

麦藁帽誰かの思い出波に消ゆ

夏草や旅の鞄に陽が落つる
乾いた土だらけの
広大な畑の中で
手を振る人がいる
呼ばれている人は
ずっと遥か先なのに
動きに反応して
手を振りかえしている
互いがこんなに離れても
どうしてわかるのだろう

ビ ....
庭の土を耕して
人差し指で穴を掘り
ヒマワリの種を植えたのが五月

まいにち
土の湿り具合に神経を尖らせ
やがて
いくつかの芽が出ると
お気に入りの芽を一つ残して
あとは全部引っこ抜 ....
君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
自分の位置を確かめたいと思うとき
とても広い世界から始まって
少しずつ小さい場所に区切りながら
ようやくわずかな自分に辿りつく

自分の位置から世界を見たいと思うとき
わずかな自分から始ま ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた

ずっと憧れていたこ ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
夏になると
土の倉庫から
たくさんの野菜を運び出し
ざるの中へと入れてゆく
気をつけていないと
すぐにいっぱいになる
山の水道で洗い流し
地下の水道で冷やす
この星の夏は
宇宙の台所 ....
     一

春をあげるよ
ツバキの葉にうっすら積もった春を
人差し指でそっと集めて貴方に
栞にしてみてはどうだろう
本を開くたび春の匂いが漂うように
カーテンにしてみるの ....
木曜日の朝の雫が絶叫をあげている。
尖った街頭の佇まい。
通勤の熱気をはおったDNAのひかる螺旋の群は、
わたしの散漫な視覚のなかに、
同じ足音、同じ顔を描いていく。

振子のようなまなざ ....
見えているものは
ただ単に
見えているだけであって
見るものを
見ていないのかもしれない

見えているものから
見えるものを見えたとき
初めて見えるのだと思う
目を開けなくても
見 ....
 まだ熱の残る砂浜を歩けば
 私の中の?海?が呼応し始める。

  感情の波に流されないためには?
  自分の願いを叶えようとして
  自分の過去を認められないほど
  私達は幼かった
 ....
風は吹くだけではなく
時には歌い
時には光る
風は夢を見させてくれる

水も流れるだけではなく
時には跳ね
時には踊る
水も夢を描かせてくれる

雲も浮いているだけではなく
時に ....
もみじ もみじ
てのひら もみじ
衣笠の秋の空 染み渡る

東山も 嵐山も 頬を紅く染める 
ひとはあはれ 賀茂のながれ ずっと見てた

もみじ もみじ
てのひら もみじ
衣笠の秋の ....
夏は結局いつも
気づけば私を置き去りにしてしまうから
今年はちゃんと捕まえて
かごの中に閉じ込めてやろう

だらだら溶けるアイスキャンディーは
外れの文字をさらけ出すだけだけど  ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あの緑陰に- 石瀬琳々自由詩15*07-5-31
杉林- ふるる自由詩16*07-5-31
猫「寄るな」- 花平すり自由詩907-5-31
遠い努力- ぽえむ君自由詩9*07-5-30
空が青い理由を- 日和自由詩11*07-5-30
雨降る夏の- ぽえむ君自由詩12*07-5-30
裸のディナー- 村木正成自由詩3*07-5-30
キャンプ場の我が家で帰りを待つ- たりぽん ...自由詩13*07-5-30
がんばろう- ぽえむ君自由詩6*07-5-29
夕暮れ煎餅_- 服部 剛自由詩7*07-5-29
観覧車- なかがわ ...自由詩8*07-5-29
ポイントあげます- 北大路京 ...未詩・独白72+*07-5-29
ぼんやりとした夏- ぽえむ君自由詩14*07-5-29
月と太陽- ぽえむ君自由詩14*07-5-28
焼き飯の唄- 生田 稔未詩・独白5*07-5-28
少年期- 村木正成俳句6*07-5-28
手を振る人- ぽえむ君自由詩12*07-5-28
バス停- Tsu-Yo自由詩1307-5-28
恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
自分の位置- ぽえむ君自由詩7*07-5-27
いちたすいち- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-5-27
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
宇宙の台所- ぽえむ君自由詩8*07-5-27
春憬- 朝原 凪 ...自由詩8*07-5-27
五月の街- 前田ふむ ...自由詩31*07-5-26
見えているものは- ぽえむ君自由詩11*07-5-26
海という名の、- 灯和自由詩7*07-5-26
風の声が聞こえる- ぽえむ君自由詩10*07-5-26
もみじ_〜京都衣笠もみじ- 北大路京 ...自由詩11*07-5-26
夏の誘拐- なかがわ ...自由詩2*07-5-26

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