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ゆらめいて
いくつもの色がゆらめいて
地上に暮らす僕は
少し先の陽炎に
夏を見る
そうしているうちにも
流れてゆくすべてが
今日を何処かへ運んでしまうので
僕は何か大切なものを ....
午後三時
初夏の森は緑の海
風に揺れる光が跳ねている
ひらいたままの図鑑
次のページがめくられるのを待っている
外の景色に気をとられて
どこまで見ていたのか忘れてしまった
図書 ....
夏のはじまりは
いつも雨
何処からともなくきこえてくる
海のうた
(セイレーン)
還る場所をさがすように旅をする
あの波の繰り返しのように響いてくる
記憶のような満ちひきに名 ....
誰に教わったわけでもないけれど
新しい始まりの予感は
そうやってくる
五月の風は
そんな淡い期待を感じさせる
芽吹きの音が聞こえてきそうな緑色で
あなたは窓から入り込んでくる風を
そ ....
透明水晶の信号柱から
七つ先の林道をかけあがると
ずいぶんと見晴らしの良い高台に
ブナの木が一本立っている
木の実を転がしながら
その細い林道をしばらく行くと
もう帰ってはこれない ....
何か大切なものを
過去に忘れてきてしまった
そんな気がする
握りしめた手の中には
小さな鍵がひとつ
それが何の鍵なのか
それも思い出せない
わからないまま街を歩いた
見覚え ....
うららかな夕焼けが
つくりだす陰影
「せんせい かげふみしよう」
授業が終わった生徒が
煙草に火をつけようとする
僕の手をとめる
足元から伸びた大きな影と
向かい合う ....
誰もいない教室で
机の落書きを消す
たいていが内容の無いもので
消すのにためらうこともないのだが
ふと窓をみると
結露したときに指で書いたのだろう
一つの文字が見えた
「海」 ....
とべない鳥がなくように
誰かのそばでうたっていたい
とべない鳥がなくように
誰かのうたをうたっていたい
とべない鳥とわらわれて
とべない鳥とからかわれても
誰かのそばでうた ....
昼下がりの教室が好きだ
土曜日、テスト終了後のちょっとした時間
つかのま開放されたような空気が好きだ
そして特にやらなくてもいい採点を
僕は好きでやっている
どうせ僕が採点しなくても ....
休み時間に生徒が漢字練習をしていた
なかなか漢字が覚えられないとぼやきながら
僕はそれを見守りながら
漢字はいくつかの漢字がくっついていることもあるから
それを手がかりに覚えてゆくのも ....
りぃ りぃ りぃ と雨が降り
渇いた大地を潤してゆく
六月は
晴れたり曇ったり
そしてこんなにも雨が降ったり
(もうこれ以上叩かないでくれ)
庭にはやっと咲いた花たちが
....
幾多の苦難を
一つ一つ思い出に変えながら
今日も夜空には過去が浮かび
月影は淋しさをなぞるように
きれいな円を描いている
たとえば
「さよなら」の四文字を
どの星にあてはめれ ....
ふと動物園に行きたくなったので
ふらっと電車に乗り込んで
ふらりと向かった
「水曜日は休園日です」
がっくりしてまたガタゴト
帰りの電車に揺られる
電車の中に居る人を眺 ....
桜の開花を待つことなく
君たちはゆく
若さとは強さであり
同時に弱さでもある
だけど安心しなさい
私が信じる君たちは
無限の可能性を持っている
桜の開花を待たずに ....
ああ 今日は
なんて美しい音色だ
風はすこしばかり強すぎるけれど
これは春なのだから仕方ない
それよりそこかしこで
草も木もみんな楽器みたいに
お互いをこすりあわせている
風が吹 ....
(美しく生まれたかったと
思ったこともありました)
ある日
一羽のチョウが迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように
ゆら ....
「積み木」(1)
積み木積んで積んだ高さに驚いて
積み木積めば積むほど寂しくて
(きっかけなんてゆうものは
ほんのささいなものだから
一番下のどれか一個引き抜けば
....
かた目をつむってご覧なさい
指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう
その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
海はこんなに広いのに
もう何でも知っているような顔をしてる
マンボウ
君はいつもゆっくり泳いでいて
ぼーっとしているようでも
その瞳はやさしい
君のように泳げたらと
とき ....
薄曇の昼下がり
住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう
無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
あの海になろう
あの森になろう
さかなたちのいる
けものたちのいる
いのちのある
かつて私を生み出した
波をうねらせ
梢をゆらす
風
力強く
両手をひろげ
すべてを抱 ....
「僕」という種をまいた
「僕」が芽を出して
高く広く枝をのばし
深く遠く根をはって
空からも大地からも
みんなを見守れるように願った
「僕」という種をまいた
....
それは
ただ真っ白なノートのようで
けれど
不思議に美しいノートでした
その場限りの言葉では
跡を残すことさえできない
そんなノートでしたが
熱い言葉なら
焼きつけるこ ....
ごらん
きょうも
きらきらと
ゆきがふっている
まどガラス
いちまいをはさんで
そとはさぞさむいだろうに
それがうつくしくかんじられるのは
ぼくがうちがわでながめているからだろう
....
星の言葉 降る降る
空の端から
投げかけられた 放物線
かすめていったひとかけら
こぼれて描いた その軌跡
ほんの少しを呼吸して
小さな夢を叶えるために
届くといいな 流 ....
鉢にペチュニアの種をまきました
とても とても 小さな粒で
「大丈夫かしら」と心配なくらいで
でも
僕にはどうすることもできないのです
僕が種をまかなかったら
けして咲くこ ....
病院の古い長椅子は
もうすっかりガタがきて
座るとギシギシと
独り言でも言ってるみたいだ
そこにはいつも
お爺さんやお婆さんが座るから
僕はめったに座らないのだけど
ちょっと興味があ ....
半分の月を見ていた
半分の月を見ながら
僕は半分だけ眠りにおちて
残りの半分は現実にとどまった
半分の夢の中では
浜辺に立った自分が
遠くの景色を見つめていた
半分の月を ....
未有花さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(34)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「虹」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
10-8-8
図書室の窓辺から
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
10-5-16
「夏のはじまり」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
09-5-24
「五月の風にさそわれて」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
09-5-20
「迷い森」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
08-7-22
「コインロッカー」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
08-7-5
「かげふみ」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-4-29
「海がひろがる」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
08-4-14
「とべない鳥がなくように」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-3-29
「美しいことに理由はいらない」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
08-3-28
「億万人の心の音」
-
ベンジャ ...
自由詩
20*
08-3-22
「もうこれ以上叩かないでくれ」
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
07-6-22
「月影」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-4-13
「動物園」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-4-6
卒業する子供たちへ
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-3-17
たとえば歌をうたうように
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
07-3-14
「チョウ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-3-9
「積み木」_(5作品)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-3-2
「ビー玉」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-28
「おしえてマンボウ」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-2-22
「だって僕はここにいる」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-2-20
「そんな生き方」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
07-2-14
「憧憬」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-12
「僕」という種をまいた
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-2-9
「こころ」_(あなたへ)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
07-2-3
きらきらとゆきがふる
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
07-1-9
「星の言葉」
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
06-12-29
「ペチュニアの種をまきました」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-12-22
「長椅子」
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-12-20
半分の月を見ていた
-
ベンジャ ...
自由詩
13*
06-11-15
1
2
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