野の兎
   降る雪ものともせずに
   跳ぶ

野兎にとって
視界のきく
晴れわたった銀世界は
好ましい環境とは言えない
狐や鷲、鼬といった
天敵の眼に自分の姿を曝してしまう ....
食パンのみみが
初めて出会う言葉は
まだ星空が出ている時間から
働き始めるパン屋のおじさんの
「上出来だ」の嬉しい言葉だろう

スライスされる前は
全身が みみなので
工房の全ての音が ....
顔見知りの男が死んだ

いつも何かにイラついていて
斜に構える自らの姿に酔いしれていた

そんな一人の男が死んだ




よくある話しだけど
おんなが二人いた

別れた奥さ ....
なにかの映画で見たような
あてのない線路
そこには空も海もなく
心地よい孤独だけが転がっている
空き瓶の中で
春が雪に変わり
冬が死んでゆく
廃駅のベンチに腰掛けると
一匹の猫がすり寄 ....
歩くのに疲れて
たどりついたところに
バスの停留場があった

時刻表に記された時間は
呆れるほどのまばらさだった
古めかしく
ところどころ錆びに侵食されて
そもそもちゃんと
機能して ....
{画像=120219045735.jpg}


最近不思議な夢を見る。
ぼくが眠ると夢の中のぼくが目を覚ます。
夢の中のぼくが眠ると現実のぼくが目を覚ます。
会社の会議中に居眠りをしている ....
取るに足らない枯木に
カシミア混の古いコートを着せて
目抜き通りのほとりで
タクシーを拾おうとしていた

通り過ぎていくのは
回送の名札を得意気につけた
ハイブリッドな北風ばかり
 ....
生まれおちたその日から
ラストページには
死という文字が書かれています

毎日頁をめくるたび
結末は知っているのだけれど
あえて忘れたふりをします

忘れたふりをしているうちに
ほん ....
子供の頃
ぼくは信じていた
何処か遠いところに
黒い湖があって
そこには首長竜が棲んでいる

(お父さん
 黒い湖はどこにあるの?)

ぼくが尋ねても
お父さんは何も答えずに
 ....
不幸の似合う女優さんって
近頃みかけないよね

それだけおんなが幸せになった訳ではなさそうだけど

ひたすら運命と向き合う生き方って
求められていないのかな




冬の日差し ....
何も知らなかった
   (そう叫ぶべきだった)

冷えた夜の欠片をかじりながら
一度切り裂いた真昼の夢を拾い集める
オブジェにならない粘土
翼の破れた折り鶴
なにもかもが中途半端

 ....

ある日の深夜

僕をじっと見る
餌の器をじっと見る
再び僕をじっと見る

知らんぷりして
パソコンに向かっていると
いつの間にか後ろに回り込んで
爪が出ていない肉球で
僕 ....
コトバが頭の中を舞っている
ふわふわと漂うように煌いて
それはジグソーパズルの1piece
寄せ集めて物語が創られる

いつも心象風景の中にいた 
本当の空の色を知らない
妄想の中で呼吸 ....
左手はご不浄らしいけど
わたしって左利き

どうしよう(笑

歯を磨くのも
お箸を持つのも

字を書くのも左なんですけど

小学校のお習字の時間
せんせいから右手で書くよう指導さ ....
短歌を超える詩が、あってもいい
詩を超える短歌が、あってもいい
詩人も、歌人も夜はおなじ寝床で肌をよせあって
眠るのだとおもう

今日はもうなにも書けなくて
はやくお風呂にはいってあし ....
二月の天空は
コートも着ないで
冷えるのにまかせているせいか
時々
くしゅん、くしゅしゅんと
くしゃみして
そのたびに小さな雲をまきちらしている

いや、雲ではない
あれは羽じゃない ....
ピアスの片方を失くしてしまった
お気に入りのピアスだったのに
あの日 あなたとふたりで
ショーケースを覗き込んで選んだ
高価だからと遠慮する わたしに
いつも着けてくれるならと
あなたが贈 ....
{画像=120205233911.jpg}


{画像=120205233928.jpg}


からっぽな心 / 電車の影を追って


電車の窓から外を見ると冬日の光の影が
併走す ....
私の頭に
時々帽子がぷらりと帰ってくるよ

遠い昔
だれかが
私の髪の毛をくしゃくしゃっと
した時の
あの切ないような感触を
私の頭は覚えているよ

みんな
自分のことだけで精一 ....
萎み始めた意識の片隅に
かろうじて立て掛けてある
ギターの絃はたぶん錆びついて
降り積もる時間に埋れている

僕の指は踊れないから
意味を探してしまうから
残念ながらギター弾きにはなれな ....
子供の頃
古めかしい三面鏡が
部屋の隅にありました

木目模様の板に貼られた
三枚の鏡はそれぞれに
蝶番によってつながっていて可動式でした

普段は折りたたまれているのだけれど
ぱた ....
飼っていた黒猫が突然行方不明
家の玄関の鍵は掛けていた
どこか窓が開いていたのか
窓から見える風景は
空っ風舞う冬景色
街路樹の葉はあらかた落ちてしまい
魚の骨の並木道

ふと見る ....
最初に
魚影がよぎる

同時に
背骨が見つかることもあるが
大抵は時間がかかる

次に
尻尾が見つかるが
順番が逆の時もある

頭はどうでも良い
後で取って付ければ良いのだ ....
今ごろ何しているのかな

きっと趣味のデジイチを首から提げて
お気に入りの被写体を求め
谷根千あたりを自転車で走り回っているのかも

そんな感じに好きなひとを想ってみる

なんか幸せな ....
{画像=120128221115.jpg}




それは
青空を巻いて
大きく旅立って行ったのだった

遥か眼下に
広がる世界は
大きく変わろうとしている

幼い頃
見 ....
深緑色の小葉が群れる枝に
金の果実が十幾つ

花瓶に挿して眺めていたら
子供の頃に読んだ
セルビアの民話を思い出した

夜更けに鳥が盗みに来る
王宮の金の林檎
鳥は綺麗な女性に変 ....
 見えなくてもそこのあるものは、実際のところ世の中にあふれている。見えなくても聴こえる。見えなくても、そこに存在する。決してオカルトではなく、純然たる事実なのだ。
 実家の家の前には、かつて小さな川 ....
たとえば僕が
宇宙人にさらわれたとして
僕の不在に
気がつかない人は多いだろうが
僕の不在を
嘆く人は片手で充分数えられる

別に怨みごとを言うつもりはない
そんなものだといつも思 ....
梅雨の晴れ間に射す陽光は、いかにも目に眩しい。この図書館の処々にはステンドグラスのはめ込み式の窓がある。陽が射さない日には、くすみ、精細を欠くその窓も、今日は冴々と色を発色させて美しい。ステンドグラ .... 午後から晴れるといっていた
天気予報があたらなくて
午後になっても
憂鬱な雨が降り続く

湿った食パンは味気なくて
作りかけのジグソーパズルに
八つ当たり
床中に散らばったピース ....
未有花さんのおすすめリスト(6094)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
野兎- 杉菜 晃自由詩8*12-2-21
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レール- アズアミ自由詩312-2-20
みちのり- そらの珊 ...自由詩14*12-2-19
リアルな夢_/_最近ぼくは不思議な夢を見るのだ!?- beebee散文(批評 ...18*12-2-19
春のタクシー- nonya自由詩20*12-2-18
リハーサル- そらの珊 ...自由詩5*12-2-17
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ねじれ- 乱太郎自由詩15*12-2-13
鳴かない猫- nonya自由詩27*12-2-11
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悩むひと(仮題?)- 恋月 ぴ ...自由詩27*12-2-6
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みちくさ- そらの珊 ...自由詩6*12-2-6
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からっぽな心_/_電車の影を追って- beebee自由詩28*12-2-5
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アルペジオ- nonya自由詩30*12-2-4
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鏡の中の猫- ……とあ ...自由詩24*12-2-2
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優しいひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*12-1-30
孤影_/_遠く飛び立って行った白い鳥- beebee自由詩28*12-1-28
金柑- 壮佑自由詩9*12-1-28
アオミドロ(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7+*12-1-28
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金魚(散文詩)- そらの珊 ...自由詩7*12-1-26
【_Rain_of_June_】- 泡沫恋歌自由詩12*12-1-25

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