僕の中には
ゆかしい枯野が広がっていて
いつも日が当たり
おいでおいでをしている

そこには死んだ母や姉がいて
昔飼っていた猫やアヒルもいて
みんな愉しそうに輪を作って踊ったり
 ....
このひとつぶに幸いあり
このひとつぶに不幸あり


不ぞろいに置いたそのつぶを
くちびるに含んで夢を見る
あのひとのくちづけを
あのひとのかんしょくを


私の恋はいまだ熟さない
 ....
私は
どのようにして生まれたのかは
いまだにわかりません

気がつけばずっと
あなたの裏側を見ることなく
そのみずみずしい姿だけを
何十億年も見続けて
あなたもまた
私の裏側を見たこ ....
道標もない秋の森
色彩と静寂の中心を求めて
道なき道を奥へ奥へと
踏み分けてゆく
方向に迷えば
小鳥の声に頼るしかない

辿りつく中心
そこは孤独ではなかった
一つ一つの色が
それ ....
朝露が飾る野原は 可愛い
お澄まし顔の女の子みたいに
しいん、としていて
洗い立ての髪、風に靡かせている
黄色い花、薄紫の野の花の
色々の顔で 僕らを見ている

 ねえ 僕らも そんな風 ....
もう
会う機会があっても
多分 何もしゃべれない

なのに
会いたい会いたいって書く
好きだ好きだって書く

ほんとは
なにひとつ解決しようなんて
思ってない

ほんとうのこと ....
わたしは一遍の詩
およそ80年かかって朗読される

妻でもなく
母でもなく
女ですらなく

眠って起きて紡がれる一遍の詩

残念です
あなたの耳に届くのは
この美 ....
この 現実世界に
生まれ落ちた瞬間に
不安だから 僕は泣いた
確かめたくて 僕は泣いた

涙の零れる寸前の心に
思考の少し前の脳に
歩く前に上げた一歩の隙間に
唄う前の一音の間のブレス ....
―もう少し生きてみるか―
駅の改札を出てきて
ふと洩らした中年男のことば
連れがいるわけではない
一人で改札を出てきて
ふと洩らした独り言

僕は電車に乗ろうとして
改札に向っ ....
あめがやんだので
もう かさのはなしはおわった
それから
こいぬのなみだで
ちいさな こうちゃをいれた

+

ふたごのおとうと
くちぶえ ふいた
くちぶえふいて なきだした
 ....
便利なものが満ち溢れ
心満ちると思えども
便利さのみが溢れ出て
欲求のみが加速する

高価なものも尊とまれ
何であるかもわからずに
高価がゆえに追い求め
評価のみがそこにある

名 ....
放課後
勇気を出してあの子を祭りに誘った

こっちの気も知らないで
僕を射抜いた満面の笑顔で
また、追い討ちをかけられる
くそっ、かわいいな
いっその事、断ってくれれば
今年も友達と馬 ....
また少しネジが緩んだ

私の中でくるくるとメリーゴーランドが回りだす

夜の暗い遊園地

メリーゴーランドだけが

くるくると光り輝きながら回る

いつまでもいつまでも回り続ける
 ....
「30分後に球場横に集合だね」

もう夏休みの終わりも近い。
4人が集まったのは24時の少しまえ。
バイト帰りも、レポート中作成中も、家でパジャマも、
メール一つですぐ集まっちゃう。
明日 ....
放映時間を過ぎたチャンネルに合わせると
ざぁざぁという、音が聞こえる
じっと見つめる ただ見つめる
パチンコ玉 みたいな砂粒を

ざぁざぁという、音が聞こえる
安らいで、いいですか
それ ....
{ルビ埃=ほこり}がかったランプの下 
赤{ルビ煉瓦=れんが}の壁に{ルビ凭=もた}れ
紙切れに一篇の詩を綴る 

クリスマスの夜 
遠い昔の異国の街で 
一人の少女が売れないマッチに火を ....
深くみずをたたえて、湿度を高位にくばり、
森に沈みこむ薄化粧の木霊は、
香ばしい季節の賑わいを、端正に、はおり、
浮かび上がるみどりに浸る、
眩い光沢を、透き通る声の上に配して。

流れる ....
儚くて
脆い物だって
わかっているのに

それでも
手に入れた瞬間は
満たされて
幸せ

耐えられなくなった瞬間に
全てが壊れてしまいそうで

悟ってしまった ....
鏡に映る「私という人」は
だらしなく伸びた髪を 
ばっさ ばっさ と刈られていく 

( 少しくたびれた顔をしてるな。 
( いつのまに白髪が混ざりはじめたな。 

幼い頃 
{ルビ日 ....
街には秋が訪れ
人々は単純な色から
個性を強調する服へと
変わってゆく

公園のベンチに座ると
どこからか
声が聞こえてくる

見て見て
あの人の配色のセンスを
私はどうなの
 ....
白馬に乗っかった王子様に
円らな瞳のテディベア
女の子は(誰でも) メルヘンがお好き
だから毎晩頭の中の絵本を紐とく
透けた羽を持つ仮想の恋人と
だから今宵も 夢の中にて好き放題
だから今 ....
空を
見上げようともしない、君の
泣きはらした頬の ぬくもり が
染みる

舌足らずな恋は
時を止めるすべも知らず
いたずらに季節ばかりがすぎて
最後の秋

西日を受けた
一面の ....
前から雨が吹いてくる
上り坂

秋はまだ始まったばかりだというのに
傘を持つ手が冷たくて
両手で持つというよりも
両手を温めている

足元を見ながら進む
雨の上り坂
流れてきたのは ....
カレンダー泥棒が街にやってきて

みんなの予定をどんどん、どんどん盗んでゆく

ぼくの楽しみのしていた秋の遠足も、運動会も、あっという間に盗まれてしまった。

運動会はいいけれど、遠足は返 ....
遊ぶために生まれてきたんだ
それだけだ
それが人間だ
仲良くみんなで遊べばいい

それなのに俺はここ最近
とらわれてる
檻の中に
自分の模様に

なあ月が 
見え ....
ぼくは輝きたかった
理由は必要ない
何に輝きたいということも
特別に何もない

世の中に錆びたまま
埋もれてゆきたくはない
誰も知られない自分を
知られるのが怖いのかもしれない

 ....
どこからか流れ始める秋の風
大地を冷ます川が流れる
風の川
降りるよりかは染みてゆく
潮騒のみが海に吹き抜く

秋風の流れる様は見えずとも
草木が癒える姿が見える
風の森
集うよりか ....
のら犬がいた

そいつは
安全な距離を保ちながら
一生懸命に
オレを吠えた

かるく
しっぽが揺れていた
もとは白かっただろうに
よごれた茶色が寂しかった


砂利道にし ....
女が日盛りの中 黒い蝶を追つてくる
蝶は女の心の反映そのままに
定めなく飛び 深い森に迷ひ込む

木下闇の黒蝶は 決して見えない
陽だまりに現れるのを待つしかないが
いつまでも待つ ....
{引用=健康な人には医者はいらない。
いるのは病人である。
わたしがきたのは、義人を招くためではなく、
罪人を招いて悔い改めさせるためである。
     (キリスト、新約聖書ルカ5:31-32 ....
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